
ベントレーの伝説的なスーパースポーツ、1929年製ブロワーのスピリットを現代に蘇らせるプロジェクトとして、ヘドリー・スタジオとベントレー・モーターズが共同開発したブロワー・ジュニアが、最終承認を経て生産段階に入った。この85%スケールの電動モデルは、18か月にわたる実地試験を通じて性能とデザインの完成度を高めてきた。
最終承認は、イギリス海峡に位置するジャージー島で行なわれた。島全体の制限速度が時速40マイル(約64km)であることや、美しい自然景観、狭い道路環境が、ブロワー・ジュニアの魅力や走行性能を評価するのに最適な条件となった。3日間で650マイル(約1046km)以上を走行し、ヘドリー・スタジオとベントレーの代表者、国際メディア関係者が参加した。

ブロワー・ジュニアは48V電動パワートレインと15kW(20bhp)のモーターを搭載し、英国およびEUでの最高速度は72km/h(米国では法規制により40km/hに制限される)。一充電あたりの航続距離は約105kmで、2人乗りのタンデムシートを採用している。全長3.7m、全幅1.5mのコンパクトなボディは、700以上の部品から手作業で組み立てられ、オリジナルのブロワーの美学を忠実に再現している。

ブロワー・ジュニアは349台の限定生産で、顧客はカラーリングやレーシングナンバーなど、細部にわたるカスタマイズが可能。ヘドリー・スタジオのオンライン・コンフィギュレーターを利用することで、個々の好みに合わせた一台を設計できる。さらに、スタイルパックも用意されており、各モデルが唯一無二の自動車アート作品となる。

ヘドリー・スタジオのCEO兼創業者であるベン・ヘドリー氏は、「ブロワー・ジュニアの生産開始は、当社にとって重要な節目となります。エンジニアと職人たちは、世界中の顧客と緊密に連携しながら、この初の公道走行可能な自動車アート作品を形にしてきました」と述べている。
ブロワー・ジュニアは、クラシックカーの魅力と現代の電動技術を融合させた新たな試みとして、今後の市場での評価が注目される。














