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見た目も中身もアップデート 同乗者も喜ぶ快適な乗り心地

初代からアピールしている〝ちょうどいい〞サイズを武器に人気を博しているフリードが3代目となった。内外装のイメージは大きく変わったが、プラットフォームをキャリーオーバーしており、2740㎜のホイールベースに変更はない。
エクステリア




ハイブリッドがi-DCDからe:HEVに換装されたのが大きな変更点で、ユニットを収めるため全長が45㎜伸びたものの、もち前の取り回しの良さと十分な広さを確保した室内空間を受け継いでいる。上質でシンプルなデザインのスタンダードモデルとなる「エアー」に対し、非日常性やワクワク感を追求した「クロスター」は、力強く遊び心にあふれるデザインと、それぞれわかりやすく個性を際立たせている。
乗降性



前進感を強調していた2代目に比べて、水平基調のボディラインに大きなグラスエリアを備えた3代目は、より親しみやすく感じられる。乗り降りしやすい低床フロアに、ウォークスルーしやすいようあえてセンタータンクレイアウトを採用していないのはこれまでどおりだが、インパネの雰囲気はガラリと変わって常識的なつくりとなるとともに、質感が大幅に引き上げられている。運転席に座ると見晴らしの良さに驚く。ガラスウインドウの面積が拡大したことで後席の開放感も高まっているほか、新たにコンパクトクラス初の後席空調が設定されるなど、後席の快適性が高められている。
インストルメントパネル

はガソリン車、e:HEVともストレート式だ。
荷室の使い勝手も3列目シートの機構が見直されて上げ下げしやすくなるとともに、跳ね上げたときの収まりが良くなったのもありがたい。なにかと物議を醸したi-DCDを最後まで搭載していたのが2代目フリードだったわけだが、e:HEVを得たことでより滑らかで静かで力強い電動感のある走りと良好な燃費を実現することができた。一方、新たに直噴からポート噴射となった1.5ℓガソリンは、ステップアップ/ダウンシフト制御や加減速時の不快な車体の揺れを抑制する制御の採用により、扱いやすく進化している。アイドリングストップ機構が廃されたのもポイントのひとつだ。
居住性



アクセルを踏み込んだときには、吹け上がりの良さを印象付ける元気の良いサウンドがあえて乗員に伝わるように味付けされている。従来型を踏襲しつつ大幅に手当てされたプラットフォームにより、衝突安全性が向上するとともに剛性が向上して走りの質も高まっている。上級機種用の骨格を用いて新たに開発されたシートの着座感も上々だ。足まわりは、2代目の頃にはミニバンなのにキビキビと走れることを追求した結果、乗り心地にはやや硬さが感じられたものだが、3代目は考え方が変わって、小さくてもミニバンらしく、ゆったりとリラックスして乗れる味付けとされた。
うれしい装備





月間販売台数 7361台(24年5月~10月平均値)
現行型発表 24年6月
WLTCモード燃費 25.6 ㎞/ℓ※「e:HEV AIR」のFF車

ラゲッジルーム



おかげで修正舵を要することも減り、乗り心地もしなやかになった。同乗者には3代目の乗り味の方が好まれるに違いない。その上で、FFの特にガソリン車は軽快さが際立つのに対し、4WDはしっとりと安定した乗り味となっている。快適性や利便性が大幅に高められたほか、最新のホンダセンシングにより安全性も向上している。8年分の進化はやはり小さくない。

