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新世代の車体構造「DNGA」に加え、新開発のFR用CVTを軽商用車として初めて採用
「ハイゼット」シリーズは、1960年にダイハツ初の軽四輪車として誕生以来、常にユーザーのニーズを追求し、時代変化に合わせ進化し続けてきたロングセラーカー。農業等の一次産業から建設業、配送業等、幅広い業種に携わる方々 “働く相棒”として、地方部から都市部まで全国津々浦々で愛用され、累計生産台数は750万台以上にのぼっている。
近年、働き手の多様化や少子高齢化による労働力不足、新たな使用用途への対応等の軽商用車を取り巻く環境変化に対応すべく、今回のフルモデルチェンジで商用車に初めて「DNGA(Daihatsu New Global Architecture)」を展開。「ハイゼット カーゴ」「アトレー」のプラットフォームを一新するとともに、「ハイゼット トラック」も含めFR用CVTを軽商用車として初めて採用し、燃費や静粛性、発進性等の基本性能を向上させた。また、最新の予防安全機能「スマートアシスト」等を採用することで、同社は高まる安全・安心へのニーズに応えていく。
11代目となる新型「ハイゼット カーゴ」は、ラストワンマイルを担う小口配送ニーズの増加や建設業の方々の多能工化などによる多くの荷物を効率的に積みたいというニーズに応え、車体形状のスクエア化等によりクラス最大の積載スペースを実現。さらに荷室の側面や床面のフラット化等、荷物を傷つけることなく効率的に使用できる使い勝手の良さを追求した。
新型「アトレー」はレジャー等のニーズに応えるため、商用車ならではの広く積載性に優れた荷室を最大限活用できるよう刷新。さらに、専用デザインや充実した快適装備を採用しながら、求めやすい価格を実現している。
また軽特装車シェアNo.1の「特装シリーズ」は、豊富なバリエーションで多くの方々に愛用されている。今回から「デッキバン」を「アトレー」にも新設定し、より幅広いニーズに応える。さらに、軽福祉車両シェアNo.1である「フレンドシップシリーズ」として好評の「ハイゼットスローパー」、「アトレースローパー」も進化し、車いす乗車スペースの拡大と使い勝手の良さの向上を図っている。
そのほか、モデルごとの特徴を見ていこう。
新型「ハイゼット カーゴ」
車体側面やバックドアの傾きを限界まで立たせ、車体をスクエア化したことで、荷室長1915×荷室幅1410mm(4名乗車時)×荷室高1250mmという軽キャブオーバーバンクラス最大の積載スペースを実現。さらに、フロントピラーを立たせたことで前席の頭上スペースを拡大し、広々とした室内空間を実現した。
荷室の使い勝手の面では、後席シートベルトのバックルはシートと一体化され、シート固定金具も床面に埋め込んだ構造にすることで凹凸を無くし、荷物が傷つきにくく出し入れのしやすいフラットな空間を実現。さらに様々な荷物の取り付けや固定に便利な荷室ナット(ユースフルナット)を従来から最大約2倍となる17個に増加。リヤシートは構造の見直しによりフラットな荷室とシートの格納性を両立している。
操作の負担を軽減するパワースライドドア(両側・ワンタッチオープン機能・ウェルカムオープン機能・タッチ&ゴーロック機能付)や、スライドドアイージークローザー(両側)を、軽キャブオーバーバンクラスで初めて採用した点もニュース。
インパネは形状が見直され、アッパートレイを新設。さらに拡大した室内の頭上スペースを活用したオーバーヘッドシェルフ等、運転席から手の届く範囲を中心に豊富な収納スペースを確保したことで、荷物の取り出しやすさや働きやすさを実現している。
新型「アトレー」
新型では、商用車ならではの広い荷室空間と、2名乗車時で350kg(4名乗車時は250kg)の最大積載量を活用するため、従来軽乗用車として設定していた「アトレーワゴン」が4ナンバー化された。
ハイゼット カーゴと同様、車体のスクエア化により最大化された広い荷室空間や、フラットで使い勝手の良い荷室を実現した新型は、レジャー等の新しい使われ方に対する独自の荷室装備が特色で、以下が挙げられる。
・サーフボードや汚れたアウトドア用品を積んでも掃除がしやすいイージーケアマット
・様々な荷物の取り付けや固定に便利な荷室ナット(ユースフルナット)とマルチフックを設定
・車中泊時等に換気ができ、快適な車内空間を実現するポップアップ機構付リヤガラス
・後席での快適性を向上させるボトルホルダーやデッキサイドポケット等の収納スペース
・ラゲッジボードを組み合わせることで、ワーケーション等に最適なスリット付のデッキサイドトリム
機能面では、キーを取り出すことなくドアの開閉やエンジン始動が可能なキーフリーシステム&プッシュボタンスタートや、キャンプなどで両手がふさがった状態でもドアの開閉が便利な両側パワースライドドア、そして両側スライドドアイージークローザーが、軽キャブオーバーバンクラスで初めて採用された。
新型アトレーではさらに、ハイゼット カーゴで好評を得ている「デッキバン」が設定されたことも新しい。
福祉車両「フレンドシップ」シリーズも進化した。ベース車同様、車体のスクエア化による室内空間の拡大に加えて、ウインチボックスの見直しにより、ゆとりある車いす足元スペースを実現。
機能面では、助手席側リヤシートの大型化により、フロントシート同様の乗り心地を実現するとともに、従来型同等の車いす乗車スペースを確保。荷室はスロープ前倒し機構の採用により、普段使いでも使い勝手を高めている。
新型「ハイゼット トラック」
軽キャブトラッククラスNo.1の荷台フロア長やガードフレーム荷台長はそのままに、夜間の作業時等に便利なLED荷台作業灯を採用。インパネにはアッパートレイを新設する等、豊富な収納スペースが確保された。
キーを取り出すことなくドアの開閉やエンジン始動が可能なキーフリーシステム&プッシュボタンスタートや、狭い駐車場での駐車時も便利な電動格納式ドアミラーを同クラスで初採用したのも新しい。
なお、ハイゼット トラックの販売の約20%を占めており、幅広い用途に利用されている「ハイゼット トラック ジャンボ」には、求めやすいスタンダードグレードが新たに設定され、全2グレード展開となった。