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■5代目ステップワゴンをWebサイトで先行公開

2015(平成27)年3月13日、ホンダは4月24日に発売する5代目「ステップワゴン」に関する情報をWebサイトで先行公開した。5代目は、新開発の直噴1.5L VTECターボエンジンを搭載し、スムーズな加速と優れた燃費を両立。さらに、広い室内空間やわくわくゲートなどユニークな装備による使い勝手の良さもアピールした。
乗用車ベースの5ナンバーミニバンとして大ヒットしたステップワゴン

1996年に誕生したステップワゴンは、シビックをベースにしたFFベースのボクシーなミニバン。最大の特徴は、5ナンバーの3列シートながら低床化と高いルーフによって、余裕の室内空間と快適性が確保されていること。
パワートレインは、125psの2.0L直 4 DOHCエンジンと4速ATの組み合わせ、ミニバンとしては軽量なのでスムーズな走りを実現。駆動方式はFFを基本とし、オンデマンド式4WDも用意された。
FRの商用車ベースのミニバンが一般的だった当時、FF乗用車のプラットフォームで作り上げた手頃な5ナンバーサイズのステップワゴンは、発売から3年間ミニバン首位を独走する大ヒットを記録した。
ステップワゴンは、従来のセダン系のファミリーカーとは異なる、新しい形のファミリーカーを提案したのだ。
強力なライバル出現でステップワゴン人気も徐々に低下

・2代目(2001年~):キープコンセプトで快適性を向上
人気の初代のコンセプトを継承して、さらに利便性や快適性を高めた。先代と同じように大きなグラスエリアを持つ、短いボンネットのボクシーなスタイリングながら、特徴は初代以上の広い室内空間であり、3列シートで様々なシートアレンジが楽しめたこと。
2代目も引き続き好評を得たが、初代ほどの人気は獲得できなかった。

・3代目(2005年~):ライバル登場で人気に陰り
ボクシーなスタイリングから低い姿勢のスタイリッシュなフォルムになり、片側スライドドアから両側スライドドアに変更。さらなる低床化と低重心化によって、走行安定性も向上して乗用車感覚の走りが楽しめるようになった。
しかし、トヨタの「ヴォクシー/ノア」、日産自動車「セレナ」の強力なライバルが登場して、“三つ巴”状態の激戦が展開した。

・4代目(2009年~):ユーティリティ志向に回帰
再び背の高いフォルムに戻り、使い勝手を追求。全長と全高を拡大することで、クラス最大級のゆとりある室内空間を実現。また、ガラスエリアを拡大したことで開放的なドライブが楽しめるようになった。2.0L直4 i-VTECエンジンによってクラストップレベルの低燃費を実現、広くてエコなミニバンをアピールした。
わくわくゲートなどでアイデア満載の5代目


ヴォクシー/ノア、セレナの強力なライバルとの熾烈な競争の中、2015年3月のこの日に5代目ステップワゴンが発表された。

エンジンは、従来の2.0直4 SOHC i-VTECから最高出力150ps/最大トルク20.7kgmを発揮する新開発の直噴1.5L直4 DOHC VTECターボに換装、トランスミッションは従来通りCVTを設定。ダウンサイジングターボの効果によって、2.4Lクラス並みの力強くスムーズな加速と優れた燃費、高い静粛性を実現した。

装備面で注目されたのが、テールゲートを横開きにしてサブドアを備えた“わくわくゲート”だ。狭いスペースでの開閉がスムーズにでき、また3列目シートを左右に分割して床下収納できる“マジックシート”を採用するなど、利便性が高まった。さらに歩行者検知にも対応する最新のホンダセンシングを導入し、安全性が大きく向上したのも特徴だ。
車両価格は、FF仕様で228.8万~258.8万円に設定。5代目ステップワゴンは、上質なインテリアや随所に画期的なアイデアで機能性を高めた装備を満載し、2017年にはハイブリッド車も追加した。

しかし、ヴォクシー/ノア、セレナの後塵を拝し、2022年にモデルチェンジして現行(6代目)モデルとなったが、この状況は変わらなかった。

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5代目ステップワゴンの室内空間の広さやわくわくゲートの利便性や楽しさは、ホンダらしい独創性に溢れていた。なぜ今ひとつ人気が盛り上がらなかったのか、明確な答えは見つからないが、最近流行のオラオラ系でなく、ライバルに比べてシンプルで大人しいスタイリングのせいかもしれない。
今日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。