ここは昭和のカラオケバーか!? 豪華シャンデリアがお出迎えする個性派キャンピングカー!

ハイファールーフ フュージョン(かーいんてりあ高橋)
まるで昭和にタイムスリップしたかのような錯覚を覚えてしまうキャンピングカーが、かーいんてりあ高橋のハイファールーフ フュージョンだ。車内を埋め尽くす“ふとん張り”トリムや天井からぶら下がる豪華なシャンデリアが、往年のカラオケバーを彷彿とさせる。さぁ、今夜のBGMは『舟唄』か、それとも『津軽海峡冬景色』か...。

TEXT●山崎友貴(YAMAZAKI Tomotaka) PHOTO●長野達郎(NAGANO Tatsuo)

ハイファールーフ フュージョン(車両本体価格:1320万円)|かーいんてりあ高橋

皆さんは「バニングカー」というカスタムのジャンルをご存じだろうか。50代以上の読者には懐かしいと思う。元々、米国西海岸が流行っていた“トラッキン”や“ストリートバン”といったカスタムが、1970年代に日本に輸入されて始まった。

ちなみにトラッキンは後のSUVへと繋がり、ストリートバンはバンライフの源流となった。これは海岸で車中泊をするのに、より快適な車内空間へグレードアップするために始まったのである。

ハイファールーフ フュージョン(かーいんてりあ高橋)

日本では当初、アメリカ製のバンをベースにしたカスタムがアメカジファンの間で流行したが、やがて国産ミニバンやワンボックスをベースにするようになる。そして、デコトラやヤン車、音響族といった文化が入り交じって、派手な内外装を持つワンボックスというカスタムが定番となったのである。

90年代に入ると徐々に衰退してしまったバニングカーだが、その技術は現代のキャンピングカーへと受け継がれた。FRPの成形技術や木製家具の製造技術を使って、キャブコンバージョンを造るビルダーに転身するカスタムメーカーが多かったのである。

ハイファールーフ フュージョン(かーいんてりあ高橋)

そんなかつての懐かしい雰囲気を現代に復刻したのが、かーいんてりあ高橋の「ハイファールーフ・フュージョン」だ。写真を見ると、昭和世代なら懐かしさで思わず声が出るのではないだろうか。

昭和の「カラオケバー」の雰囲気を再現したという車内インテリアのメインとなっているのが、“ふとん張り”というトリム。インテリアに立体感が出せるだけでなく防音効果も望めるため、かつては映画館や飲食店などに多く使われていた。そんなふとん張りをしたバーラウンジのイメージを車内で再現したインテリアは、デコトラやバニングカーでもずいぶん流行った。

ハイファールーフ フュージョン(かーいんてりあ高橋)

だが、この技術を持った職人がどんどん減っているということで、今回同社が令和の世の中に復活させたというわけだ。車内にはデコトラ用のシャンデリアや中古の装飾木材が惜しみなく使われており、もう昭和のカラオケバーそのもの。

もちろん、シンクや冷蔵庫、ルーフエアコン、リチウムイオンバッテリーといった現代のキャンピングカー装備もインストールされているので、このまま旅に出かけることもできる。とはいえ、これで旅行に行くのもいいが、気の合う仲間同士で人里離れた場所に行き、思う存分カラオケを楽しむといった使い方の方が楽しいかもしれない。

ハイファールーフ フュージョン(かーいんてりあ高橋)

価格は1000万円を越える高額車だが、その技術の素晴らしさを考えれば納得できる。なにせ運転席、助手席までふとん張りで、車内を3つのシャンデリアが妖しく照らしてくれる。昨今のキャンピングカーは、なかなか個性を演出するのが難しくなっているが、同モデルはまさに“天上天下唯我独尊”。もちろん道交法上で合法なクルマなのでご安心を。

かーいんてりあ高橋 https://car-taka.com/

ハイファールーフ フュージョン(かーいんてりあ高橋)

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著者プロフィール

山崎友貴 近影

山崎友貴

SUV生活研究家、フリーエディター。スキー専門誌、四輪駆動車誌編集部を経て独立し、多ジャンルの雑誌・書…