トヨタが本気を出すと、こうなるのか? トヨタが考えるBEV戦略の凄さ

トヨタの本気、怒濤のBEV攻勢を予告。トヨタ2030年に350万台のBEV! レクサスはBEV専用ブランドに!

トヨタは12月14日、「バッテリーEV戦略に関する説明会」を開催した。内容は衝撃的なものだった。

「私達の未来のショールームへようこそ!」

トヨタは12月14日、「バッテリーEV戦略に関する説明会」を開催した。
まず、登場したのは豊田章男社長である。

会場は12月31日で閉鎖されることが決まっているMEGA WEBだった。

社長の背後には、5台のトヨタのBEV(バッテリーEV)が並んでいる。

左から2021年央の発売予告されているbZ4X、ミディアムクラスのクーペSUV「bZ COMPACT SUV」、もっともコンパクトなSUV「bZ SMALL CROSSOVER」、ファーストカーとしての使用を想定しているミディアムセダンの「bZ SDN」、3列シート可能なラージSUVの「bZ LARGE SUV」である。

bZ SMALL CROSSOVERでは、クラストップの電費125Wh/kmを目指すという。

豊田社長は、バッテリーEVにはふたつのタイプがある、という。
ひとつはCO2を減らすカーボン・リデュース・ビークル」
もうひとつは、CO2ゼロの「カーボン・ニュートラル・ビークル」
である。
トヨタは2030年までに30種類のBEVの展開する。乗用・商用でフルラインアップを揃えると宣言した。

「私達の未来のショールームへようこそ!」という豊田社長の言葉で、背景のカーテンが下ろされると、そこにはさらに、11台のBEVが並べられていた。合計16台ものトヨタBEVが並べられたのだ。

トヨタのBEV

bZ4X
bZ Small Crossover
bZ Compact SUV
bZ SDN
bZ Large SUV

トヨタのBEV
bZ4X
bZ Small Crossover
bZ Compact SUV
bZ SDN
bZ Large SUV

おそらくここまでが「bZシリーズ」でこのほかに

Micro Box
Mid Box
SPORTS EV
Crossover EV
Compact Cruiser EV
Pickup EV
Small SUEV

Mid Box
Micro Box
SPORTS EV
Crossover EV
Compact Cruiser EV
Pickup EV
Small SUEV

レクサスのBEV

Lexus Electrified SUV
Lexus RZ
Lexus Electrified Sedan
Lexus Electrified Sport

レクサス
Lexus Electrified Sport
Lexus RZ
Lexus Electrified Sedan
Lexus Electrified SUV

開発目標は航続距離700km以上! 全固体電池搭載

次に登場した佐藤恒治レクサスプレジデントでありトヨタ・ブランディングオフィサーはレクサスのBEVである「RZ」を初披露した。

Lexus RZ

スポーツBEVの開発目標は
航続距離700km以上
加速タイム(0-100km/h)2秒前半
全固体電池の搭載を想定

と発表された。

トヨタは、2030年にグローバルのBEV販売台数を350万台/年に引き上げるという意欲的な目標を掲げた。レクサスは2030年までに全カテゴリーでBEVのフルラインアップを揃え、2030年に北米・中国・欧州の市場ではBEV100%にする。またグローバルで100万台のBEV販売を目指す。

また2035年には、レクサスをBEV100%のブランドにすると発表した。

トヨタは合計8兆円を投資すると発表した。

トヨタが目標達成するために行なう投資は

トヨタの電動化投資(研究開発・設備投資)
2022~2030年(9年間)の投資額
BEV:4兆円(うち電池投資:2兆円)
HEV/PHEV/FCEV:4兆円
の合計8兆円
である。

プレゼンテーションする豊田章男社長

従来、トヨタはBEV200万台の販売目標を掲げていたが、これを350万台に上方修正したカタチだ。これに対して、豊田社長は

「200万台でも大変な量だと思う。200万台というのは、中国のほとんどの自動車会社の規模です。350万台というのは、ダイムラーとかPSA、スズキと同じ規模です。とてつもない数を言っていることをまずは認識してほしい」と発言した。

キーになる電池調達については、基本的な考えは「地産地消」。どのくらいの母リュームになったら現地に出て行くかは、規制や地域を考えて進めていくという。電池の材料については「2030年までの分は豊田通商によって確保できている」という。

トヨタ、として豊田章男社長の思いは、
「カーボン・ニュートラル・ビークルをできるだけ増やしていきたい。しかし、現実には、各国のエネルギー事情も大きな影響を及ぼしている。これはトヨタではどうしようもないことだとご理解いただきたい」

としたうえで、BEVだけでなく、FCEVやHEV、もちろんコンベンショナルなICEの開発も続いていく。

「カーボンニュートラルの鍵を握るのはエネルギーです。そして地域によってエネルギー事情が違います。トヨタは各地域のニーズに対応したいと考えています。選ぶのは、各市場のお客さまです。経営的には選択と集中した方が効率的かもしれませんが、私は未来を予測することよりも変化にすぐに対応できることが大切だと考えています。だからこそ、正解への道筋がはっきりするまでお客さまへの選択を残したい」
と豊田社長は力を込めて発言した。

トヨタはこれまでも、EVだけでなく全方位で開発を進めていくという方針を示していた。そのうえで、EVの競争力強化に本気で取り組む姿勢を示したわけだ。急速に進む電動化、BEV化でトヨタが主要なプレーヤー(技術、バッテリー開発・製造などを含めて)であることをあらためて世界に宣言したカタチだ。

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