高さ調整が可能なフレキシブルベッドマットで室内をアレンジ
軽バンをベースにした軽キャンパーは、市場では人気の高いカテゴリーだ。価格やランニングコストが安いので手軽に所有できるだけなく、日常生活での汎用用が高い。東日本大震災以来、シェルター代わりに所有する人が増えており、人気はウナギ上りである。
そんな人気軽キャンパーだが、ビルダー各社はかなり苦労して造っている。それは空間と機能のバランス。軽バンは空間効率に優れたクルマとは言え、やはり軽自動車規格。ハイエースなどとは広さは比べものにならない。そこにキャンピング装備をインストールし、人が1〜2名寝られるようにするわけだから、様々な工夫が必要になる。
最近ではポップアップテントを装備することで、就寝スペースと動線を確保するモデルも多いが、ノーマルルーフのモデルに比べると割高になってしまう。しかし、車内で2人が並んで寝るのは、意外ときついものだ。隣の人が気になって、寝返りをうつのも憚られるからだ。
そんな悩みを見事に解決した秀作が、カスタムセレクトの「ロードセレクトコンパクト」。なんと、軽キャンパーなのに2段ベッドを備えているのだ。
まず車内後方には、お約束のキャビネット。テーブルやシンクを装備している。そしてシートをフラットしてベッドマットを展開することで、L1850×W1000〜1200mmの就寝スペースに。さらに運転席&助手席上にオプションのフレームとマットを使うことで、L1900×W1200mmの上段ベッドに。上段ベッドは助手席の上だけ展開することも可能なので、ひとり旅のユーザーは寝食分離の生活をすることも可能だ。
ちなみに上段ベッドから天井まで54cnの空間が確保されているので、大人でも苦労せずにベッドに転がり込むことができるし、寝た時の圧迫感も少ない。
オプションも実に豊富で、さらに屋根上に載せるポップアップテントや、運転席のオーバーヘッドを効率よく使えるアッパーラック、ベンチレーター、回転式TVモニターなどが用意されている。
さらにレスオプションもあり、車内家具がない「ロードセレクト・コンパクトS」も設定。車内後部にキャビネットがない分だけ、さらに広い空間で伸び伸びと寝ることができるモデルだ。
車内のインテリアも3タイプ設定されているのも、特徴のひとつだ。シャープな「ブラックウッド」、カジュアルな「ブラウンウッド」、そしてシンプルモダンな「ティタンウッド」。シートファブリックやレザー、カーテンのカラーも数種類の中から選ぶことが可能だ。
本来、日本人はミニマルな製品を作るのが得意だが、まさにこの軽キャンパーはその代表的なプロダクトと言える。高機能、かつ楽しさを備えているという点では、キャンピングカー市場でも逸品と言えるだろう。