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HONDA CIVIC
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HONDA FIT
後席膝周り空間は意外にもフィットのほうが広い
ボディ全長は500mm以上の大きな差が生じているが、意外なことに後席空間はフィットのほうが広い。しかし、全高が100mm以上低いシビックも座面高を低めることでフィットと同じだけの頭上空間を確保している。もちろん、後席の乗降性が高いのはルーフライン位置が高いフィットのほうとなる。
両車に大きな差が出るのは荷室空間の広さだ。フィットの荷室床面寸法は660mm×1000mmで、シビックは920mm×1030mmとなり、高さはどちらもダイブダウン式リヤシートを採用しており床面から天井までは750mmほどとなる。
両車のスタイルは大きく違うが、シビックは外観から想像する以上の頭上空間と荷室高が備わる。対するフィットの特徴は、コンパクトなボディサイズでありながら1クラス上のクルマにも匹敵する広い居住空間だ。なお、フィットには後席座面を持ち上げられるチップアップ機構も備わる。
ホンダ シビック e:HEV EX
ボディサイズ＝全長4560mm×全幅1800mm×全高1415mm
ホイールベース＝2735mm
車両重量＝1490kg
タイヤサイズ＝235/40R18（前後）
ホンダ フィット e:HEV LUXE
ボディサイズ＝全長3995mm×全幅1695mm×全高1540mm
ホイールベース＝2530mm
車両重量＝1200kg
タイヤサイズ＝185/55R16（前後）
当然、動力性能はシビックが上！燃費性能もフィットに迫る
どちらも低中速をモーターで走行し、高速走行時のみエンジン動力も使って駆動するe:HEVを搭載するが、排気量は自動車税区分で1ランク違ううえ、駆動モーターの性能も大きな差が設けられている。
両車のモータースペックはシビックが184ps／315Nm、フィットが123ps／253Nmとなり、全速度域でシビックのほうが動力性能に優れる。ただし車重が300kg近くも違うため出足の軽さはフィットが上だ。総合的なスペックで劣るとはいえ、フィットのモーターは2.5L自然吸気エンジン並の最大トルクを発揮できる。
両車のWLTCモード平均燃費はシビックが24.2km/L（e:HEV EX）、フィットは27.6km/L（e:HEV LUXE）と大きな差はない。車格に対して燃費の良さが光るシビックに対し、フィットは車格に対して優れた動力性能が特徴だ。
そのほかシビックには車速とエンジン音を連動させる制御「リニアシフトコントロール」が搭載される。フィットにも同様の制御が組み込まれるが、疑似変速動作のキレやレスポンス、加速の伸び感はシビックには一段劣る印象だ。ただし「フィット e:HEV RS（254万1000円）」にはシビックに近いフィーリングに制御されるスポーツモードが備わっている。
ホンダ シビック e:HEV EX
エンジン形式＝直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量＝1993cc
最高出力＝141ps/6000rpm
最大トルク＝182Nm/4500rpm
トランスミッション＝電気式CVT
駆動方式＝2WD（FF）
ホンダ フィット e:HEV LUXE
エンジン形式＝直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量＝1496cc
最高出力＝106ps/6000〜6400rpm
最大トルク＝127Nm/4500〜5000rpm
トランスミッション＝電気式CVT
駆動方式＝2WD（FF）
サイズと車格は大きく変わったが2台の関係性は変わらない
最上級グレード同士の価格比較では、シビックのほうが約165万円も高い。ハイブリッドモデルの最廉価グレードを比較してもフィットの「e:HEV BACIC」が213万8400円で、シビックの「e:HEV LX」は399万8500円となっており、シビックは下位グレードでも高額だ。
そもそも「シビック」の車名に込められた意味は「市民のためのクルマ」だ。今や当初の意味から大きくかけ離れてしまった。しかし、シビックはハッチバックスポーツを売りとする割に使いやすいように作り込まれている点は変わらない。対するフィットはクラス最大級の室内空間を備え、使い勝手では相変わらずシビック以上だ。
シビック、フィットともに代を重ねるごとに大型化し、主要販売国を海外に移したシビックはとくに大きくなった。両車のボディサイズや価格は大きな開きが生じたものの、それ以外の関係性は20年前から大きく変わっていないようだ。