ホンダが2024年に北米に導入するホンダ・プロローグとアキュラブランドの電気SUVは、ウルティウム・バッテリー・プラットフォーム(Ultium battery platform)を使う。
ウルティウム・バッテリー・プラットフォームは、GM(ゼネラル・モータース)が開発するEVプラットフォームだ。GMは、2025年までにEVの世界販売台数を100万台以上に押し上げようとしている。ウルティウム・バッテリー・プラットフォームは、その中核となるプラットフォームだ。
GMとして、ハマーEV(HUMMER EV)、キャデラック・リリック(LYRIQ)、シボレー・シルバラードの電気ピックアップトラックなどが開発されている。
それに加えてホンダ・プロローグ、アキュラのSUVが登場するわけだ。
プロローグとアキュラSUVの次、2020年代後半には、ホンダが開発を主導する新しいEVプラットフォーム「Honda e:Architecture(ホンダ・イー・アーキテクチャー)を採用した電気自動車が登場する。
当初の北米ホンダの発表では、プロローグは
「具体的な販売目標は申し上げませんが、SUVのPassportとPilotの間くらいの年間販売台数を目標にしています。 そして、2024年に発売されるHonda Prologueはそのスタート地点に過ぎません」
というものだったが、その後、2024年の発売時の年間販売目標が7万台であることを発表している。ホンダは、2030年までに50万台のBEVを販売し、最終的には2040年までに北米でのゼロエミッション車販売台数100%を達成する予定だ。
ちなみに、2021年の販売台数は
パスポート:5万3133台
パイロット:14万3062台
7万台といえば、2021年でいえばオデッセイ(7万6125台)くらいの販売台数だ。
ホンダは、将来のEVの競争力を確保するためにバッテリーの大容量化と低コスト化を進めている。そのための鍵を握るのは全固体電池の実用化だ。その一環として今年度から実証機による生産技術の検証を開始する。実用化の目標は10年後というから、ホンダ・イー・アーキテクチャーは全固体電池搭載も織り込むEVプラットフォームになるということだろう。
これらの開発により、ホンダは、2050年のカーボンニュートラルに向けて、2030年には電気自動車と燃料電池車の販売台数を40%、2035年には80%、2040年には100%にする計画だ。
プロローグは、カリフォルニア州と、BEVフレンドリーなサンベルトのテキサス州やフロリダ州を含むZEV州をターゲットにする。発売当初は販売台数の大半はこの地域が占めるとホンダは想定している。