スズキ・セレリオの特別仕様車『ミラノエディション』

モーターエキスポに展示されていたスズキセレリオの特別仕様車『ミラノエディション』は、爽やかな雰囲気のコンパクトカーだ。

新型車にばかり目が行きがちなモーターショーだが、販売促進を狙った特別仕様車も見どころのひとつ。そんな一台で目に留まったのが、スズキ・セレリオ『ミラノエディション』だ。その爽やかで愛らしいスタイルは、日本のスズキ・ラパンとも重なる。

ボディ下部をクロスオーバー風にカーキ色に変更しており、それが良いアクセントとなっている。

スズキ・セレリオ『ミラノエディション』は最上位グレード「GX CVT」をベースにドレスアップを図ったもの。最上位グレードだけに装備も充実しており、Apple CarPlayとAndroid Auto対応の7インチタッチスクリーンオーディオ&4スピーカーシステム、タコメーター、フロントドアトリム、60:40分割可倒式リヤシート、電動調整機能付きカラードドアミラー、アロイホイール等が標準装備されるのは「GX」グレードだけだ。

「GX」のみのタコメーター付きのメーターパネル。
滑らかな走りを生むCVTを採用。
「GX」のみとなる60:40分割可倒式後席。

ボディサイズや動力性能はセレリオ全車共通だが、簡単におさらいしておくと、ボディサイズは全長3600mm×全幅1600mm×全高1540mmとコンパクト。KB10型直列3気筒DOHCエンジンを搭載し、最高出力68ps/6000rpm・最大トルク90Nm/3500rpmを発揮する。トランスミッションはCVTとなる。5名乗車が可能で、車両重量は835㎏と軽量だ。

スズキ・セレリオは軽自動車以上スイフト未満のコンパクトカー!装備も仕様もとにかくシンプル!このアナログさがどこか懐かしい……

微笑みの国、タイの首都バンコクにて2024年11月28日~12月10日の期間で国際モーターショー「第41回モーターエキスポ2024」が開催された。タイは、日系ブランドが大きなシェアを持つ日本車大国でもある。そこで出会った日本では出会えない日本車を紹介したい。 REPORT:大音安弘(OHTO Yasuhiro) PHOTO:大音安弘(OHTO Yasuhiro)/SUZUKI

https://motor-fan.jp/mf/article/282550
ノーマルのセレリオについてはこちらを参照。

エクステリアは小洒落たレトロモダンスタイル

ウッドパネル付きのルーフラックとのマッチングが良いストライプ柄のルーフ。

さて専用仕様について見ていこう。エクステリアは、日本でも人気が出そうなレトロモダンなスタイルだ。ボディをホワイトとライトブルーのツートンカラーに仕上げ、アクセントカラーに人気のアクセントカラーのカーキを採用している。

外観では、ドアミラーやドアハンドル、エンブレムをカーキとすることが良いアクセントとなっている。

色遣いは細かく分けられており、フロントグリル内のバーもホワイト化。さらにボディ下部は、ボディプロテクション風にカーキ色に変更され、STYLEの立体感を強めている。

ラッピングでデザインを変化されたフロントマスクは、お見事。
ヘッドライトのアイラインの上には「セレリオ ミラノ」のネームシール。

芸が細かいのはアルミホイールで、外側はライトブルー、内側はカーキに色分けされている。さらに、ドアハンドルとエンブレムもカーキとした。ルーフ部には、クラシックデザインのウッドパネル付きルーフキャリアが装着されているのもお洒落だ。

標準デザインのアルミホイールをラッピングでツートーン化。
カーキにラッピングされたドアハンドル。
各エンブレムもカーキでラッピング。
お洒落なクラシカルスタイルのルーフラック。
フロントとサイドには、ウッドパネルの装飾が付く。

ホワイトとカーキで彩られた明るくポップなインテリア

インテリアも明るいポップなテイストだ。シートには前後席共にホワイトとカーキのストライプにブラックパイピングを施したホワイトのシートカバーを装着。フロントドアトリムもホワイト生地製のものに変更し、一体感を演出する。

クーラーの吹き出し口やセンタークラスターに追加されたカーキのアクセント。

細かい点では、ダッシュボード上の左右のエアコン吹き出し口、パネルセンター、シフト回りにもカーキのアクセントが加えられている。

外観に合わせたカーキとホワイトのツートーンシートカバー。
大きなクマのぬいぐるみを載せても広々の後席エリア。
フロントのドアパネルは、専用のホワイトパネルに変更。

実は装備の追加とラッピングによるディーラーオプションパッケージ

コンサバなセレリオを驚くほどお洒落に仕上げた『ミラノエディション』だが、実はディーラー架装のオプションパッケージなのだ。外装のパーツの変更は、ルーフラックとフォグランプの追加だけ。ボディには、ライトブルーとカーキのラッピング加工を施している。インテリアも、ダッシュボードのパネルアクセントとフロントドアトリム、シートカバーを装着しただけなのだ。

「ミラノエディション」のオプション価格は約30万円。内容を考えればお得かも。

オプション価格は6万4800バーツなので、約30万円。「GX」の車両価格は45万1000バーツ(約206万8000円)だが、現在はキャンペーン価格として、39万9900バーツ(約182万7600円)に値下げされているので、実質的には1万3700バーツ(約6万2600円)の追加で同仕様が買えるようだ。

装備を変えずとも、ここまでのイメチェンできるというラッピングカスタムのお手本のような作品だが、セレリオのシンプルなデザインを上手く活かしていると思う。このカスタムをデザインしたデザイナーには、拍手を送りたい。ただなぜ“ミラノ”としたのかだけは聞いてみたかった。