中ホール6にブースを構えたKLCは千葉県のカスタム/ドレスアップショップで、軽自動車系では特に人気を集めている。東京オートサロンでは2022年、2023年とジムニーのドレスアップカーを展示しており、2025年も2台のジムニーを展示。そのうちの1台はピックアップトラック化されており特に注目を集めていた。

初代SJ仕様に顔変した「ジムニー」の正体は、ピックアップトラック!? ってどーいうこと!?【TAS2025】中ホール6

2025年1月10日(金)〜12日(日)の3日間、千葉県の幕張メッセで開催された【東京オートサロン2025】。「年に一度のカスタムカーの祭典」と言われるビッグイベントで注目された、最新デモカーや気になるアイテムをどこよりも早くご紹介します!

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KLCが展示したジムニーのピックアップトラック。

そして、その隣に並べられたもう1台は、そこまで大胆なカスタムこそ施されていなかったが、そのカラーリングは目を惹くものがあった。

カストロールカラーはO.Z「ラリーレーシング」ありき

そのジムニーはなんと鮮やかなカストロールカラーを纏っていた。1993年から1999年まで世界ラリー選手権(WRC)においてST185型とST205型のセリカGT-FOUR、カローラWRCで、全日本GT選手権(JGTC)では1995年から2001年までスープラが活躍した”あの”カストロールカラーだ。

カストロールカラーを纏ったKLCのJB64型ジムニー。

外観はKLCのジムニーカスタムブランドである「Heritage」のパーツで構成されており、オーソドックスながらジムニーらしいカスタムに仕上がっていた。

スズキの「S」エンブレムが入らないフェイスグリルマークレス(ABS製)を装着。組み合わせるフォグランプがIPF製なのがラリーテイストを感じさせる。
フロントエンドにはABS製フロントショートバンパー(塗装済み8万5800円)とスキッドプレート(3万5200円)を装着。
同じくKLCが展開する「轟」ブランドのリフトアップサスペンションで車高アップ。よりボリュームのあるシルエットに。なお、ゼッケンが「64」になっているのはジムニーファンなら自明の理。JB「64」の型式から来ている。
チタン焼けも美しいシングルテールのマフラーは瞬速エキゾーストシステム。リヤビューのさりげないアクセントになっている。

そしてこのジムニーのポイントになっているのがオフロードタイヤの定番、横浜ゴム「GEOLANDAR A/T4」と組み合わせたホイール。O.Zレーシングの「Rally Racing(ラリーレーシング)」だ。
O.Z.のラリーレーシングといえば1988年の登場から1990年代のWRCにおいてランチア・デルタや前述のトヨタ・セリカGT-FOURが装着して活躍したことからとても人気があった。そのため、一時はカタログ落ちしてしまったが、ファンの熱い要望に応えて2017年に復活した。

O.Zレーシングのラリーレーシングに横浜ゴムのGEOLANDAR A/T4(185/85R16)をセット。このラリーレーシングはジムニー用に開発されたラリーレーシング4×4(5.5J×16インチ)。

このジムニーが装着しているのは、東京オートサロン2024でDAMDが展示したカスタムジムニー(シエラ)「リトルデルタ」「リトルサンク」用に開発された「ラリーレーシング4×4」だ。東京オートサロン2024での反響も大きく、2024年5月には市販が始まり、ジムニー乗りのあいだで人気を集めているという。

5ヶ国18ブランド110台が集まった『O.Zファンミーティング』はラリーやイタリア車のイメージにとどまらない多彩なラインナップだった!

2024年12月8日(日)、静岡県静岡市清水区の清水マリンパークにて『O.Zファンミーティング』が開催された。O.Zレーシングのホイールを装着するクルマが約110台集まり、交流やイベント、出展社での買い物を楽しんだ。

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リトルデルタ、リトルサンクは2024年12月に開催された『O.Zファンミーティング』に出展したDAMDブースにも展示された。

なぜジムニーをトヨタのイメージが強いこのカストロールカラーに仕立てたのか?KLCのスタッフに訊いてみたところ「ラリーレーシング4×4を履かせたから」という答えが返ってきた。なるほど、ラリーレーシング=カストロールカラーのセリカGT-FOURというわけで、ホイールありきのカスタムだったわけだ。確かにこの連想はとてもわかりやすく、往年のWRCファンなら思わず眼を見張ることだろう。

これまでのKLCのジムニーカスタムとはイメージが異なっていたりライトめのカスタムではあったが、完成度の高さはさすが。カストロールレプリカというと、やはりラリーファンによるセリカGT-FOUR(ST185型、ST205型)が主流ではあるが、このように実際には存在しない組み合わせも面白い。上手く作ればオリジナルでなくとも見栄えの良いレプリカになるのは、このカストロールカラーの妙味といったところだろうか。