日産が新型スーパーハイトワゴン名を「デイズルークス」と発表、三菱との協業モデル初代「ルークス」に続く第2弾【今日は何の日?3月25日】

日産「デイズルークス」
2013年3月25日に車名が公表されたスーパーハイトワゴン、日産「デイズルークス」
一年365日。毎日が何かの記念日である。本日3月25日は、日産自動車初となる軽スーパーハイトワゴンの車名が「デイズルークス」と発表された日だ。三菱との協業で軽の自社開発に取り組み始めた日産は、第1弾のハイトワゴン「デイズ」に続いて、第2弾のスーパーハイトワゴン「デイズルークス」を開発したのだ。
TEXT:竹村 純(Jun TAKEMURA)/PHOTO:三栄・軽自動車のすべて、2014新型車のすべて

■三菱と共同開発した軽の第2弾となる新型車名は「デイズルークス」

日産「デイズルークス」
日産「デイズルークス」

2013年(平成25)年3月25日、日産自動車は三菱自動車との協業によって企画・開発を進め、翌2014年2月に発売予定の軽自動車の第2弾となるスーパーハイトワゴンの車名「DAYZ ROOX(デイズルークス)」と発表した。

日産「デイズルークス」
2013年3月25日に車名が公表されたスーパーハイトワゴン、日産「デイズルークス」

日産と三菱が共同で軽自動車を開発・生産するNMKV設立

2000年代に入ってからの日本市場は、軽自動車の販売シェアが急伸していた。長い景気低迷の中で、安価で維持費が安く、しかも扱いやすい軽、特に背が高く居住性に優れたハイトワゴンが市場を席巻していた。

このような状況下で2011年6月1日、日産自動車と三菱自動車は、50:50の共同出資による合弁会社NMKV(日産・三菱・軽・ビークル)を設立した。これまで軽自動車の自社開発を行なわなかった日産が、OEM供給でなく自社での開発・生産を目指すため、パートナーとして実績のある三菱を選んだのだ。

役割分担は、企画や部品調達を共同で、ベースデザインを日産が担当し、三菱が開発や生産を担当した。

第1弾は、ハイトワゴンのデイズ

日産「デイズ」
2013年にデビューしたハイトワゴン、日産「デイズ ハイウェイスター」

日産と三菱のコラボによる最初の成果は、2013年6月に発売された日産初代「デイズ」/三菱3代目「ekワゴン」」だった。基本的には、両モデルの違いは外観だけである。

三菱「ekワゴン」
日産初代デイズの兄弟車、三菱「ekワゴン」

ラインナップは、標準モデルのデイズとスポーティなデイズハイウェイスターの2シリーズで構成。“日産のすべてを、軽に”というキャッチコピーで登場したデイズは、高張力鋼板を多用して軽量化を図り、衝撃吸収構造を採用したハイトワゴンだった。

デイズのスタイリングは、特徴的な横方向パネルを並べたグリルパターンや2本の彫りの深いキャラクターライン、傾斜のあるウエストラインでダイナミックさを印象づけ、デイズハイウェイスターは、太いメッキバンパーを持つ大型ラジエターグリルやシャープなキセノンランプなどでスポーティさをアピールした。

エンジンは、三菱開発の最高出力49psを発揮する660cc直3 DOHC NAエンジンと64psのインタークーラー付ターボの2種エンジンと副変速付CVTの組み合わせ、駆動方式はFFと4WDが用意された。

シナジー効果によってコスト低減にも成功して、デイズは好調なスタートを切った。

●第2弾は、スーパーハイトワゴンのデイズルークス

日産「デイズルークス」
2013年3月25日に車名が公表されたスーパーハイトワゴン、日産「デイズルークス」

ハイトワゴンが大人気の状況下で、2003年にダイハツからさらに車高を高めてクラス最大級の室内空間を実現したスーパーハイトワゴン「タント」が登場すると、スズキ「スペーシア」やホンダ「N-BOX」が続いてスーパーハイトワゴンの人気に火が付いた。

ダイハツから登場したスーパーハイトワゴン「タント」
2003年にダイハツから登場したスーパーハイトワゴン「タント」
ホンダ「N-BOX」
2011年にデビューして大ヒットしたホンダ「N-BOX」
スズキ「スペーシア」
2013年にデビューしたスーパーハイトワゴン、スズキ「スペーシア」

そこで、日産はデイズと同じくNMKV主導で開発した全高がデイズよりも155mm高いスーパーハイトワゴンを翌2014年2月に投入することを計画。そのスーパーハイトワゴンの車名が、2013年3月のこの日、デイズルークスと発表されたのだ。

日産「デイズルークス」
2013年3月25日に車名が公表されたスーパーハイトワゴン、日産「デイズルークス」
日産「デイズルークス」
日産「デイズルークス」のフロントシート
日産「デイズルークス」
日産「デイズルークス」のインパネ

スーパーハイトワゴンとなったデイズルークスは、主なターゲット層を子育て世代にして、女性や子育て世代に優しいクルマを目指した。クラストップレベルの広さを誇る室内空間に乗降しやすいリモコンオートスライドドア、快適なドライブを演出するリヤシーリングファン、UVカット断熱グリーンガラスなどを採用。さらに、駐車時に便利なアラウンドビューモニターや緊急ブレーキシステムなど、安全面も充実していた。

日産「デイズルークス ハイウェイスター」
2013年3月25日に車名が公表されたスーパーハイトワゴン、日産「デイズルークス ハイウェイスター」

スタイリングは、ラジエターグリルにメッキバーを備え、下端のメッキバーがヘッドランプとつながるダイナミックなラインが特徴。パワートレインは、デイズと同じ660cc直3 DOHCのNA、インタークーラー付ターボエンジンとCVTの組み合わせ。燃費向上のために、先代同様アイドルストップに加えてニッケル水素バッテリーを搭載して減速エネルギーを積極的に回収するシステムも採用された。

日産「デイズルークス」
2013年3月25日に車名が公表されたスーパーハイトワゴン、日産「デイズルークス」

車両価格は、2WDの標準グレードで124万から133.9万円、インタークーラー付ターボ搭載のハイウェイスターターボは173.5万円に設定された。

日産「デイズルークス ハイウェイスター」
2013年3月25日に車名が公表されたスーパーハイトワゴン、日産「デイズルークス ハイウェイスター」

順調に滑り出したデイズルークスだったが、2016年に三菱の燃費不正問題が発覚。その直後に、三菱が日産の傘下となり、両社の関係は激変したが、合弁会社NMKVはそのまま活動を続けた。ただし、2019年の2代目デイズでは、日産が企画・開発、三菱が生産するというように初代とは役割分担が変わった。また、初代は三菱のエンジンだったが、2代目はルノーのエンジンを搭載した。

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デイズルークスも堅調な販売を続けたが、現在もホンダ「N-BOX」、スズキ「スペーシア」、ダイハツ「タント」のスーパーハイトワゴン3強の牙城をなかなか崩せない状況が続いている。スーパーハイトワゴンのスタイリングや装備は、どうしても似通ってしまうので、特別なアピールポイントが欲しいところだ。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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著者プロフィール

竹村 純 近影

竹村 純

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までを…