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ベースはヴィッツ! 四角い形が大きな魅力に 19年変わらぬコンセプト
プロボックスは2002年に登場した商用車だ。ベースとなったのは初代ヴィッツで、当時は新たなコンパクトカーのNBC(ニュー・ベーシック・コンパクト)プラットフォームを採用したモデルだ。その点で言えば、初代ヴィッツやファンカーゴ、初代bBの兄弟車となる。
その後、2014年には、大掛かりなマイナーチェンジが行われてプラットフォームも3代目ヴィッツの改良型となっているが、世代としては一世代目のままだという。
バンというモデルはこれまでセダン派生だった。そのため、バンの機能に実に特化できなかった面も少なくなかった。しかしプロボックスの最大の特徴はは、バンに特化したモデルとすることができた点にある。
当然その特徴は形に現れており、まるでダックスフントのような細長い形を見ることができるだろう。また、セダンベースだとスタイルの良さを狙いピラーを内側に傾け台形としたいところだが、プロボックスは荷室優先のまさに四角い形をしている。これが独特の働く形を形成した。ここにプロボックスの魅力が凝縮されている。
2002年を誕生年とするなら、もはや19年、基本コンセプトを変えずに生産し続けてきたのがプロボックスだ。全長4245mm、全幅1690mm、全高1525mmと、寸法は5ナンバーサイズのまま。車重はガソリン車1090kg-ハイブリッド1160kg程度と、現代にして思えば超軽量。立体駐車場だって入る。
搭載されるエンジンは直列4気筒、1.3ℓもしくは1.5ℓ、それか1.5ℓハイブリッド。そして価格が税込で、140万円から、ハイブリッドでも200万円。この価格範囲内にガソリン仕様の4WDモデルも含まれる。こうした基本パッケージが魅力的すぎる。
造形もこのコンセプトを見てくれば、その見方も変わってくる。割り切りの良い合理的な造形は、極めて潔く道具としての形に徹している。その形にはユーザーに対する思いやりを感じることができる。注目はリヤゲートの切り方だ、後方から見てもオープニングラインは見えず、サイドに回り込んで初めて確認することができる。つまり、後ろからは全幅分がすべてガバッと開く設計となっている。また、立ち上がったフロントピラー、そして周囲の全てのピラーも垂直に近く大きなウインドウを伴う。室内からの見えやすさも抜群で、最近では後方視界の悪い車も多いが、プロボックスではスカッと広い後方視界が確保されている。もちろん四角いから、ギリギリまで寄せやすいのもいい。また、ボンネットも下げすぎないために、先端もわかりやすい。
畳も運べる大きくフラットな荷室
室内に移れば、こちらはインパネを始めとして2014年のマイナーチェンジで大きく改変された。ノートPCや弁当も載せられる格納式トレイはさらに大きくなった。また1ℓの紙パックの飲み物もおくことができるトレイも設置されている。さらにA4ファイルを差し込んでおける場所も確保。運転席と助手席の間には、カバンも置くスペースすら設置された。
リヤシートは流石にやや薄い印象だが、シートバックを前倒しすることで、簡単に荷室拡大が可能。さらに格納方法にダブルホールディング式も採用され、座面を前に持ち上げてからシートバックを倒すことで完全にフラットな床面を作り出せる。さらに持ち上げた座面は外すこともでき、その場合は全長180cmx全幅90cmのコンパネ材や、畳も運ぶことができる。
最近の乗用車は、より魅力的な商品とするべく、形、快適性などそれ以外の部分もさらに力の入れられた開発がされる場合も多い。しかし、それが仇となって、価格が高くなったり重くなったり、狭くなったりということも起こりかねない。こうしてプロボックスを改めて見ると、ものを運ぶということに特化する中では、これほどシンプルでリーズナブルなものはないとも言える。
最近、プロボックスの人気がさらに高まっているというが、原点に立ち返ったものづくりが、様々なユーザーのハートを射抜いているのだと思う。ものを運びたいのならば、このプロ仕様の道具も一考の余地がある。
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