目次


トヨタ クラウンはトヨタを代表する高級乗用車です。1955年にデビューした初代モデルが日本初の純国産設計の自動車であったことから、日本を代表する自動車とも言われる1台です。長らくトヨタの量販車の最上級モデルとして頂点に君臨し、いまだに憧れの的となっています。クラウンは高級車としてのみならず、初代モデルのデビューから現行最新型まで70年近く受け継がれ、16代を重ねる息の長さ、乗用車から公用車や社用車、あるいはタクシーなどの業務用車やパトカーのような特殊車両にまで使用される用途幅の広さなど、まさにあらゆる面で突出した国産車と言えます。


“クロスオーバー”を皮切りに、2022年に登場したこの16代目モデルは、あらゆる面で“革新”と言える内容となっています。最大の特徴は、セダンとSUVを融合させた新しいスタイルの“クロスオーバー”に加えて、エモーショナルな雰囲気を持ち、運転しやすいパッケージとともにスポーティな⾛りを楽しめる“スポーツ”、新たなフォーマル表現とともにショーファーニーズにも応える“セダン”、⼤⼈の雰囲気で余裕のある⾛りを持つ機能的なSUV“エステート”の合計4つの個性的なバリエーションが用意されている点です。


さて、『トミカ』の『No.62 ラフェラーリ』に替わって2025年3月の第3土曜日に登場した『No.62 トヨタ クラウン セダン』は、そんなクラウンの最新16代目モデルのうち、2023年に発売された“セダン”タイプを再現しています。クラウン セダンは従来の高級セダンの概念を進化させ、新しい時代に適応したモデルで、外観はクラウンの伝統的な品格を維持しつつも、モダンな要素を取り入れた洗練されたデザインが特徴となっています。フロントフェイスは、シャープなLEDヘッドライトと大型のメッシュグリルを採用し、堂々とした印象を与えます。ボディラインは流れるようなシルエットを描き、リヤには一文字型のLEDテールランプを配置することで、先進的で洗練されたデザインに仕上げられています。
プラットフォームにはトヨタの最新世代の“TNGA(Toyota New Global Architecture)”が採用され、低重心化と高剛性が実現されています。ボディ構造には、高張力鋼板を多用することで軽量化と剛性向上を両立させています。また、静粛性を高めるために、吸音材や遮音材を最適配置し、車内での快適な会話やオーディオ体験が実現されています。
インテリアは高級感と先進技術を融合させたデザインとなっています。インストルメントパネルには、12.3インチのデジタルメーターと同サイズのセンターディスプレイを配置し、シームレスな操作性が実現されています。シートには本革や環境に配慮した高級素材が使用され、快適性と耐久性が両立されています。さらに、後席の足元空間は広く設計され、リクライニング機能を備えることで、長距離移動でも快適な乗り心地を提供します。

エンジンとパワートレインにはハイブリッドシステムを採用し、高効率な走行性能と環境性能を両立しています。搭載されるのは、2.5L 直列4気筒エンジン(A25A-FXS型)と電気モーターを組み合わせたハイブリッドシステムです。エンジン単体の最高出力は185ps(136kW)/6000rpm、最大トルクは225Nm/4200-5000rpmを発生します。一方、フロントモーターは最高出力132kW(180ps)、最大トルク300Nmを発生し、システム全体の総合出力は245ps(180.2kW)となっています。これにより、スムーズな加速と優れた燃費性能を実現しており、WLTCモード燃費は18km/Lを記録しています。

また、燃料電池車が用意されているのもクラウン セダンの特徴です。パワフルな加速感を生み出すため、動力源として最高出力128kWの高性能燃料電池ユニットが採用され、FCスタックをはじめ、FC昇圧コンバーターなどの各パワーコントロールユニットを小型・高性能化して集約しています。システムの高効率化を図るなど、燃料電池自動車において世界最高レベルの高出力を実現しています。最高出力134kWを誇る新開発の高出力・高効率モーターは発進から最高速度まで途切れなくパワーをもたらし、そのレスポンスは、アクセルを踏み込んだ瞬間からトルクが立ち上がり、パワフルでスムーズな加速を全車速域で発揮。胸のすくような伸びのある走りが、かつてないドライビングフィールをもたらします。
駆動方式はFR(後輪駆動)で、サスペンションはフロント、リヤともにマルチリンク式を採用、高速域での安定性と市街地での乗り心地の良さを両立しています。ステアリングは電子制御パワーステアリング(EPS)を採用し、低速では軽快な操作性を、高速では安定したハンドリングを提供します。
安全装備には最新の“Toyota Safety Sense”が搭載され、予防安全機能が充実しています。歩行者や自転車にも対応するプリクラッシュセーフティ、全車速追従機能付きレーダークルーズコントロール、車線維持支援システム(LTA)など、先進的な運転支援機能を備えています。また、360度カメラや高度な駐車支援システムも用意されており、安全性と利便性の向上に貢献しています。

クラウン セダンは、伝統と革新を融合させたトヨタのフラッグシップモデルとして、新時代の高級セダンの在り方を示す一台となっています。『トミカ』に加わった『No.62 トヨタ クラウン セダン』は、この“セダン”モデルの特徴を上手くとらえて再現しています。2025年3月現在、クラウンの“SUV”モデルがすでに『No.72 トヨタ クラウン』として『トミカ』デビューしていますので、2台を並べて違いを調べてみるのも面白いでしょう。また、クラウン セダンにはハイブリッド車と燃料電池車がありますが、ハイブリッド車はリヤの右下に“HEV”と書かれたエンブレムが入り、燃料電池車はリヤのハイブリッド車と同じ位置と両サイドに“FCEV”と書かれた燃料電池車専用エンブレムが入って、これが外観から両者を見分ける手段になっています。『トミカ』ではリヤの右下にのみエンブレムが入っていますので、ハイブリッド車をモデル化しているようです。
2025年3月現在、このクラウン・シリーズの4つの個性的なバリエーションのうち、セダンとSUVを融合させた新しいスタイルの“クロスオーバー”が『No.72 トヨタ クラウン』として『トミカ』にラインアップされていますので、2台並べて個性の違いを楽しんでみてはいかがでしょうか?
■トヨタ クラウン 2.5ℓハイブリッド車 Z 主要諸元(『トミカ』のモデル車種を特定するものではありません)
全長×全幅×全高(mm):5030×1890×1475
ホイールベース(mm):3000
トレッド(前/後・mm) :1620/1615
車両重量(kg):2020
エンジン型式:A25A-FXS型 直列4気筒 筒内直噴+ポート燃料噴射装置(D-4S)
排気量(cc):2487
最高出力:136kW(185ps)/6000rpm
最大トルク:225Nm(22.9kgm)/4200-5000rpm
モーター型式:2NM型 交流同期式
モーター最高出力:132kW(180ps)
モーター最大トルク:300Nm(30.6kgm)
トランスミッション:電気式CVT
サスペンション(前後):マルチリンク
ブレーキ(前後) :ベンチレーテッドディスク
タイヤ:(前) 235/55R19
■毎月第3土曜日はトミカの日!

毎月第3土曜日は新しいトミカの発売日です。2025年3月の第3土曜日には、上でお伝えしているように、それまでの『No.62 ラフェラーリ』に代わって『No.62 トヨタ クラウン セダン』が登場します。なお、『No.62 トヨタ クラウン セダン』には、初回出荷のみの特別仕様もあります。また、それまでの『No.39 ホンダ ステップワゴン』に代わって『No.39 凍結防止剤散布車 NWS60BC5』が登場します。