
事業企画部
市販企画課
チームリーダー
佐藤広大 氏

トゥイーターの再生帯域を拡大する独自解釈で、低音から高音までスムーズにサウンドをつなげ、さらには広々とした音場を獲得。オープン&スムースによる新たなコンセプトを掲げる。
微に入り細を穿つ間口を拡げたハイエンドの取り組み
今作は、七年ぶりとなる満を持してのモデルチェンジとなった。
「前モデルはかなりご好評いただいてるモデルというところもありまして。これはこのままでも、ユーザーニーズ的に十分満足していただけるという状況がかなり長い間続いていました」
そのムードを大きく変える一因となったのが、世の中に対する“ハイレゾ”の浸透だ。
「ハイレゾ=高音質みたいなイメージだけじゃなくて、中域・高域・低域をしっかり鳴らしきるという意識も根付いてきたように感じます。その点、ひとつ前のモデルは、中低域の厚みがもう少し欲しいという声もありまして。そこで新モデルの開発に踏み切りました」
いざ新モデルへの着手が始まった際、とりわけ重要視されたのもこの部分だ。
「中低域を強化するには、コーン紙を大きくしたい。あとは埋め込みも深くしたい。深くすると振動が大きくなるので、これも低域の量感とかパワーに繋がっていきます」
ただ、設置側のスペース制約はどうしても残る。
「数値で言うとミリ単位なのですが、そのわずかな数値も厳しい世界なのです。設計に過去蓄積したクルマのデータを全部洗い出してもらいました。約800車種を全部見直しました。結果、58から61ミリという深さであれば、実用に耐えうる判断を導くことができました」
ワッシャーを噛ませるなどして数ミリを稼ぐ考えもなくはない。
「たった3ミリなんですけどね。お客様に調整を委ねるという選択肢もありますが、多くの人に手軽に取り付けていただくためにはジャストフィットであるべきという考えです」
トゥイーターの振動板をバランスドドーム型としたのも、ユーザーフレンドリーさを目指した結果でもある。
「前モデルに採用していたデュアルアークリングは、好みもあるものでした。ただ、あらためてカスタフィットっていうところに立ち返った時に、より誰にでもいい音を届けられようにと考えました」
前評判のよかった前モデルからの刷新になるだけに、大きなステップアップが必須にもなる。
「外観の面でも、イチから開発しました。ここまでやらないとブレイクは起きないだろうと、正直感じていました」
ローズゴールドを各部にあしらった装いも、モデルチェンジを後押しした大きな変更点となる。
「音っていうのは大前提のことはあるんですけども、外観からも所有欲を満たすような形を目指しています」
結果、大前提である音の面で、開発側自ら、強く印象に残った成果があったという。
「音楽の静けさですね。音全体の質が上がったのはもちろんですが、静けさに耳が行く。音楽の間でシーンってなるところの表現力に一番鳥肌が立ったのを覚えています」

音楽が好きな方にも興味を持って欲しい。
絶対はまる音質になっている自信があります!」