乗降性に優れ運転視界も良好 日常使いに便利な支援機能も

条件反射で「47万円!」と答えてしまうのは昭和世代の話だが、ともかくスズライトをルーツにもち、フロンテを経て、今もスズキの軽乗用車のスタンダードとしてラインナップされるアルトは、現行モデルで実に9代目となる。

エクステリア

全高を1525㎜とし、従来型のイメージより背の高い印象とルーミーな室内を実現。角を丸めて軽自動車らしい柔らかさも表現し、カラフルなツートーンも4種類設定されている。最小回転半径は4.4m。

「どうしてもクルマが欲しい、必要だという方にお届けしたい」との開発コンセプトが根底にあり、登場後に価格改定が入ったものの、ベーシックモデルで106万4800円(車両本体価格は96万8000円と依然100万円を切る)と抑えられた価格設定だ。

インストルメントパネル

昨今の軽の基準に照らせば簡素な印象も拭えないが、インパネの色使いや装備類の充実に目を見張る部分もある。「ハイブリッド X」にはフルオートエアコンを標準装備する。

エネチャージを搭載し価格を抑えた「A」、「L」、燃費性能を向上させるマイルドハイブリッドの「ハイブリッドS」、「ハイブリッドX」の4タイプで、それぞれにFFと4WDを用意。WLTCモード燃費は27.7〜23.5㎞/ℓで、アイドリングストップは全車に標準。最軽量モデルの車両重量は680㎏だ。

居住性

実車は少し〝クセ強〞だった先代から一転、サッパリとシンプルな仕上がりをみせる。先代に対してドア開口上部を20㎜上げ、ウエストラインを35㎜下げたことで、楽な乗降性、良好な視界も確保された。運転支援関係の装備では、デュアルカメラブレーキサポート、誤発進抑制機能、後退時ブレーキサポート、後方誤発進抑制機能、ふらつき警報機能など普段使いをサポートしてくれる機能を標準装備としている。

うれしい装備

ハイブリッド X」はキーレスプッシュスタートシステムを標準装備。キーを携帯でドア開錠と施錠ができる。
ハイブリッド X」にはカラー表示のヘッドアップディスプレイをオプション設定。交差点案内表示に対応。
月間販売台数       3143台(24年7月~12月平均値)
現行型発表    21年12月(一部仕様変更 23年11月)
WLTCモード燃費  27.7㎞/ℓ※「ハイブリッド」系のFF車

ラゲッジルーム

決して〝攻めて〞走るクルマではなく、その分、サッと乗って誰にでもリラックスして走らせていられる乗り味、パワー感に仕上げられた印象だ。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.166「2025年 最新軽自動車のすべて」の再構成です。

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