最近はサンデーメカニックでジムニーのメインテナンスにいそしんでいたのですが、今回は久々にキャンプネタです。なぜなら、友人から猪のロースが送られてきたから! 今回はイノシシ一択! 男のキャンプ飯ですよ。
TEXT & PHOTO◎伊倉道男(IKURA Michio)
ダッチオーブンやパーコレーターで人気のペトロマックス(Petromax)。アメリカの会社と思われがちだが、じつはドイツのメーカーだ。
所在する場所はマクデブルク(Magdeburug)スデンブルガー ヴネ(Sudenbur Wuhne)で、クルマ好きには有名なコンチネンタルタイヤの所有するテストコース、コンチドローム(ハノーファー近郊)の東南東、ベルリン(Berlin)の西南西、ライプツィヒ(Leipzig)の北西あたりに位置する街。ちなみに、コンチドロームとはどんなテストコースかというと、オーバルコースのなかに多くの路面状況が再現されていることで有名なのです(行ったのはずいぶんと前ですが)。
で、ダッチオーブンとコンチドロームの関係は? となる訳だが、ダッチオーブンは鉄の塊で重い! というくらいしか見つからなかった。なんのこっちゃ。
そしてここからはアウトドアの話。まず、なぜダッチオーブンのメーカーの所在地を上げたのかというと、人気のオイルランタン、フュアハンド(FEUERHAND)もペトロマックスが扱う製品だから。
オイルランタンで人気のフュアハンド。これもペトロマックスが扱う製品である。
フュアハンドの記事はこちらからどうぞ。クラシカルなままにいまに繋がる? どうしてカタチが変わらぬまま、である。それはドイツの東西分裂により、東側に位置した為であると思われる。単に「いまあるクラシカルなイメージの物を使う」を楽しむだけでは少し残念だ。長く続いた理由のひとつ、悲しい歴史ではあるけれど「政治や思想」そして「戦争」という生い立ちが関係するのだろう。
入手したのはペトロマックスのなかでも最小のf1-tというモデル。外寸直径約16.5cm、内寸直径は底部12cm上部約15cm、深さ約6.7cm。ケース、中敷の網、リフターは別売。
いままでは10インチのダッチオーブンを使っていたが、ソロでの行動が多いため、小さい物が欲しくなる。
ダッチオーブンの大きさを選ぶときの最重要事項は、人数に対応する大きさではなく、調理する食材の大きさで選ぶ、ということだ。10インチでは鶏は丸ごと入るには入るが、ダッチオーブンに当たり、焦げることが多い。丸焼きを楽しみたいのなら、12インチを選ぶべき。
ダッチオーブンを移動させたり蓋を開ける道具がリフター。本体はツルの部分を引っかけて持ち上げて移動する。蓋も同様に使うが、横に伸びたバーをテコのように使い安定させて蓋を開ける。リフターは以前から使っている物をそのまま使っている。もちろん、ペトロマックス製も販売されている。そして、できればリフターのほかに革手袋も準備するといいだろう。
今回の火器、コールマンのガソリンツーバーナー。ガソリンはアストロプロダクツAP ガソリン携行缶 ボトルタイプ 1L。バイクファンにはおなじみの物だと思う。
今回の火器は、コールマンのガソリンツーバーナー。低温下でも安定して火力が得られる。晩秋まではガスを使い、その後ガソリンや薪に移行していくのが僕のパターンなのだ。
友人から送られて来た猪のロース。ニュージーランド産のバターと粗挽きマスタード。調味料は「ほりにし」もしくは「クレイジーソルト」。この時点でまだ決めかねている。
メインの食材は友人から送られてきた猪のロース。今回はこれのみを食す。
ほかに用意した物はニュージーランド産のバターと粗挽きマスタード。調味料は「ほりにし」もしくは「クレイジーソルト」。
調理器具はダッチオーブンだけ。蓋をツーバーナーの左側のバーナーに置きフライパンの代わりとする。猪の肉に焼き色を付ける。見た目もだが、美味しさを閉じ込める為もある。
調理器具はダッチオーブンのみ。ツーバーナーの左側にダッチオーブンの蓋で焼き色をつける。右側はダッチオーブン本体を加熱しておく。コールマンのツーバーナーは左側のみを使うことはできない(左側は火力が低い)。
九州から送られてきた猪と、ドイツ製のダッチオーブン。バーナーと調味料のクレイジーソルトはアメリカ製。バターはニュージーランド産と楽しくなるほどの多国籍。
ダッチオーブンの蓋をフライパン代わりにして、すべての表面に焦げ目をつけていく。見た目もだが、美味しさを閉じ込めるためでもある。
右側のバーナーにはダッチオーブン本体を加熱しておく。ちなみにコールマンのツーバーナーは左側のみを使うことはできない。そして左側の火力は弱い。バーナーをひとつだけ使うときは、右側のみの選択だ。
ダッチオーブン本体には、多めにオリーブオイルを注いでおこう。これはダッチオーブンの保護のために施している。さぁ、あとは40分ほど、猪の肉の中まで火が通るまで待つだけ。
ダッチオーブン本体には、多めにオリーブオイルを注いでおく。これはダッチオーブンの保護の為(写真左)。焼き目が付いたら、ダッチオーブン本体に移す。蓋をして約40分。
ジビエなのでしっかりと火は通す。粗挽きマスタードでシンプルに。猪の脂身はとくに美味しい。
最近のお気に入りのブランドは「CHUMS」。アメリカのブランド。明るく行動的な「子ども心」を大人に展開する、そんなイメージ。寒い日々が続きます。でも、陽も延び始めて、小さいけれど樹々も芽吹き始めています。春までもう少し。厳しい状況が続きますが、皆さまご自愛くださいませ。それではまた来週。