ソニー7人乗りSUVの試作車公開!EV事業の新会社「ソニーモビリティ」も設立 

SUVタイプの試作車両(VISION-S 02)
ソニーグループ株式会社(以下、ソニー)はCES 2020にて、モビリティ進化への貢献を目指した取り組みである「VISION-S」を発表し、ブースにて試作車を展示した。また、モビリティ体験の進化や提案を今後さらに加速させるため、2022年春に事業会社「ソニーモビリティ株式会社」を設立し、EVの市場投入を本格的に検討していくという。

多様な価値観やライフスタイルに対応する新たなSUVタイプの試作車両を展示

VISION-Sは、より人に寄り添うモビリティを目指して進化を続け、引き続き安心・安全のための技術開発やアダプタビリティ、エンタテインメントを軸に開発が継続されている。CES 2022では、新たなフォームファクターとしてSUVタイプの試作車両(VISION-S 02)が発表・展示されている。

こちらがVISION-S01
これがお披露目されたVISION-S02
VISION-S 02のリヤビュー

この車両は、公道走行試験等を展開しているプロトタイプ(VISION-S 01)と共通のEV/クラウドプラットフォームを採用しており、広い室内空間を用いたエンタテインメント体験や7人乗車のバリエーションなどを通して、VISION-S 01とともに、価値観が多様化する社会での様々なライフスタイルへの対応を推進していくという。

VISION-S 02には3列シートが装備される

Safety:安心安全なモビリティ

40ものセンサーを搭載する。

高感度、高精細、広ダイナミックレンジのCMOSイメージセンサーや立体空間を3Dで正確に把握するLiDAR(ライダー=レーザースキャナー)などの周囲360度に張り巡らされたセンサーにより、周辺環境の認識・把握をリアルタイムに行ない、安全運転を支援する。また、緊急車両の走行などの周辺環境の状況を車内でも的確に判断できるように車内の音響システムやHMIシステムと連携した直感的なドライバーインタラクションを提供する。すべての人々に安心・安全を提供することを目的にソニーのセンサー技術と通信技術を用い、より安全により快適なモビリティを実現するため、ADAS(運転支援機能) Level 2+の公道リリースに向けた機能検証を欧州で行なっているという。

Adaptability:人に近づき、共に成長する

ToF方式距離画像センサーを用いて、ドライバー認証やパッセンジャーを見守るためのモニタリング機能を提供する。また、直感的なクルマのインターフェースへの進化を目指し、ジェスチャーコマンドや音声コマンドに対応する。そしてユーザーの好みに合わせて、新たに車両のディスプレイテーマや加減速音を設定できる機能を提供する。
さらに、低遅延、大容量、高速の特長を持つ5G通信を含めたモバイル通信を用いて、車両とクラウドシステムを連携させることで、車両設定やキー施錠、ユーザーの設定が同期される。また、アップデートがOTA(Over the air)で車両へ反映されていくため、セキュリティ面、サービス機能や付加価値提供については継続的に進化させていくことが可能だという。

VISION-S 02の内装

また、これまでスマートフォンの開発を通じて培ってきた通信技術や通信セキュリティ等の社内技術や知見を活かしたリモート運転を自動運転時代の到来を見据えた重要技術と位置付けている。この実現に向けて、日独を5Gでつないだ運転実験を実施し、VISION-S 01に搭載されたテレマティクスシステムを用いての低遅延伝送(映像・制御信号)や通信制御(監視・予測)等の技術向上にパートナーと連携し取り組んでいるそうだ。

Entertainment:モビリティエンタテインメント空間の深化

立体的な音場を実現するシートスピーカーと「360 Reality Audio」に対応したストリーミングサービスにより、お好みのアーティストの生演奏に囲まれているような没入感のある音楽体験を提供する。
また、VISION-Sには、車室内の前方パノラミックスクリーン及びリアシートの各席のディスプレイで臨場感のある映像視聴体験の提供を目的として、映像配信サービス「BRAVIA CORE for VISION-S」を搭載している。
そして、さらなるエンタテインメント体験の探索に向けて、自宅のPlayStationにリモート接続してのゲーム体験に加え、新たにクラウド経由でストリーミングすることで、多彩なゲームを楽しむことができる。

VISION-S 02の内装
いよいよソニーがクルマを作る! Sony Mobility Inc.は2022年春にも立ち上がる予定だ。

新たなフェーズに向けて「ソニーモビリティ株式会社」を設立

ソニーはこれらのモビリティ体験の進化や提案を今後さらに加速させるため、2022年春に事業会社「ソニーモビリティ株式会社」を設立し、EVの市場投入を本格的に検討していくとしている。

新会社は、AI・ロボティクス技術を最大限に活用し、誰もが日常的にロボットと共生する世界を実現し、人を感動で満たし、社会へ貢献することを目指する。エンタテインメントロボットのaibo、ドローンのAirpeak、さらにモビリティの進化へと貢献するVISION-Sを加え、様々な領域において新たな価値創造を行っていくとしている。

VISION-S 02(左)、VISION-S 01(右)

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