目次
温暖化の影響・第1次 大気、地表面、海水が温まり暑いと感じる
温暖化は4つの段階で、それぞれに人間に影響を与えると考えている。温暖化ではまず上空のCO2が増加することで、これまで以上に地球からの赤外線を吸収し、周りの空気を暖めると同時に地上に赤外線を放出して地表面を暖める。その結果、地表面と海水が暖まる。上空の大気、地表面、海水が暖まることで、人間が暑いと感じることで第一次影響が生まれる。
温暖化の影響・第2次 地球上の循環が変化する
大気、地上、海水が暖まることで第2次の影響として、大気、大気中の水、海流についての流れの変化が起こる。地球上の大気の大きな流れには3つある。赤道付近で強い太陽光で暖められた大気が地上約10kmの成層圏に達し、高緯度方向に流れ30度付近で地上に下りてくる流れがある。この流れは18世紀にイギリスのジョージ・ハドレーが発見したことからハドレー循環と呼ばれている。緯度30度付近で大気が地上に下りてくるのは、高緯度に行くに従って大気の温度が低くなり、30度付近まで来ると浮力を失い力尽きてしまうからである。第2に、北極、南極と約60度の緯度のところでの循環があり、これは極循環と呼ばれている。そして30度から60度の緯度の間では19世紀のアメリカの気象学者ウイリアム・フェレルによって発見されたフェレル循環がある。これはハドレー循環と極循環のバランスを取るために発生する循環である。
温暖化するということにより、これらの大気の流れがより大きくなるということになる。
大気中の水の流れは赤道付近で温暖化により、これまで以上の水分蒸発がある。その水分はこの地域で雨となって降り、より乾燥した空気が緯度30度付近で地上に下りて来る。このために、雨が降りやすかったところでは雨がより多く降り、乾燥したところでは乾燥がより進む。
海流の変化は海水面上の海流と海水面から上下方向への海流の流れの双方の変化がある。すると、海流に乗って移動する魚の種類と量にも影響がある。
温暖化の影響・第3次 気象そして気候が変化する
第3の影響は気候、気象へのものである。ここで気候とは年をまたいで起こり、気象とは日々に変化するものとする。
温度の変化と循環の変化で、気象変化がより大きくなる。暑さ、寒さ、日照りと雨量、風の強さがそれぞれ激しくなり、日々の気象変化と長期的に見た気候変化に影響する。
温暖化の影響・第4次 生態系が変化する
第4の影響は、生態系への影響である。これまで作物が良く採れていた地域が乾燥のため、あるいは気温上昇のために収穫量が減る可能性と、これまで栽培に適していなかった地域で育成可能となる場合がある。
こうして大気中のCO2濃度が増えることで、第1次から第4次にわたる人間への影響がある。これらの影響がすべて最終的には人間にとっての健康への被害や、災害の被害に影響する。
現在の地球は、第1次から4次の影響がすでに出始めていることが日本人すべての実感であろう。さらに、その影響が、年々大きくなっていることも肌で感じている。早く対策を打たなくてはならないということも共通の認識である。