最強モデルは1000ps超え、初の3列シート採用!? ポルシェ カイエン次期型EVは巨大化!?

ポルシェ カイエン 次期型EV プロトタイプ スパイショット
ポルシェが現在開発中のフラッグシップ・クロスオーバーSUV、カイエンの次期型エレクトリックバージョンをスクープ班のカメラが捉えた。

ポルシェ カイエン 次期型EV プロトタイプ スパイショット

プロトタイプは過酷な寒さと雪の中でテストされており、この高性能電気クロスオーバーSUVが冬の最も厳しい条件にも対応できるかどうかを確認しようとしている。冬季や寒冷地テストはどんな新車の開発でも重要な部分ではあるが、EVに関しては特に重要だ。バッテリー冷却システムがバッテリー加熱システムとしても機能できることを確認するほか、低温状態での電力消費を監視・確認したり、ICEモデルでは温められていても、EVではそれほど温められない部品が凍結しないよう確認・調整しなければならないからだ。

ポルシェ カイエン 次期型EV プロトタイプ スパイショット

第4世代となるカイエン次期型エレクトリックは、2025年後半または2026年初頭にデビューすると発表されていたが、ポルシェがEV戦略を再考していることから、その発売が遅れる恐れがありそうだ。もちろん、ポルシェは初のゼロエミッション カイエンの発売延期を発表してはいないが、他の自動車メーカーと同様に、自動車市場の変化を受けて、ブランド全体の電動化計画を再考させざるを得なかったことはわかっている。ポルシェは昨年、一部の内燃エンジンモデルの寿命を延ばし、現在開発中のEV(具体的には新フラッグシップとなるSUV “K1”)を改造して、内燃エンジンパワートレインにも対応できるようにすると発表している。

内燃エンジンとEVバージョンはどちらもカイエンのバッジを掲げ、インテリアも似ているが、プラットフォームの違いに至るまで、実は内部はまったく異なっている。カイエンエレクトリックは、アウディA6 e-tronとQ6 e-tron、そしてもちろん弟分のマカン エレクトリックですでに使用されている“PPE”アーキテクチャの拡張バージョンを用いることになる。このプロトタイプの偽装ではデザインの詳細を明確に把握することは困難だが、カイエンはヘッドライトとグリルのスタイリングのアイデアを弟分と共有するものと見られている。

エントリーレベルのカイエンは、おそらくパワートレインをマカンの中級または上級グレードと共有するだろう。マカンは4Sグレードで最高出力516ps(380kW)、ターボで639psm(470kW)を発揮するデュアルモーターセットアップを備えている。では、パフォーマンス・モデルであるカイエン ターボはどうなるだろうか? 従来モデルを見ればタイカン ターボでは最高出力884ps、ターボSでは952psを発揮しており、カイエン ターボでもこれに準ずると思われるが、ライバルのテスラ モデルX プラッドに対抗するべく、タイカン ターボGTに用いられている1034ps(760kW)のモーターを搭載したモデルも開発中とみられている。

果たしてカイエン次期型のワールドプレミアは、いつになるのだろうか? ポルシェの頭を悩ませているのは、昨年、EV登録台数が世界的に増加したにもかかわらずタイカンの売上が急落し、フェイスリフト車や超高速モデルの導入もこの落ち込みを防げなかったという事実だ。またマカン エレクトリックも、ディーラーで期待ほどの売れ行きではないという。今後12か月以内にカイエン エレクトリックの発売を実現するのか、それとも高級EV市場が回復するまで待つのか、決断が迫っている。

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著者プロフィール

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APOLLO

1965年東京文京区生まれ・世田谷区在住。INS通信社を経て1996年に独立し、車ニュース配信会社アポロニュー…