今回の優勝はファルケンモータースポーツチームにとって、6月に開催される「ニュルブルクリンク24時間レース」に向けた幸先のいいシーズンスタートに

ニュルブルクリンク耐久シリーズは、ドイツのニュルブルクリンクを舞台に行われる全8戦の耐久レースシリーズ。年に1度だけ開催される24時間耐久レースとは異なり、各レース4時間から12時間で行われている。車両メーカーやタイヤメーカーは、24時間レースでの勝利を目指すためのテストフィールドとしてこの「ニュルブルクリンク耐久シリーズ」を活用し、多くの有力チームが参戦している。レースに使用されるコースは24時間耐久レースとほぼ同等の一周で約25km。約170のコーナー数に、高低差およそ300m、コース幅は狭く、そして路面は波打ち滑りやすい過酷このうえないサーキットだ。

ワンツーフィニッシュを決めたドライバー(左からDorian Boccolacci選手、Sven Müller選手、Morris Schuring選手、Nico Menzel選手)
 

昨年NLSスピード・トロフィー部門で初のシリーズチャンピオンを獲得したファルケンモータースポーツチームは、今年も最高峰のSP9 PROクラスに「ポルシェ911 GT3R」3号車と4号車の2台体制でレースに臨んだ。

午前に行われた予選では、アクシデントやそれに伴う長い速度制限の影響で思うようなアタックができず、3号車は15位、4号車は11位と後方からのスタートとなった。

迎えた午後の決勝前、突然の豪雨がコースを覆い、それまでのドライ路面から一転し、ウエット路面へと様変わり。ファルケンカラーの2台はウエットタイヤでスタートしたが、チームは路面コンディションとタイヤ性能を見極め、2台とも1周を終えてすぐにスリックタイヤへの交換を決断。

まだ濡れた路面が大半で滑りやすいコースコンディションにもかかわらず、ファルケンのスリックタイヤは安定したグリップを発揮し、コースが乾くにつれて徐々にペースをアップ。チームの的確な判断で、2台はみるみるうちにポジションを上げ、2時間を過ぎるころにはファルケンの2台がレースをリードするワンツー体制を築く。

ポルシェ911 GT3Rの3号車と4号車

その後も2台のポルシェは順調なペースでリードを築き、最終的には3位以下に1分以上の大差をつけ、チームにとっては開幕戦勝利を完璧なワンツーフィニッシュで飾った。今回の優勝はファルケンモータースポーツチームにとって、6月に開催される「ニュルブルクリンク24時間レース」に向けた幸先のいいシーズンスタートとなった。

AT3クラス優勝の333号車

また、ファルケンタイヤヨーロッパがタイヤを供給するAT3クラスの元ドイツ代表のサッカー選手マックス・クルーゼ氏が率いる「Max Kruse racing」の333号車、76号車、819号車がワンツースリーフィニッシュ。AT2クラスも「Max Kruse racing」の644号車が優勝。加えてSP8Tクラスに参戦する名門チームBLACK FALCONの「Team BILSTEIN by BLACK FALCON」の150号車が後続に6分以上の大差をつけて開幕戦クラス優勝を果たした。

AT2クラス優勝の644号車

ファルケンタイヤ装着車は、計4クラスで勝利をあげ、幅広いクラスでファルケンタイヤのグリップ性能と耐摩耗性能の高さをアピールした。

SP8Tクラス優勝の150号車