アルピーヌの新型クロスオーバー「A390」の発表まであと2か月となったが、その裏ではフランスのポルシェが別の「A3」ブランドの車の開発に取り組んでいる。
象徴的な先代モデルの伝統を継承しながら、新しいA310は、パフォーマンス、イノベーション、環境への配慮を融合し、アルピーヌの進化と電気スポーツカーの未来にとって大きな一歩を踏み出すことになるだろう。
1970年代に発売されたオリジナルのアルピーヌA310は、軽量設計、機敏なハンドリング、独特のスタイルで高く評価され、運転愛好家の心をつかみ、アルピーヌをモータースポーツ界の強大な名前として確立した伝説のモデルだ。1984年には生産終了となっており、2028年にこのビッグネームが復活すれば、実に44年ぶりとなる。
厳冬のスカンジナビアで捉えたプロトタイプは、開発初期段階であるため、新型2+2クーペのプロトタイプにテストミュールを使用している。そして、そのミュールとして使用されている車は「リジェ・JS2R」のようだ。これは、アルピーヌと同様にフランスで製造されたが、公道走行用に認可されていない、専用のレースカーだ。
量産型のデザインの手がかりは少ないが、全幅のライトバー、スラントノーズ、ボディを貫通するエアロトリック、ノーズから伸びる隆起物などが見てとれ、A390クロスオーバーや、アルペングローハイパーカーコンセプトと同じ特徴を持つと推測される。また、開けたときにドア全体が前を向く「バタフライドア」が採用されているのも確認できる。
リジェはグラスファイバー製ボディのJS2Rにフォード製V6エンジンを供給しているが、代わりにプロトタイプの動力を提供するのは全電動のセットアップで、四隅から吹き出す雪の粉によって四輪駆動が明らかになっている。
2028年に登場予定の量産型A310は、小型のA110にも搭載される「APP」（アルピーヌ・パフォーマンス・プラットフォーム）の延長版を採用し、今週初めに公開されたルノー5ターボ3Eメガハッチのベースになると考えられており、最高出力も600ps程度と予想される。
発売は2028年とまだ先だが、1年以内には量産型プロトタイプ出現の可能性があり、市場では、ポルシェ「911」次世代型と対峙するだろう。
