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ピュアな走りが楽しめるオランダの「ヴェンサー・サルテ」
ロバート・コベン氏が2010年にオランダのフリーゼンフェーンで設立したヴェンサー。その最初のモデルとなる「サルテ」は2013年に初公開された。
ル・マン24時間レースに出場した1980年代のレーシングカーからインスピレーションを得て開発されたことから「サルテ」と命名。そのエクステリアデザインは、インターネットのコミュニティでデザインコンテストを開催し、その応募作のアイデアを採用したというからユニークだ。
2014年9月に発表された量産モデルは、全長×全幅×全高が4515×1984×1190mm、ホイールベースが2791mmと、ミッドシップスーパースポーツらしいプロポーションを備えながらガラスエリアは大きく、インテリアもミニマルなデザインとされたことで、視界が広く運転に集中しやすい環境が整えられている。
なお、巨大なリヤスポイラーは電動の自動調整式だが、その他の電子制御デバイスはABSとEBDのみ。パワーステアリングは油圧式で、アナログかつピュアな運転感覚に強くこだわった構成となっている。
ボディは外板をCFRP製、骨格およびリヤサブフレームをクロームモリブデン製、フロアをハニカム構造のアルミ製として軽量化。630ps/6500rpmと838Nm/4000rpmを発するGM製スーパーチャージャー付き6.3L V8エンジンとトランスアクスル式の6速MT、LSDをミッドシップし、0-100km/h加速3.6秒、最高速度338km/hを達成しながら、車重1390kgと45:55の良好な前後重量配分を実現している。
約3億4000万円!ドバイの800psハイパーカー「Wモーターズ・ライカンハイパースポーツ」
Wモーターズはイギリスのデザイン学校を卒業したラルフ・R・デバス氏らによって、中東初のスーパーカーメーカーとして2012年にレバノンの首都ベイルートに誕生。翌2013年初頭にはドバイに移転して、本格的に活動を開始した。
最初の製品となった「ライカンハイパースポーツ」は、2013年1月のカタールモーターショーで世界初公開。780ps/7100rpmと960Nm/4000rpmを発するルーフ製3.8L水平対向6気筒ツインターボエンジンと7速DCTをカーボンコンポジット製ボディのミッドに搭載し後輪のみ駆動、0-100km/h加速2.8秒と最高速度395km/hを叩き出すこのハイパーカーは、わずか7台のみが生産された。販売価格は340万ドル(日本円で約3億4000万円!)という世界でもトップクラスの価格だった。
2015年11月にはその進化版といえる第2のモデル、「フェニアスーパースポーツ」を発表。3.8Lボクサー6は800ps/7100rpmと980Nm/4000rpmへとパワー・トルクともアップし、最高速度は400km/hの大台に届いている。こちらの生産台数は110台と、「ライカンハイパースポーツ」よりは大幅に増え、価格も150万ドル(日本円で約1億6600万円)とリーズナブルになっものの、希少価値の高いハイパーカーであることに変わりはないだろう。
※日本円の価格は発売当時の為替レートで算出。