牽引免許は不要。268万円(税別)のリーズナブルな価格も魅力的!|ホビー・ビーチ
キャンピングカーは魅力的なモビリティだが、当然ながら各種のコストが必要になる。自走式という言葉が表すように、エンジンが付いているので車検は必要だし、メインテナンスもしなければいけない。走行距離が伸びれば、動産としての価値も下がってくる。
その点、キャンピングトレーラーは価格が安く、メインテナンスがほぼいらない。値下がりが非常に緩やかなのもメリットのひとつと言えるだろう。問題があるとしたら、駐車場所の確保と運転技術くらいだろうか。
さて、ホビーはドイツが誇るキャンピングトレーラーメーカーだ。ドイツというのは戦前からキャンピングカーを造っており、バウハウスの影響を受けたハイマーなど今もトップのブランドを生んだ。戦後はお家芸である航空機技術などを投入したモデルが続々と登場し、欧州全土に広がっていったのである。
ホビーはどちらかという新興ビルダーで、50年前に誕生している。今回紹介する「ビーチ」は、ホビー創業者が自分用に造ったトレーラーをインスパイアしたモデルだ。当時と違うのは、スカンジナビアデザインのインテリアだろう。
まず外観だが、1930年代のバウハウスを思わせる魅力的なデザインだ。クラシカルな雰囲気と未来的なデザインが混在した秀作である。今回の車両には間に合わなかったようだが、サイドにラインが入るという。メインエントランスは右サイドだが、後部にも大きく開口するドアが備わっている。高原や海辺で、ここを開け放って過ごしたら最高に気持ちがいいだろう。
中に入ると、そこはまるでカフェ。スカンジナビアデザインとは、スウェーデン、ノルウェイ、デンマーク発のデザインテイストで、昨今は日本でもスタンダードになっている。自然と共生がデザインのベースになっているテーマで、派手さはないが非常にモダンであるのが特徴だ。
ビーチのインテリアには女性の社内デザイナーが多く参加しているようで、車内は柔らかい雰囲気で満ち溢れている。ホワイトウッドの天板、グレー系のソファーベッド、そしてシンプルモダンのライトペンダントや収納など。決して広くはないが、いつまでもここにいたくなるような居住空間なのである。
キッチンも非常に洒落ており、今時の住宅のようだ。間接照明に照らされたホワイトウッドの上に、ソリスのエスプレッソマシーンなんかを置いたらさぞ映えるだろう。
その左手には、クローゼットがある。マルチルームではなく、きちんとクローゼットを作ってあるのが、いかにも女性的なモデルである。
ソファーは、テーブルを変形させ、マットを展開することでベッドにできる。ベッドがまたお洒落で、星野リゾートのお高いホテルのようだ。2名がゆったりと寝られる2000×1800mmのダブルサイズを確保している。
ちなみにビーチは、重量750kg以下のカテゴリーに入るので、牽引免許が必要ない。ただ、同じカテゴリーのモデルに比べると、装備がシンプルだ。基本装備以外は、冷蔵庫、シンク、ベンチレーター、電源以外はすべてオプションとなる。加えて、トイレ&シャワールームもない。ただし、車内は抜群に洒落ている。
昨今のキャンピングトレーラーは、何でも付いていて快適なように造られているが、多少の不便もまたオートキャンプの楽しみに入る。それよりも、質の高いインテリアを最高に場所に移し、そこで過ごすというライフスタイルの方が贅沢な気がする。このトレーラーであれば、自宅の庭に置いて、離れとして使うのもきっと楽しいのではないかと思う。