ベントレー・ベンテイガに、ロングホイールモデルのEWBが登場。全長5322mm!

新型ベンテイガEWB
ベントレーの大人気車両ベンテイガに、ホイールベースが延長されたロングホイールモデル、ベンテイガEWBがラインナップに追加されることが発表された。発売は2022年後半とされている。ラグジュアリーSUV市場を確立したベンテイガの新モデルに期待が寄せられている。

新型ベンテイガEWB(Extended WheelBase)はその名の通り、二代目ベンテイガをベースに、ホイールベースとリアキャビンスペースが180mm延長されたモデルである。ホイールベースは2995mmから3175mmに伸び、全長は5322mm! 全長が伸びた分はすべてリヤスペースに充てられ、極めて贅沢なリヤキャビンエリアを実現している。

ベンテイガは2015年に初めて発表されて以来、ラグジュアリーSUV市場を確かなものにし、その存続の確立を担ってきた。ベンテイガは現在もベントレーのベストセラーモデルであり、本物のオフロード性能、ハイブリッド技術などを高いレベルで実現させ、その信頼性を証明してきているのだ。

2021年、ベントレーは14,659台という記録的な販売台数を達成し、2020年までのベストを31%上回っている。この3分の1強をベンテイガが占めるという人気ぶりだ。さっそく、ベンテイガ新型モデルのアップデート内容に触れていこう。

専用グリルが与えられたエクステリア

新型ベンテイガEWBのエクステリアには、主に4つの変更点がある。長くなったボディ全長を始め、新しいフロントグリル、ポリッシュ仕上げの22インチ 10本アームのスポークホイール、サンルーフの位置変更などだが、これらはいずれも大きな成功を収めた二代目ベンテイガの美しいビジュアルを踏襲した設計になっている。

新型ベンテイガEWBは、フライングスパーの新しいグリルからヒントを得て、エレガントさと視覚的にも印象的なデザインを両立させている。フロントフェイスのブラックメッシュグリルには、縦方向のクロームバーが備えられ、高級感あふれるベントレー独特のキャラクターを演出している。

22インチ10スポークのベンテイガ純正ホイールは、新型ベンテイガEWB用に新たに開発され、ミラーポリッシュ仕上げの新デザインで提供される。

メッシュグリルとクロームバー
ミラーポリッシュ仕上げの22インチ10スポーク純正ホイール

パノラミック・サンルーフの位置は変更され、リヤキャビンの存在感に焦点が充てられている。サンルーフは後方へ125mm移動し、リヤシートエリアに自然光を注ぐ最適な位置となった。サンルーフの開閉は、フロントキャビン・コンソールまたはリヤキャビンのタッチスクリーンからも操作が可能だ。

クラストップを誇る新しいキャビンは、他のどのラグジュアリーSUVよりも40mm以上長くなっている。ベンテイガEWBはミュルサンヌに比べてヘッドルームが10mm広いにも関わらず、ルーフラインはライバル車より100mm低くなっており、スポーティで均整の取れたシルエットを実現している。

特筆すべきは、ベントレー・エアラインシート仕様

新型ベンテイガEWBではインテリアの快適性がとことん追求されている。標準では4+1のシート構成が採用され、当然だが後席には大人3人が楽に座ることができる。大型化したキャビンの新機能は、何といってもベントレー・エアラインシート仕様だ。後部座席で最大限にリラックスできるよう、後席シートは最大40度までリクライニングさせることが可能。それに加え、新型ベンテイガでは走行時の静音性に力が入れられており、車内での音の周波数や座席位置を調整することで、ライバル車より最大26%も静音性が高いことが公式データとして発表されている。これによって、走行中でも高い質の睡眠を摂ることができるだろう。

左右席が隔てられたラグジュアリーなリヤスペース
クリームカラーとダーク調のレザーによるコントラストが高級感を演出

シートのリクライニング調節は、車内に備えられたタッチスクリーンデバイスから操作することが可能。ドアポケットの部分にもスイッチがあり、シートを最大までリクライニングさせた「リラックスモード」と、最もアップライトな状態の「ビジネスモード」に設定することができる。リラックスモードを選択した場合には、助手席が最大まで前方に移動し、後席のスペースを広く確保してくれるうえに、助手席背もたれ部分から後席用の専用フットレストまで展開される。何とも居住性に満点をつけたくなる仕様だ。

後席用のセンターコンソール
高級レザーによるダイヤモンドステッチが施されたドア内張

また、新型ベンテイガでは、ベントレーで初めてパワー・クロージングドアを選択することができる。スイッチはセンターコンソールのリヤ側に設置されており、後席乗員の手が届く場所にある。専用のモーターによって左右独立で自動で後席ドアを閉めることができる。また、ドアを開ける際にも手で軽くドアを押すだけでモーターが作動し、パワーラッチ機構によって開けるのを優しくアシストしてくれる。

広い居住空間を実現したリヤシート。助手席の背中からフットレストが出ているのが確認できる。

EWBに標準装備されたインテリアランプは、リヤキャビンをほのかに照らしてくれる。車体中央部に向けて照射され、センターコンソール部の視認性を高めてくれる。また、ほのかな明かりはアンビエントライトとなり、後席のラグジュアリー感も演出してくれる。

新型ベンテイガ圧巻のパフォーマンス

ベンテイガEWBには、4.0リッター32バルブ デュアルツインスクロールターボチャージャーを備えたV8ガソリンエンジンが搭載されており、パワーと燃費性能共に申し分ない性能を誇る。最高出力550PS、最大トルク770Nmを発揮し、最高速度は290km/h。0-100km/hの加速はわずか4.6秒であり、そのパフォーマンスも超一流だ。トランスミッションは8速ATとなっている。

新型フライングスパーで初採用された、エレクトロニック・オールホイール・ステアリングは今回も標準装備されている。このシステムは高速走行時の安定性と市街地など狭い箇所での操縦性を向上させるシステムだ。高速走行時には、ステアリングを切ると前輪と同じ方向に後輪もわずかに操舵され、車線変更などの際に安定性をサポートしてくれる。また、低速走行時には、後輪は前輪と逆方向に操舵され、より小さな回転半径で旋回することが可能だ。このシステムによって、ホイールベースが長くなったベンテイガEWBでも、標準ホイールベースのベンテイガよりも回転半径が7%も小さい11.8mで旋回することができる。

ベンテイガEWBは2022年後半の発売が予定されており、ベントレーのベストセラーモデルとして大きな期待が寄せられている。今後の続報に期待しよう。

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