連載

今日は何の日?

■THS IIマルチステージハイブリッド搭載のLS500h日本初披露

レクサス「LS500h」
2017年6月に日本で初公開されたレクサス「LS500h」

2017(平成29)年6月26日、トヨタはレクサスのフラッグシップセダンLSの新型「LS500h」」を国内で初披露した。LS500hには、THS IIマルチステージハイブリッドが搭載され、エンジンとモーターの出力を適正に制御することで、低速域から高速域までパワフルかつ高効率な走りを実現。発売は、同年10月19日から始まった。

レクサス「LS500h」のリアビュー
レクサス「LS500h」のリアビュー

レクサス設立とともに誕生した初代レクサスLS(日本名セルシオ)

日本市場がバブル景気で湧き上がっていた1989年、トヨタは米国で高級車ブランド“LEXUS(レクサス)”を立ち上げた。レクサスの開業は、メルセデス・ベンツやBMWなどに対抗して高級車市場に参入するためだった。

セルシオ
1989年にデビューした高級車セルシオ。初代レクサスLS400、日本では「セルシオ」名で発売された

レクサスの設立と同時に発売されたのが、フラッグシップ「レクサスLS400」であり、その1ヶ月後に日本仕様にして「セルシオ」の車名で日本に投入された。セルシオは、クラウンでは満足できなかったユーザーのための、センチュリーとクラウンの中間に位置する超高級車。そのため特に欧米の高級車に負けない質感や乗り心地、静粛性が重視された。

高級車らしい重厚なスタイリングと鏡面のような輝きを放つボディ、豪華なインテリア。パワートレインは、最高出力260ps/最大トルク36.0kgmを発揮する新開発の4.0L V8 DOHCエンジンと、最新仕様のETC-i制御4速ATの組み合わせ。

足回りは、4輪ダブルウィッシュボーンで、標準モデルにはコイルスプリング式、上級モデルにはダンパーの減衰力を自動調整できるピエゾTEMSを組み込み、さらにトップグレードには電子制御式エアサスペンションを採用して、超高級車らしい快適な乗り心地が実現された。

バブルの勢いもあり、セルシオは600万円を超えるトップグレードが大人気となった。それでも、欧州高級車に比べればコスパに優れ、お買い得と言えた。

4代目から国内でもセルシオ改めLSを名乗る

その後も3代目まで日本ではセルシオ、海外ではレクサス LSとして販売されていたが、2006年9月の4代目へのフルモデルチェンジに併せて、国内でも立ち上がったレクサスチャンネルの専売モデルとして「レクサスLS460」に統一された。

LS460
2006年9月にデビューした4代目レクサス「LS460」。この代から日本でも」セルシオ改めLSを名乗った

LS460は、先代モデルまでの重厚なノッチバックスタイルのボディフォルムから一転して、スカルプチャーデザインが採用され、リヤガラスを緩やかに傾斜させるショートデッキスタイルへと変貌。のびやかな品格ある洗練されたスタイリングとなった。

パワートレインは、最高出力385ps(FR)/367ps(4WD)を発揮する4.6L V8 DOHCエンジンと量産乗用車では世界初のシーケンシャルシフト付8段ATの組み合わせ。

2007年5月には、ハイブリッドの「LS600h」と「LS600hL(ロングホイールベース)」のハイブリッドモデルが追加された。上記の「LS460」用エンジンをベースにした394psを発揮する5.0Lエンジに、224psを発揮するモーターを組み合わせ、システム全体の出力は445ps。これは、6.0Lクラスのエンジンに相当するためモデル名を「LS600h」とされた。

ハイブリッド仕様のレクサスLS500h

2017年6月のこの日に日本で初披露されたのは、5代目LSのハイブリッド仕様「レクサスLS500h」である。

レクサス「LS500h」
2017年6月に日本で初公開されたレクサス「LS500h」

LS500hは、新たなプラットフォームを採用し、先代モデルのロングボディを超える全長へと拡大するとともに、ホイールベース長も255mm程度延長された。レクサスのセダンとしては初の6ライトウインドウを持つ、ワイド&ローのクーペ風のフォルムに変身を果たした。インテリアは、運転に集中できるコクピットとゆとりある後席空間の融合を謳い、コクピットは上下で異なる空間構成とすることで、広がり感と安心感が両立された。

レクサス「LS500h」のコクピット
レクサス「LS500h」のコクピット

また安全運転支援についても、新型LSには車両への追突、対歩行者、走路逸脱、交差点(出合い頭の衝突)という深刻な事故につながる4つの事故形態をカバーするフラッグシップにふさわしい最先端の予防安全パッケージ「Lexus Safety System+A」を初搭載。中でも注目されたのは、世界初となる自動操舵によって衝突回避を支援するプリクラッシュセーフティー機能である。

レクサス「LS500h」のパワートレイン(マルチステージハイブリッドシステム)
レクサス「LS500h」のパワートレイン(マルチステージハイブリッドシステム)
V6 3.5Lエンジン+マルチステージハイブリッド
レクサス「LS500h」に搭載されるV6 3.5Lエンジン+マルチステージハイブリッド

パワートレインは、THS IIの4速ギアを組み合わせたマルチステージハイブリッドを採用。最高出力299ps/最大トルク35.77kgmを発揮する3.5L V6 DOHCエンジンと2つのモーターを組み合わせて、システム最高出力359psを発生。エンジンとモーターの出力を適正に制御することで、低速域から高速域までパワフルかつ高効率な走りを実現し、EV走行領域も拡大された。

レクサスLS500
レクサスLS500のボディサイズ、コクピット
レクサスLS500のシート、ラゲッジスペース
レクサスLS500のシート、ラゲッジスペース

レクサスLS500hに続いて、同年12月にはガソリン車の「LS500」がデビューした。パワートレインは、最高出力421ps/最大トルク61.2kgmを発揮する新開発の3.5L V6 DOHC直噴ツインターボエンジンと10段ATの組み合わせ。

レクサス「LS500h」
2017年6月に日本で初公開されたレクサス「LS500h」

5代目レクサスLS500hの価格は1100万~1680万円、ガソリン車LS500は980万~1540万円に設定された。

レクサスLS500
レクサス「LS500h」に続いて2017年12月に発売されたガソリン車「レクサスLS500」
ガソリン仕様レクサス「LS500」に搭載されるV6 3.5Lツインターボ
ガソリン仕様レクサス「LS500」に搭載されるV6 3.5Lツインターボ

・・・・・・・・・
すべてにおいて最先端の技術を投入したレクサスLS。採用されている技術を見れば、今現在自動車の技術がどこまで進んでいるのかがよく分かる。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

連載 今日は何の日?

歴史 6時間前

GAZOO Racingチューンのトヨタ「マークX GRMN」初代は100台限定の3.5L V6 321ps!14年発表【今日は何の日?12月18日】

歴史 2025.12.17

ダイハツ「タント」が驚きのセンターピラーレス“ミラクルオープンドア”を装備し108万円~2代目誕生【今日は何の日?12月17日】

歴史 2025.12.16

日産「ローレル」のライバルはマークII! エレガントなハードトップは160万円~88年6代目発表【今日は何の日?12月16日】

歴史 2025.12.15

マツダ「CX-5」がすべてをブラッシュアップし246万円~2代目発表!【今日は何の日?12月15日】

歴史 2025.12.14

レクサス・スーパースポーツ「LFA」、3750万円限定500台の生産を14年に完了【今日は何の日?12月14日】

歴史 2025.12.13

STIチューンの最高峰Sシリーズ、スバル「インプレッサS203」が555台限定460.95万円で04年発表【今日は何の日?12月13日】