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広大な室内でアレンジ多彩 人車一体感ある走りも好印象
国内外を見てもあるようでない全 長4.5m級のリヤスイングドアをもつ輸入コンパクトミニバンが、フォルクスワーゲン・ゴルフトゥーラン。ベースはゴルフの完成度を一気に高めたMQBプラットフォームを採用した、最新の八代目よりドイツ 車ぽくゴルフらしい 七代目ゴルフ。ゆえに各種表示、インフォメーションが日本語表示になった世代のフォルクスワーゲンでもある。現在のモデルラインナップは1.5lターボの最高出力150ps、最大トルク25 .5kgmのスペックをもつ「TSI」系、そして2・0lディーゼ ルターボの最高出力150ps、最大トルク 34.7kgmを誇る「TDI系が揃う。駆動方式は、全車FFで ある。
エクステリア
ゴルフ7ベースということで、先進運転支援機能はゴルフ8ほど最先端ではないものの、それでも十二分な機能を備えている。3列シートのゴルフ7と言えるトゥーランの室内空間は広大。1列目席はミニバンらしい高めで爽快な視界、運転姿勢が好ましく、フラットフロアで足元がすっきりした2列目席の膝まわり空間は、身長172cm の筆者のドラポジ基準で240mmと 足が余裕で組めるほどゆったり。シートスライド量は200mmあり、2 /3列目席居住空間のアレンジは自由自在だ。
乗降性
3列目席にしても、2列目席を前方にスライドさせれば頭上、膝まわりともに緊急席以上の空間がある。 フロアからシート座面先端までの高さが335mmと十分にあるため、体育座り的にならず、自然な着座姿勢になるのが美点であり、ゆったりとしたスペースをつくり出している。 2列目席のワンタッチ操作で可能な3列目席イージーアクセス機能によって乗降性もまずまずである。
インストルメントパネル
しかし、トゥーランのパッケージングで最大の特徴は、シートアレンジ性と言えるだろう。ラゲッジスペ ースは3列目席使用時では最小限だが、2/3列目席は低くほぼフラットに格納できるため大きく拡大できるのだ。奥行きは3列目席格納時でゴルフヴァリアントに迫る990mm、 2列目席まで格納すれば大人が真っ直ぐに寝られる1940mmに達する。 天井高が890mmもあるため、車内をお座敷感覚で使うことも可能になるのだ。
居住性
そんなトゥーランは、走らせても素晴らしい。ドイツ車、そしてゴルフらしい重厚かつ上質な、荒れた路面でさえ心地良くいなすストローク感あるしなやかな乗り心地、ミニバ ンにして人車一体感あるリニアで安心感に満ちた操縦性、意のままの曲がりやすさを備え、シートの極上の掛け心地の良さ(1/2列目席)もあって、長時間の運転、乗車でも快 適そのもの。重心の高いミニバンで あることを忘れさせるドライブフィールが味わえる。
うれしい装備
月間登録台数 211台(21年6月〜11月平均値) 現行型発表 16年1月(一部改良21年4月) WLTCモード燃費 16.3km/l ※「TDI」系
ラゲッジルーム
動力性能に関しては、さすがにゴ ルフ7のヴァリアント比で180kg 程度重いため、ゴルフ7のハッチバ ック、ヴァリアントで十分だったエコモードでの加速力はかなり穏やか。 だが、ノーマルモード以上ならゴルフらしいトルキーで爽快な走り、加速力が手に入る。いずれゴルフ8ベースに進化するはずだが、商品力は今も依然として高い。
※本稿は、モーターファン別冊ニューモデル速報統括シリーズVol.139「最新ミニバンのすべて」の再録です。掲載データは作成時点での参考情報です。