ホンダモーターヨーロッパが「アコード」8代目を欧州で6月、日本は12月に発売と概要を発表【今日は何の日?2月11日】

ホンダ8代目欧州仕様アコード
ホンダ8代目欧州仕様アコード
一年365日。毎日が何かの記念日である。本日は、ホンダが2008年6月に欧州に投入予定の8代目「アコード」と「アコードツアラー」の概要を発表した日だ。8代目アコードは、セダン人気が低迷する日本市場よりも欧州市場をターゲットに開発され、先行して欧州で発売したのだ。
TEXT:竹村 純(Jun TAKEMURA)/PHOTO:三栄・新型アコードのすべて

■欧州市場をメインターゲットにした8代目アコード

2008(平成20)年2月11日、ホンダモーターヨーロッパが同年6月に欧州で先行して発売予定の8代目「アコード」と「アコードツアラー」の概要を発表した。8代目アコードは、人気の欧州をメインターゲットにボディを大型化し、アコードワゴンと呼んでいた名称をアコードツアラーへ変更した。

ホンダ8代目欧州仕様アコード
ホンダ8代目欧州仕様アコード
ホンダ8代目欧州仕様「アコードツアラー」
2008年2月に発表されたホンダ8代目欧州仕様「アコードツアラー」

徐々に上級・大型化したアコードだが販売は右肩下がりに

ホンダ初代「アコード」
1976年にデビューしたホンダ初代「アコード」、シビックの1ランク上の上級モデルとして登場

初代アコードは、シビックのワンランク上のセダンとして1976年にデビュー。シビックをベースにボディとエンジン排気量を拡大して、ゆとりの室内スペースとシビックゆずりの走りが人気を呼び、特に米国では大ヒットを記録した。

初のモデルチェンジで1981年にデビューした2代目は、1982年に日本メーカーとしては初の米国現地生産を開始し、米国における海外ブランド車のトップセールスを記録した。3代目は、ワイド&ローのスタイリングにリトラクタブルヘッドライトを採用してスポーティさをアピール。4代目は固定ヘッドライトに戻して、4WSやABSが装備されたのが特徴だった。

5代目は、衝突安全設計を採用するとともに全幅の拡大により3ナンバーボディに。6代目は全車VTECエンジンを搭載し4WD車が初めて設定された。7代目は、国内仕様が欧州仕様と統合されて再び全車3ナンバー化され上級化が進んだが、2000年を迎える頃には日本ではセダン冬の時代が到来、販売は徐々に伸び悩むようになった。

【歴代アコード ギャラリー】

さらに大型化して欧州をメインターゲットにした8代目

8代目アコードは、日本が“セダン冬の時代”に苦しんでいる中で誕生。人気だった欧州市場をメインターゲットに企画され、3月に開催されるジュネーブモーターショーでの正式公開に先立ち、2008年2月のこの日に概要が公表されたのだ。

ホンダ8代目欧州仕様アコード
ホンダ8代目欧州仕様アコード
ホンダ8代目欧州仕様アコード
ホンダ8代目欧州仕様アコード

新型アコードおよびアコードツアラーは、ボディを大型化してすべてをワンランク上げた上級ミッドサイズとなり、この世代からワゴンはツアラーと名称が変更された。ツアラーに変更したのは、ワゴンのイメージよりも、楽しくツーリングするというイメージを強調するためだった。

ホンダ8代目欧州仕様アコード
ホンダ8代目欧州仕様アコード
ホンダ8代目欧州仕様アコード
ホンダ8代目欧州仕様アコード

スタイリングは、先代の低いノーズとウェッジシェイプを継承し、ワイドトレッド化することで室内空間を先代よりも拡大。パワートレインは、2.0L(156ps)&2.4L(200ps)直4 DOHC i-VTEC、新開発の2.2L(150ps) i-DTECディーゼルの3機種エンジンと6速MTおよび5速ATの組み合わせ、駆動方式はFFのみ。

ホンダ8代目欧州仕様「アコード」のコクピット
ホンダ8代目欧州仕様「アコード」のコクピット
ホンダ8代目欧州仕様アコードツアラーのインテリア

安全面では、VSA(車両挙動安定化制御システム)を全タイプに標準装備、LKAS(車線維持支援機能)、ACC(車速/車間制御機能)、CMBS(追突軽減ブレーキ)をオプション設定するとともに、ホンダ独自のコンパティビリティ対応ボディを採用するなど、先進の安全性能が装備された。
なお、欧州の発売は同年6月から始まった。

日本では同年12月にデビュー

8代目アコードの日本発売は、欧州から遅れること半年後の12月5日となった。

ホンダ8代目「アコード」
ホンダ8代目「アコード」

欧州同様、セダンとツアラーが用意され、スタイリングは欧州アコードと同じ。パワートレインは、2.4L直4 DOHC i-VTECと5速ATの組み合わせのみに絞られ、駆動方式はFF。車両価格は、標準グレードがアコードで270万円、アコードツアラーが295万円に設定された。

ホンダ8代目「アコード」
ホンダ8代目「アコード」
ホンダ8代目「シビックツアラー」
ホンダ8代目「シビックツアラー」

8代目アコードは、乗り心地や静粛性などレベルアップしたが、日本での評価はアコードがまた大きくなったといった反応で販売は限定的で、2013年に9代目にモデルチェンジした。9代目アコードから全車ハイブリッド専用モデルとなり、2017年には海外向け(日本の発売は2020年)がさらに上質感や走りをレベルアップした10代目に切り替わった。

11代目アコード
11代目アコード

2023年1月にアコードはいったん日本での販売を終了したが、2024年3月に11代目で復活。日本仕様は、2.0Lのハイブリッド(e:HEV)のみが設定された。

11代目アコード
11代目アコード

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ホンダは、セダンの「レジェンド」と「インサイト」が販売を終了し、シビックもハッチバックのみになったので、アコードが唯一のセダンとなった。ホンダに限らず、国産メーカーはセダンのラインナップをなくしつつある。海外で人気のセダンが、日本では販売されないといったケースが2025年以降もますます増えることになりそうだ。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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著者プロフィール

竹村 純 近影

竹村 純

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までを…