自動車産業がモビリティ産業へと変革する中で目指す「未来の姿」とは? 日本自動車工業会が「自工会ビジョン2035」を発表

一般社団法人 日本自動車工業会(自工会)はこのほど、「自工会ビジョン2035」を発表した。このビジョンでは、日本の自動車産業の置かれた状況や危機意識、業界として既に取り組んでいることに加え、自動車産業がモビリティ産業へと変革する中で目指す「未来の姿」を描いている。

日本をより良い社会にしていきたいという自動車メーカー14社・自工会の思いが込められている

自動車産業はこれまで、新たな生活様式や暮らしを創造しながら、関連産業と連携し、国の経済力や産業全体の競争力の一端を担ってきた。これまで培ってきた競争力の地盤は、自動車メーカーの企業努力のみでは成し得なかったもの。

これは、長い歴史の中で形成した産業基盤、すなわち550万人の仲間、さらには社会による理解があってこそ成立したものだ。

現在、自動車産業はカーボンニュートラルやCASEを背景とした「100年に1度」といわれる転換期を迎えている。自工会は事業環境が大きな変化にさらされながらも、これまで以上に、日本経済や地球規模の課題において果たすべき役割を担っていきたいと考えている。

このために自工会は「モビリティ産業への変革」を目指し、共通の目標をもつ「仲間」を拡げながら社会・生活者を中心に据えた課題解決・価値創造を進めてきた。

自工会としても多様な活動を進めていく中で、優先的に取り組むべき課題として、2023年にカーボンニュートラルやDX、国際競争力確保などに関する「7つの課題」を定め、対応している。すべての課題の解決には他産業や政府との連携が必須であり、産業の枠を超えたオールジャパン(官民連携)で取り組んでいる。

自工会が「7つの課題」を含む取り組みを進める中では、様々な危機意識が鮮明となり、また産業を取り巻く環境や世界情勢も大きく変化するなど、産業の枠を超えた連携の重要性が一層高まっている。

自工会ビジョン2035」は、社会の皆さんに日本の自動車産業が描く未来の姿に理解を深めてもらい、希望を共有してもらうことを目指して作成したもの。このビジョンには、多くの方々と同じ夢を抱き、産業界がその実現に向け責任を持って取り組むことで、日本をより良い社会にしていきたいという自動車メーカー14社・自工会の思いが込められている。

日本自動車工業会公式サイト

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