ハイテク武装のホンダ アコード vs. ローテクの極みBMW 3シリーズ!日独スポーツセダン比較

ホンダの現フラッグシップセダンでありながらスポーツテイストが強められて登場した新型アコード。スポーツセダンとしての性能はどれほどのものだろうか。スポーツセダンの金字塔であるBMW 3シリーズをベンチマークに据えて、アコードのスペックをチェックしてみよう。

HONDA ACCORD
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BMW 3-SERIES

どちらも使い勝手に配慮されたスポーツセダン

ボディサイズはアコードのほうが一回り大きいこともあって、後席空間/荷室空間ともに広い。しかし、スペース効率において不利なFRであることを考慮すれば3シリーズの後席空間は立派なものといえるだろう。両車の後席居住性には、外見ほどの大きな差はない。

FRは舵角が大きくとれる点もメリットだ。最小回転半径はFFのアコードが5.7mであるのに対し、FRの3シリーズは5.3mとなっており小回りが効く。どちらも大柄なだけに0.4mの違いは無視できない差となる。

両車とも、後席にはにエアコン吹き出し口が備わり、可倒式リヤシートを採用したトランクスルー機能も備わるため長尺物も積み込める。どちらも使いにくさが極力排除されたスポーツセダンだ。

ホンダ アコード  e:HEV
ボディサイズ=全長4975mm×全幅1860mm×全高1450mm
ホイールベース=2830mm
車両重量=1580kg
タイヤサイズ=235/45R18(前後)

BMW 318i M Sport
ボディサイズ=全長4720mm×全幅1825mm×全高1440mm
ホイールベース=2850mm
車両重量=1540kg
タイヤサイズ=225/45R18(前後)

スポーツe:HEVのFF vs. 純ガソリンターボのFR

アコードは184ps/335Nmのモーターを主体として走行するe:HEVだ。モータードライブならではの鋭く滑らかな加速が特色ではあるが、アコードは加速とエンジン回転を同期させることで純ガソリン車のような乗り味を示す。

エンジンは新開発の直列4気筒直噴エンジンを搭載。さらに疑似シフトチェンジの動作なども見直され、アコードはフラッグシップセダンの立ち位置ではありながらシビックe:HEVよりもスポーティな性格に仕上げられている。

対する3シリーズの318iは、マイルドハイブリッドシステムすら搭載されない純ガソリンエンジンだ。しかし、ターボチャージャーにより250Nmの大トルクをごく低回転から発揮できるため動力性能は十分といえる。ただし、WLTCモード平均燃費は13km/L(318i)となっており、アコードの23.8km/L(e:HEV)には遠く及ばない。

3シリーズは軽やかに回るエンジンと、FRならではの自然なハンドリングが美点でもある。両車のパワートレインは多くの点で対極といえる。

ホンダ アコード  e:HEV
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=1993cc
最高出力=147ps/6100rpm
最大トルク=182Nm/4500rpm
トランスミッション=単速
駆動方式=2WD(FF)

BMW 318i M Sport
エンジン形式=直列4気筒ガソリンターボエンジン
排気量=1998cc
最高出力=156ps/4500rpm
最大トルク=250Nm/1300〜4300rpm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=2WD(FR)

ハイテクのアコードとローテクの3シリーズ

アコードは単一グレードのワンプライスで価格は約544万円。対する3シリーズのエントリーグレードとなる318iは644万円からだ。両車には100万円以上の価格差がある。

アコードは3シリーズよりも安価であるのにも関わらず、電子制御ダンパーや静音ホイール、高度な駐車支援機能を含む最新の「ホンダセンシング360」などが搭載されており、装備を考慮すれば破格の値段といえるだろう。

対する3シリーズは、2024年10月の改良で運転支援システムの改良を受け「ハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能」などが追加されたが、割高感は否めない。しかし、700万円台からが当たり前となっている輸入FRセダンのなかでは比較的手を出しやすい値段だ。

クラスは異なるものの、両車のスペックやキャラクターは近いところにあり優劣はつけがたい。結論は「ハイテクで武装したFFのアコードと、ローテクを極めたFRの3シリーズのどちらが好みか」の質問に集約されそうだ。

車両本体価格

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