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最高出力230kW(312ps) 走行距離は約450km
「RZ」はEV専用プラットフォームとなる「e-TNGA」採用し、搭載するバッテリーやモーターの位置を最適配置。軽量かつ高剛性なボディにより、車両の基本性能を大幅に進化させた。また四輪駆動力システム「ダイレクト4(DIRECT4)」やステアバイワイヤシステムなどの採用により、クルマと人が一体となった爽快なドライビングフィールを提供する。
エクステリアデザインでは、BEVならではのシームレスな加速感とトルクフルな躍動感を表現する「スピンドルボディ」を採用。レクサスのアイコンであるスピンドルグリルをボディと一体化させBEVらしい先進的な表現を実現している。
日本国内での発売時期は未定。パワートレーンは最高出力230kW(フロント150kW/リヤ80kW)を発生。搭載するバッテリー容量は71.4kWhで、一充電走行距離は約450km(WLTCモード、開発目標値)となっている。
また、レクサスは2030年までにすべてのカテゴリーでBEVのフルラインアップを実現し、2035年にはグローバルでBEV100%の販売を目指す計画を発表している。
BEV専用プラットフォーム「e-TNGA」を採用。
「e-TNGA」はバッテリーを車両フロア下へ搭載し、低重心・低慣性モーメントという特徴を活かし、操縦安定性と乗り心地を高い次元で両立する。
また、気持ちの良い走りのために、ラジエーターサポート部の補強とV字状のブレースを追加することでボディを強化。さらに、タワーバーとフェンダーブレースはステアリングの応答性を、ロアバック部の補強はリヤの追従性をそれぞれ向上させている。グレードによりフロント、リヤにヤマハ製のパフォーマンスダンパーを設定することでボディの無駄な動きを軽減し、よりダイレクトな応答性を実現している。
新開発の四輪駆動力システム「DIRECT4」
「DIRECT4」と、新たに開発した高出力モーター「eAxle」により、路面や走行状態を問わずクルマの接地加重に応じて四輪の駆動力を常に緻密に制御する。
「DIRECT4」の駆動力配分制御は、車輪速センサー、加速度センサー、舵角センサーなどのセンサー情報を用いて、前輪:後輪=100:0~0:100の間で制御し、発進加速性、操縦安定性の向上、低電費に貢献する。発進時、直進加速時は、車両のピッチングを抑えダイレクトな加速感が得られるように、前輪:後輪= 60:40~40:60程度で制御。コーナリング時には車速、舵角などの情報を用いて、走行状態に合わせて駆動力配分を最適に制御することで優れた操縦安定性に寄与する。ステアリングの切り始めにはフロント寄りの駆動力配分(75:25~50:50)、コーナー脱出時はリヤ寄りの駆動力配分(50:50~20:80)となり、トラクション性能の確保や車両のピッチングを抑えながら、スッとクルマが曲がる気持ちのよい旋回フィーリングを実現している。
また、システムの最大効率で前後駆動力配分をコントロールするなど、消費電力を抑制するRangeモードをLEXUS初採用する。
BEVデザインの新表現「スピンドルボディ」
エクステリアデザインは、グリル開口部分のラジエーターなど内燃機冷却用構造を必要としないBEVの特徴を反映し、レクサスの象徴でもあるスピンドルをグリルのグラフィックではなく、立体の塊で表現する「スピンドルボディ」へと進化した。中央のスピンドルボディの両側を設計・生産技術との取組みで実現した立体的なフロントフェンダー、フロントバンパーのスピンドルボディを強調する造形や配色でレクサスのBEVらしさを強く主張している。
リヤはクリーンでシンプルな水平基調のデザインに、張り出したタイヤを強調する造形を組み合わせ、BEVのトルクフルな走りを支える力強いスタンスが際立つデザインとしている。また、一文字リヤコンビネーションランプとNXから続く新たなレクサスロゴタイプを採用。センター部で段落としした赤色レンズ部がロゴタイプを際立たせる。
新ステアリングとステアバイワイヤ
「RZ」では従来の円形ステアリングに加え、ドライバーとクルマが一体となった走りを実現するためにステアバイワイヤをレクサスで初採用した。
ステアリング操舵角を約±150°に設定し、交差点やUターン、車庫入れ、ワインディングなどの運転シーンにおいて、ステアリングを持ち替える必要のない運転操作を可能とし、ドライバーの負荷を大きく軽減してる。また、持ち替え不要になったことで、ステアリング形状とメーターの配置を機能に基づき抜本的に見直した。運転中のドライバーの視線移動を最小化し、ドライバーの目線を自然と前方へ誘うことで、より車と対話できるコックピット空間を実現している。