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バンコンを超えた軽キャン?! 巧みな空間創造に脱帽|岡モータース・NEWミニチュアクルーズCOZY
軽キャンパーは人気のカテゴリーだが、居住空間のレイアウトにはどうしても限界がある。軽バン&ワゴンの車内寸法を考えれば、後部に家具を集中させるというのが理想なのかもしれないが、やはり違う選択肢も欲しくなる。
加えて、車内でPCワークや作業などをするとなると、カウンターテーブルでは作業性が悪い。バンコンのようなシートとテーブルが欲しい!と考えている人は、意外と少なくないはず。
そんなことを思いつつ、ジャパンキャンピングカーショー2022の会場をそぞろ歩いていたら、ハートを鷲づかみにされたのがこの1台。岡モータースの「NEWミニチュアクルーズCOZY」だ。
岡モータースのクルマ造りには、以前より光るものがあった。「お遍路」は巷でも注目された和風の車内を持った軽キャンだが、同モデルのように限られた空間を上手く演出するのが得意なビルダーだ。
さてNEWミニチュアクルーズCOZYだが、このモデルの特徴は「きちんと座れる」ことだ。多くの軽キャンの場合、ベッドマットを展開したら、その上に床座で生活するスタイルになる。それもリラックスできていいのだが、テーブルを使って何かをするにはあまり向いていない。
同モデルは、まず車両右側にカウンターがインストールされる。この家具には、シンクや電子レンジ、冷蔵庫がセットされている。さらに取り外し可能なテーブルも装備されており、このテーブルの位置とマット展開のバリエーションによって、居住空間を変化させることができるのだ。
まずスタンダードなのが、対座タイプのダイネット。テーブルを挟んで、前後方向に2人が座る空間だ。後部側に座る人は、テーブルを外して移動するか、後部ゲートから出入りすることになるので、雨天の時は少々面倒かもしれないが、椅子の生活は魅力だ。
さらにマットを動かして横長のソファーにすれば、カウンターに対して正対する空間ができる。これだと車内での移動はラクだし、PCワークや趣味の作業も非常にしやすい。この状態でマットを敷き詰めれば、1人用の就寝スペースになる。
このモデルは基本的に1人向きなのだが、驚きの機能で2人対応にもなる。カウンターに延長用ボードを付けると、なんとベッド化できるのである。マットは市販されているエアマットなどを活用することになるが、昨今はいい商品が出ているので困らないだろう。
この空間レイアウトだけでも物欲をそそられるのに、インテリアの演出も実に巧みだ。ホワイトウッド調の家具と間接照明によってシンプルモダンにまとめられた車内は、イマドキの空気感をよく読んだコーディネイトと言える。
よく“男の隠れ家”などと言うが、これなら女性の一人旅にもマッチングがいいのではないだろうか。お気に入りの場所で、本でも読みながらティータイムを楽しむ。そんな大人のオフタイムを過ごすのに、ピッタリな1台。NEWミニチュアクルーズCOZY、筆者の「欲しいキャンピングカー10」にランクイン決定だ。
岡モータース・NEWミニチュアクルーズCOZY
■車両本体価格:349万2500円/展示車価格:441万450円
■ベース車両:スズキ・エブリイJOINターボ(2WD・4AT)
■乗車定員/就寝定員:3人/2人
■主要装備:FFヒーター/給水タンク(20L)/排水タンク(20L)/電子レンジ/シャワー(冷水)/サブバッテリー(85Ah×2)
■展示車のオプション装備:ディスチャージヘッドランプ 5万5000円/フォグランプ(白) 3万7950円/17.3インチモニター 7万7000円/ナビゲーション電源切り替えシステム+接続ケーブル 4万4000円/リチウムイオンパワーパッケージ 56万1000円/ロフトベッド 9万9000円/ETC車載器 2万2000円ほか