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トミカ × リアルカー オールカタログ / No.18 日産 NV350キャラバン 救急車

発売から50年以上、半世紀を超えて支持される国産ダイキャストミニカーのスタンダードである『トミカ』と、自動車メディアとして戦前からの長い歴史を持つ『モーターファン』とのコラボレーションでお届けするトミカと実車の連載オールカタログ。あの『トミカ』の実車はどんなクルマ?
No.18 日産 NV350キャラバン 救急車 (サスペンション可動/後部ドア開閉・希望小売価格550円・税込)
日産NV350キャラバンをベースにした専用車、日産“パラメディック”実車フロントビュー。(『トミカ』のモデル車とは異なります)
日産NV350キャラバンをベースにした専用車、日産“パラメディック”実車リヤビュー。(『トミカ』のモデル車とは異なります)

ひと口に救急車と言っても様々な種類があり、所属している組織によって、配備の目的や車内の装備、管轄省庁などが異なっています。私たちがよく目にする、一般道路をサイレンを鳴らして緊急走行している救急車の大部分は、地方公共団体の消防本部や消防署に属している救急車です。これらの救急車は総務省消防庁が管轄しています。

こちらは埼玉県行田市の“行田総合病院 DMAT CAR”として使用されている日産NV350キャラバン。『トミカ』により近い外観だ。(写真:埼玉DMATホームページより)

また、病院間の転院搬送などに用いられる、病院など医療機関に属している救急車――俗に“病院救急車”と呼ばれます――もよく見られますが、こちらは厚生労働省の管轄です。最近、よくニュースなどで見られる、伝染性の高い感染症にかかっている(もしくはその疑いのある)海外からの入国者や帰国者を搬送する空港の救急車も厚生労働省の管轄です。

このほか、テーマパークやサーキット、大きなホテルや工場の敷地などに配置された救急車は、その施設の管理者によって組織されている自衛消防組織に属し、敷地内の医務室や近隣の病院にケガ人や病人を搬送するために使われます。これら自衛消防組織の救急車は、公安委員会に届け出て正式な緊急自動車に認定されていない限り、公道で緊急走行を行なうことは出来ません。

自衛隊にも救急車がありますが、こちらは防衛省の管轄。競馬場の救急車は農林水産省の管轄になります。白い箱型ボディに赤いラインや赤十字といった、外見は同じように見える救急車でも、このように様々な種類があります。

ベースとなっている日産NV350キャラバン(バンDX スーパーロングボディ、ワイド幅、ハイルーフ、低床、6人乗り、4ドア)。

さて、救急車の形も私たちがよく見かける箱型ボディのものからバスやトラックまで様々です。現在、消防庁管轄の救急車で主力となっているのが高規格救急車(高規格救急自動車)です。高規格救急車は、ヘルメットを被った救急隊員が屈まず自然な姿勢のまま迅速に救命処置ができる室内高と、医療機器や医療器具などを無理なく収納できる室内幅がなければなりません。そこで基本的には箱型ボディの商用車やトラックの改造車が用いられます。この高規格救急車は現状では救急車として要求されるすべての能力を備えているため、消防庁管轄以外の救急車でも採用例が多くなっています。ちなみに、高規格救急車用の車両のことを高規格準拠救急車と言います。

日産NV350キャラバンのハイルーフの車内。たいへん天井が高いことがわかる。

現在、日本では高規格準拠救急車には3つの自動車メーカー製のものがありますが、そのうちの一つが日産の商用車NV350キャラバンのスーパーロングボディ・ワイド幅・ハイルーフを改造して作られた専用車、日産“パラメディック”で2018年に登場しました。ちなみに現行車は3代目にあたります。その使いやすさから、高規格救急車としてはもとより病院救急車として、あるいは専門的な訓練を受けた医師・看護師などからなり、災害発生直後から活動できる機動性を備えた医療チームであるDMATなどでも幅広く用いられています。

QR25DE型エンジン。2.5ℓ 直列4気筒DOHC16バルブで様々な出力・トルク特性のものがある。兄弟機は一時期、ルノーでも使われた。“パラメディック”に搭載されるのは出力108kW版。

さて、『トミカ』の『No.18 日産 NV350キャラバン 救急車』は、外観的には“パラメディック”ではなく、それに準じた2B(“ツー・ベッド”の略)型の標準救急車あるいは普通救急車を再現したものと思われます。ただしこれら標準救急車も、最近では高機能救急車に改造・改良されているものが増えていますので、外観からの判別は難しくなってきています。

パトカーや消防車などの緊急自動車と並び、救急車も子どもたちのヒーローですので、この『No.18 日産 NV350キャラバン 救急車』も『トミカ』の人気車種です。ひょっとしたら近所の消防署や大きな病院などで本物を見ることが出来るかもしれませんね。後部ドアが開閉できるギミックも楽しく、充実感のある1台となっています。

■高規格準拠救急車 パラメディック(日産 NV350 キャラバン 改造車) 主要諸元 (『トミカ』モデル車種と同一規格ではありません)

全長×全幅×全高(mm):5330×1880×2490

ホイールベース(mm):2940

トレッド(前/後・mm) :1660/1635

車両重量(kg):2770

エンジン形式:QR25DE型 水冷直列4気筒DOHC

排気量(cc):2488

最高出力:108kW(147ps)/5600rpm

最大トルク:213Nm(21.7kgm)/4400rpm

トランスミッション:5速AT

サスペンション(前/後):ダブルウィッシュボーン/リジッド

ブレーキ(前/後) :ベンチレーテッドディスク/ドラム

タイヤ:(前) 195/80R15 (後)195/80R15

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