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これは日本にも欲しい!アメリカSEMAショーで体験した地下トンネル
最近、ツイッター社を買収したことでも話題となっている、テスラCEOのイーロン・マスク。それ以外にもスペースXやニューラリンク、オープンAIなど、経営している会社はSFの世界を現実のものにしているようで、ホントに驚かされます。
そんなイーロン・マスクが設立した会社で、まったく新しい交通インフラのサービス事業体としてアメリカで注目を浴びているのが“The Boring Company(ザ・ボーリング・カンパニー)”です。「ボーリング」は穴を掘ることを意味しますが、早いハナシ、都市部の地下にトンネルを掘って、タクシーで目的地へと直結移動できるインフラを構築する会社です。
そのサービスが既に稼働している場所が全米に一か所ありまして、それがネバダ州にあるカジノの街・ラスベガスです。CESなどの大規模トレードショーが開催されることでも知られるラスベガス・コンベンションセンターの地下に設けられたトンネルは、“LVCC Loop(ラスベガス・コンベンションセンター・ループ)”という名称でオペレーションが開始されています。
昨年の11月に、そのラスベガス・コンベンションセンターで開催されたSEMAショーに取材に行った際、実際にLVCCループを体験することができました。従来からあったセントラルホールとサウスホールに加え、昨年新たにオープンしたウエストホールの3か所を繋ぐ地下トンネルを、テスラのモデル3やモデルXが無料タクシーとして運行しています。
渋滞知らずでスイスイ。目的地にワープ!
各ホールに設けられたステーションで待機していると、文字通りループするように地下トンネルを巡回してきたテスラタクシーがやってきます。空車に乗り込み、行きたいホール名を告げるとドライバーが運転して送迎してくれます。地下トンネルは刻々と色を変化させるネオンで彩られ、まるで遊園地のアトラクションのよう。徒歩だと15分ほどかかるウエストホールからセントラルホールまでの行程は、約3分で(しかも快適に)移動することができました。
乗る前は、ひょっとして自動運転?とも思いましたが、実際には運転支援システムのオートパイロットは使わずに、普通にドライバーが運転を行っていました。将来的にはドライバーが監視役として常駐するだけで、運転はシステムに任せることになるのかもしれません。
また、現在はコンベンションセンターの敷地を巡回しているだけですが、今後はラスベガスの街中にトンネルを張り巡らせて、空港や駅などからホテルやカジノへと渋滞知らずのノンストップ移動を可能にするプロジェクトも進行しているのだそう。大いに政治が絡んでくる問題だけに、果たして本当に実現するのかわかりませんが、そこは時代の寵児たるイーロン・マスクのやることですから、期待したいところです。