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HONDA CIVIC
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MAZDA 3 FASTBACK
実用性はシビックがわずかに勝る




全長はシビックのほうが100mm大きいが、ホイールベースは両車同じくらいだ。それにもかかわらずシビックのほうが後席の膝周りは広い。後席の頭上空間は同程度となるが、マツダ3は上屋のフレームが太く作られており、後席に乗り込む際は全高が低いシビックよりも頭を下げる必要がある。
シビックの長い全長は荷室の広さにもつながっており、2名乗車時の荷室長はマツダ3の840mmに対してシビックは920mmとわずかに余裕がある。荷室のホイールハウス間の幅はどちらも1000mm強だ。
両車ともに6:4の分割可倒式のリヤシートをたためばフルフラットに近い空間となるが、シビックのフロアには補強による段差がある点に注意したい。また最小回転半径はマツダ3がこのクラスで標準的な5.3mであるのに対し、シビックはやや大きめの5.7mだ。
ホンダ シビック EX
ボディサイズ=全長4560mm×全幅1800mm×全高1415mm
ホイールベース=2735mm
車両重量=1370kg
タイヤサイズ=235/40R18(前後)
マツダ 3 ファストバック 20S Touring
ボディサイズ=全長4460mm×全幅1795mm×全高1440mm
ホイールベース=2725mm
車両重量=1380kg
タイヤサイズ=215/45R18(前後)
1.5Lターボのシビック vs. 2.0Lマイルドハイブリッドのマツダ 3


動力性能に優れるのはシビックだ。排気量はマツダ3に比べて小さいが、電動ウェイストゲートによる高レスポンスな過給圧制御機構を組み込んだターボチャージャーにより、広い回転域で大トルクを発揮できる。
全開加速では最高出力、最大トルクともに上のシビックがマツダ3を圧倒するだろう。しかし普段の街乗りでは、マイルドハイブリッドシステムを搭載したマツダ3のほうが扱いやすいと感じられるはずだ。
マツダ3に搭載されるモーターのスペックは最高出力6.9ps/最大トルク49Nmと特別秀でた点はないが、回転初速から最大トルクを発揮できるモーターの動力アシストは発進時や燃費の面でその恩恵をしっかりと感じ取れる。
両車のWLTCモード平均燃費値はシビックの15.7km/L(EXグレード)に対して、マツダ3は16.4km/L(20Sグレード)だ。
ホンダ シビック EX
エンジン形式=直列4気筒ガソリンターボエンジン
排気量=1496cc
最高出力=182ps/6000rpm
最大トルク=240Nm/1700〜4500rpm
トランスミッション=CVT
駆動方式=2WD(FF)
マツダ 3 ファストバック 20S Touring
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=1997cc
最高出力=156ps/6000rpm
最大トルク=199Nm/4000rpm
トランスミッション=6速AT
駆動方式=2WD(FF)
シビックはやや過剰性能…価格が安く扱いやすいのはマツダ3


シビックのガソリンモデルの最上級グレード「EX」の価格は約380万円、マツダ3の「20Sツーリング」は約283万円となっており、価格差は100万円近い開きがある。
シビックには「マルチリンクサスペンション」やステアリングフィールの改善等に働く「デュアルピニオンESP」など高コストな装備が多数採用されていることもあって、国産Cセグメントカーとしては非常に高額だ。
価格に見合う高性能ぶりを備えているのは確かだが、シビックは過剰性能気味といえる。対するマツダ3は車体の各部を個々に見れば特筆すべき点はない。しかし、設計と細かなチューニングによって引き上げられたトータルパフォーマンスがマツダ3の真髄といえるだろう。
実用性や絶対的なスペックではシビックに劣るものの、マツダ3もスポーツハッチバックとして十分に高い性能を備えている。ごく標準的なクルマの使い方をするなら、価格が安いうえ扱い切れる性能を備えたマツダ3が無難な選択といえよう。