一口にバンコンと言っても、簡易的な車中泊仕様車から本格的なキャンピング装備をインストールしたものまでいろいろだ。豪華なモデルとなれば、キャブコンを凌ぐくらい快適な車内を持っているのである。
キャンピングカープラザ東京と言えば、これまで「アネックス」のキャンパーをメインに扱っている“展示場”として認識されることが多かった。言うまでもないが、アネックスのバンコンは非常にデキが良く、しかもセンスがいい。イマドキのシンプルモダンの良さが十分に活かされた車内は、同社ならではとも言える。
一方で、同社はキャブコンをラインナップに持っているため、バンコンで本格派というモデルがなかったのも事実。キャンピングカープラザ東京では、以前よりワイドロングハイラックスをベースにした本格装備のバンコンを本社に提案してきたが、ラインナップのバッティングを考えて、色よい返事はもらえなかったという。
そこで、キャンピングカープラザ東京独自のオリジナルモデルとして完成したのが、『ハピリーレジェンド』だ。
ご覧の通り、2段ベッドとダイネットを中核としたインテリアが特徴だ。敢えて言うなら、OMCの「銀河」シリーズにレイアウトが似ている。
目に入るのは木目が活きたウッドパネルで、これもこだわって選んだ素材だという。トリムはグレー杢のもので、しっとり落ち着いた雰囲気には大人の感性に訴えかけてくる。全体的には、ミッドセンチュリー調の雰囲気でまとめられている。
二段ベッドは、使わない時はソファーとして使う。向かいに対座式のダイネットがあるが、ここと併用という形になる。しかし、明らかに対座シートよりよりも座り心地がいいため、ここで身体を伸ばしてくつろぐ時間が増えるのではないだろうか。
ギャレーは入口入ってすぐの所にあり、ダイネットと少し離れているところが、好感度の高い部分。ダイネットの目の前にギャレーがあると、どうしても生活感が出てしまうからだ。便利でいい反面、落ち着かないのも確かだ。
車両後部にトイレ、マルチルームがあるのも中高年には嬉しいポイントだ。夜中に車内に出て、トイレまでトボトボ歩くのは結構きつい。やはり、車内で用が足せるならそれにこしたことはない。トイレでは使わないという向きなら、収納庫として活用するという手もある。
さらにベッドとギャレーの間にはクローゼットが設けられており、衣服などをかけておくことができるのはいい。
二段ベッドの幅はそれほど広くないが、天地は身長180㎝の人でもゆったり寝ることができるサイズだ。車両後部にまでベッドマットを伸ばして、奥行きを稼いでいる。仮に2段両方を使わないというのなら、上段にはロッドやスキーなどを置いてもいいだろう。ベッドに変化させるのは簡単で、マットを引っかけるだけ。右手の仕切り版には、ハシゴ代わりの穴が開いており、足をかけて登り降りに使うことができる。
インテリアについては好みが分かれるものだが、このモデルに関して言えば万人受けする雰囲気を持っている。「上質」という言葉が、まさにぴったりだ。価格も800万円台後半からと、内容の割りには手頃と言える。もちろん8ナンバー登録でき、様々なランニングコストを抑えることができるのも美点だ。