メルセデス-AMG GT Rは、2021年12月1日現在、トミカの番号順で最初に出てくる市販外国車です。「メルセデス-AMG」とはドイツの自動車メーカーのダイムラーのスポーツカー/レーシングカー系ブランドで、メルセデスの中でも「究極のハイパフォーマンスを追求するモデル」に位置付けられています。
もともとAMGは独立したチューニング会社でしたが、1999年にダイムラー・クライスラー(当時)に吸収され、さらに2014年からは「メルセデス-AMG」の名で、ダイムラーのスポーツカー・ブランドとして再編されました。
さて、メルセデス-AMGのブランドでの第一弾となったメルセデス-AMG GTは、2014年(日本では2015年)にデビューした、後部に350ℓの容量のラゲッジスペースを備えた大型リヤゲートを持つ、ロングノーズ・ショートデッキのクーペ・スタイルのボディの高性能スポーツカーで、専用に開発されたAMG M178型 4.0ℓ V型8気筒ツインターボエンジンを搭載し、最高出力340kW(460ps)/6000rpm、最大トルク600Nm(61.2kgm)/5000rpmを発揮します。改良が重ねられた結果、2021年現在では最高出力530ps、最大トルク68.3kgmまで進化しています。
2021年12月現在は販売終了となりましたが、さらにエンジンが磨き上げられたメルセデス-AMG GT Sになると最高出力510ps、最大トルク66.3kgmを発揮し、こちらも2020年8月までには最高出力522ps、最大トルク68.3kgmに達していました。
さて、メルセデス-AMG GTには2021年12月現在、クーペ・ボディのほかに、オープンカーのメルセデス-AMG GTロードスターが仲間に加わり、クーペ、ロードスターともにノーマルのGT、少し豪華な仕様のGT Cというモデルが用意されています。2020年8月までは、GTよりもエンジンに磨きがかけられた、先述のGT Sというモデルも用意されていました。
このメルセデス-AMG GTファミリーの中でも最も特別な存在が、トミカになっているメルセデス-AMG GT Rです。このクルマは完全受注生産で作られる、ファミリーの中でも最高の性能を誇る超高性能車で、クーペ・ボディのモデルしかありません。日本では2017年にデビューしました。
エンジンはメルセデス-AMG GT S よりさらに磨き上げられて最高出力585ps、最大トルク71.4kgmに達し、コーナーリング性能や高速走行時の安定性を高めるために、リヤアクスルにメルセデス-AMGとして初めて後輪操舵機構を搭載しました。このほかカーボンファイバー製ルーフやクロスメンバー、トルクチューブ、鍛造アルミホイール、チタン製リヤサイレンサーなどを用いることで、GT Sよりさらに15kg軽量化されています。また、ボディ形状も大きく手が加えられ、前後ともにワイド化されているほか、専用デザインの前後バンパーやディフューザーに加え、ブレードの角度を調整可能なアジャスタブルリヤウイングが採用されています。
■メルセデス-AMG GT R 主要諸元
全長×全幅×全高(mm):4550×2005×1290
ホイールベース(mm):2630
トレッド(前/後・mm) :1700/1690
車両重量(kg):1690
エンジン形式:型 AMG M178型 V型8気筒DOHC ツインターボ付き
排気量(cc):3982
最高出力:430kW(585ps)/6250rpm
最大トルク:700Nm(71.4 kgm)/2100-5500rpm
トランスミッション:7速AT
サスペンション(前後):ダブルウィッシュボーン
ブレーキ(前後) :ベンチレーテッドディスク
タイヤ:(前) 275/35R19 (後)325/30R20