MAZDA3 e-SKYACTIV-X搭載モデル長期レポート | あぁ、雪遊びがしたい!MAZDA3のスタッドレス選び

スタッドレスタイヤに交換。MAZDA3のドライブは快適だ MAZDA3長期レポート

長期レポート、少し時間が経ってしまったが、MAZDA3 SKYACTIV-X搭載のPROACTIVE Touring Selection、AWD、6MTは快調だ。冬を迎えてタイヤをスタッドレスタイヤに交換した。そのタイヤ選びとインプレッションをお届けする。
TEXT & PHOTO◎世良耕太(SERA Kota)

スタッドレスタイヤに履き替えた

走行距離は5537km、満タン法による平均燃費は15.6km/Lだった。

月日が経ってしまったのでさらりと済ませて先に進むことにするが、新車6ヵ月点検は何ごともなく終了した。実際には納車から5ヵ月とちょっとで点検を受けており、点検時点での走行距離は5537km、満タン法による平均燃費は15.6km/Lだった。点検とメンテナンスをパッケージにした「パックdeメンテ」を購入しており、エンジンオイル交換が6ヵ月点検のパック内容に含まれていた。

気になることがあったので、確認をお願いした。点検日の1ヵ月半くらい前から、ビビリ音が発生するようになったからである。ジリジリジリと。いつも出るわけではなく、たまに出る。音が出だすと、そのトリップ中はずっと出ている。出ないときはずっと出ない。ダッシュボードのどこかで出ているらしいが、単独での乗車が多いこともあり、発生源は特定できていなかった。

点検してもらったが(いつものように、関東マツダ高田馬場店である)、原因の特定はできず、助手席側ドアトリムはじめ各部の締め付けを確認してもらい、「様子を見てください」ということになった。クルマを受け取って車道に出た途端ビビリ音が出たのには笑ったが、以来、出ないことのほうが多い(つまり、出ることもある)。

雪道での走りを確かめてみたかったし、出かけるタイミングで雪に降られる可能性も考慮し(過去に何度かあったので)、スタッドレスタイヤに履き替えることにした。タイヤ&ホイールの組み付けと交換作業はやはり、関東マツダ高田馬場店にお願いした。ホイールもタイヤも通販サイトで購入し、送り先を販売店に指定した。

MAZDA3純正18インチホイール(中古)。
「4321」とあり、2021年第43週(10月下旬)の製造であることがわかる。

MAZDA3純正18インチホイール(中古)の出物があったのはラッキーだった。X PROACTIVE Touring Selectionの純正ホイールはブラックメタリック塗装だが、購入品は20S(2.0Lガソリン)やXD(1.8Lディーゼル)に標準装備されるグレーメタリック塗装である。「X」なのにグレーの組み合わせになるところがポイント(?)だろうか。

タイヤを履き替える日を先に決めてからホイールとタイヤを注文するという暴挙(?)に出たため、スタッドレスタイヤは何でも選択できる状況ではなかった(もちろん、予算の都合もある)。215/45R18という特殊なサイズ(?)ゆえにそもそも選択肢は少なく、マツダの某走り系エンジニアに推奨してもらったコンチネンタルVikingContact 7は諦めた(インチダウンすれば選択可能だったが、純正18インチアルミの中古をポチってしまったし)。

サイズは215/45R18
GOODYEAR ICE NAVI8

納期の絡みもあったが、直近で2セット、グッドイヤーのオールシーズンタイヤ、Vector 4Seasonsを履いていてブランドに対する信頼があったこともあり、最終的には同ブランドのICE NAVI8を選択した。公式ホームページでは、「ICE NAVIシリーズ初の左右非対称パターンを採用し、氷上での優れたブレーキング性能およびコーナリング性能に加え、効き持ちとロングライフ性能を両立したグッドイヤー史上最強のプレミアムスタッドレスタイヤ」と説明している。

国内製造品だ。注文したのは2022年1月10日だった。届いたタイヤのサイドウォールを見ると「4321」とあり、2021年第43週(10月下旬)の製造であることがわかる。なかなかフレッシュなタイヤであることに、まず安堵した。ICE NAVI8は左右非対称パターンではあるものの回転方向は指定ではない。サイドウォールに「OUTSIDE(外側)」の表記があり、その表記に従って組み付けると、左側トレッドパターンのセンター部はV字を描くが、右側はΛ字になる。トレッドパターンを見てしまうと落ち着かないし、剪断性や排水性が左右で異なるのではと勘ぐってしまうが、体感上はとくに問題を感じない。

もともと低偏平なこともあるが、ICE NAVI8はサイドウォールがぽっこりふくらんだ形状をしておらず、「スマートでいいじゃないか」というのが第一印象だった。スタッドレスタイヤのあるあるで、アタリが柔らかく感じられる。転舵した際の応答の遅れは気にするほどではなく、夏タイヤからの感覚のアジャストはほとんど必要ない。箱根や伊豆の山道も走り込んだが、「そこそこハイペースかな」と感じるくらいのペースなら、何の苦もなくこなしてしまう。

残念ながら、圧雪路と呼べるコンディションはほんの数キロしか走ることはできていない。しかし、感触は確かめることができた。発進時の蹴り出しの良さはスタッドレスタイヤならではで、「格別だ」と、過去10年をオールシーズンタイヤで過ごしてきただけに、そう思う。姿勢の乱れが小さいのに加え、お尻から力が伝わる安心感をもとにガンガン踏んでいけるのはAWDの強みで、「選んでよかった」と思う瞬間だ。あぁ、雪遊びがしたい。

シートヒーターとステアリングヒーターがありがたい

シートヒーターとステアリングヒーター

冬のドライブで助かっているのは、PROACTIVE Touring Selectionより上のグレードに標準装備されるステアリングヒーターとシートヒーターだ。エアコンの送風口から暖かい風が出てきて室内が暖まるまでの間、とくに重宝する。シートヒーターの強さは3段階で、筆者の場合、「中」から始めて過剰と感じたら「弱」に切り換え、最後はオフにする使い方で寒い冬を快適に過ごしている。

ステアリングヒーターはスイッチを入れると約30分間作動し、自動的に停止する。30分の作動では足りず、エアコン調節ダイヤルの下にあるボタンを押してもう一度オンにすることが多い。マツダコネクトの「設定」画面から、ステアリングヒーターをオートエアコンと連動させることも可能だ。この場合、ステアリングヒーターは車内環境に応じて自動で作動したり、切れたりする。シートヒーターも同様に、オートエアコンと連動させることが可能だ。

シートヒーターとステアリングヒーターに慣れ親しんでからというもの、機能を装備していないクルマに遭遇すると、電源の入っていないこたつに足を突っ込んだときにように、寒さが余計身に染みるようになってしまった。慣れとはオソロシイものである。

あぁ、雪遊びがしたい!

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著者プロフィール

世良耕太 近影

世良耕太

1967年東京生まれ。早稲田大学卒業後、出版社に勤務。編集者・ライターとして自動車、技術、F1をはじめと…