【実験】高すぎるガソリン代の節約に「1000円だけ給油」は有効なのか?

ガソリン代高騰が続く中、ガソリン代節約のために理論的には完璧な「1000円給油」のメリットとは?

政府による補助金の効果もあって、このところ落ち着いてきた印象もあるが、まだまだガソリンの市販価格は高止まりしている。円安が進行している為替事情を鑑みれば、ガソリンは高いものと認識して、対抗策を練る必要がある。そんな手段のひとつとして「1000円給油」メソッドをおすすめしたい。
TEXT:山本晋也(YAMAMOTO Shinya)

投資のテクニックをガソリン代の節約に応用

ご存知のようにガソリン価格には、そもそもの原油市場と為替市場それぞれの取引レートが関係している。特に、このところのガソリン価格上昇には1ドル130円という円安が大いに影響しているといえる。

さて、為替といえば外貨投資において『ドルコスト平均法』と呼ばれる定番手法がある。価格が変動する商品に対して「常に一定金額を、定期的」に購入する投資方法で、単純にいうと積立投資のように、毎月1万円分ずつ商品を購入し続けることで、トータルで投資期間における購入価格を平準化する手法だ。

例えば、日本円でドルに投資するケースの場合、1ドル100円のときは1万円で100ドルが購入できるが、1ドル130円では77ドル程になり、1ドル150円であれば66.5ドル程度になる(いずれも手数料などは無視)。

計算すると、この期間で購入したドルの平均為替は約123円(3万円で243.5ドルを買ったことになる)。円安がどんどん進んでいることを考えると、1ドル150円のときよりも価格を抑えて効果的に購入できていることがわかる。つまり購入価格を分散することで、投資効果の期待できる手法が「ドルコスト平均法」ということになる。

上記の条件で、逆に毎月100ドルを購入したとして計算することにすると、300ドル分の購入費用が3万8000円となり、購入期間の平均為替は1ドル126.6円になる。ドルコスト平均法を利用すれば、とくに考えることなく投資効果は高くなるわけだ。

『ドルコスト平均法』は価格が変動する商品に対して「常に一定金額を、定期的」に購入し、投資期間における購入価格を平準化する手法。

実際に「ドルコスト平均法」で給油してみた結果は…?

その応用として「1000円給油」というメソッドを考え、実行してみた。投資と消費はお金の流れとしては180度異なるものだが、為替に翻弄されているガソリン価格への対抗手段としては有効な可能性を見出したからだ。

つまり、1回の給油で1000円分だけを入れ続けるという方法だ。ガソリン代が安ければ1000円分で多めに給油できるし、高ければ少ししか給油できない。ドルコスト平均法が効果的な投資手法であるならば、1000円を基準に給油することでトータルでのコストを抑えることができると考えたからだ。

理論的には完璧なのだが、はたして…。その結果はどうなったのだろうか? 
偽りなしのリアルな数字に日付を添えてお伝えしよう。

【3/31】157円/ 6.37L
【4/14】155円 /6.45L
【4/23】150円 /6.67L
【5/1】151円 /6.62L
【5/8】151円 /6.62L
【5/14】151円 /6.62L

1000円ずつ計6回の給油をしているので、支払合計は6000円。

あわせて39.35Lを給油しているので、ガゾリン購入価格の平均は152.5円/Lとなった。

結果論でいえば、ガソリン価格の落ち着いたゴールデンウイークあたりに集中的に給油したほうがガソリン代を抑えることができたといえるかもしれないが、一番損をするパターンである、3月末〜4月中旬に満タンにしてしまいゴールデンウイーク明けに減ってきたところで給油するのに比べると、少しは節約できていると感じないだろうか。

まとめ:塵も積もれば山となる。手軽な節約方法として効果あり

毎週の価格変動情報を仕入れ、それをもとに給油タイミングを判断するというのもアリだが、変動する価格を読み切るのは難しい面もある。特に工夫することなく1000円分という条件を決めてこまめに給油するだけで、ランニングコストを抑えられる可能性が高まるのであれば、試してみる価値はあると思う。

もちろん、毎週の走行距離が多かったり、燃費がけっして良くはなかったりという話であれば1000円の給油では全然足りないというケースもあるだろう。その場合でも、2000円であったり5000円であったり、その週で使い切るくらいの量を目安に“定額給油”をすることで、同じようなコストメリットを得られるはずだ。

いずれにしても、満タンにするのではなく、支払額を一定にして給油を続けていくと、長い目で見たときには、わずかながらランニングコストを抑える効果が期待できる。しかも、特に頭を使ったり、工夫したりする必要はないのだから、明日からでも実行できるはずだ。

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