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日産グローバル本社ギャラリーを訪れてみると、まだあまり見る機会のない、ブラック、ホワイトの二台が展示されていた。ミッドナイトブラックの「バージョンST 6MT」と、プリズムホワイトの「ベースグレード 9AT」である。MTとAT、一番上と一番下、黒と白とそれぞれ対照的かつ印象的で、ファンの気持ちを分かった陳列に感謝! ボディカラーによって全く違うクルマに観えるほど表情を変える新型Zのエクステリアデザインが、強く印象に残った。
黒いZは大人の雰囲気
ショールームでまず目を引いたのは黒、ミッドナイトブラックの、バージョンST 6MTの車両。車両がグッと引き締まって、コンパクトに観える。またちょっと迫力というか凄みもあって「カッコイイ!」と感じた。会場のZの周りは、たくさんの人集り。「わあ、黒いいなあ」「黒が意外に格好いい!」と言った声が、来場者の中で飛び交っていた。
黒いボディカラーは『大人の雰囲気』が漂う。やや大げさなディテールは影を潜め、コンパクトで塊感のあるスポーツカーに観える。まず、黒だとブロントグリルの四角い形状が目立たず、一体化して見える。ヘッドライトもブラックベゼルのため、フェンダーの一部のようになり、ライトの光だけが際立ち、ちょっと野生の動物のように生命感があってなかなか良い。フロントの「NISSAN」エンブレムがシルバーのため、黒だと強調されてフロント部がコンパクトに絞り込まれて見える。
サイドビューはハイライトが綺麗に際立ち、ボディが薄く観える。レイズ製19インチアルミホイールと赤い4POTキャリパーも実に似合っている。リヤは派手なディフューザーは強調されず、一体化して見えるため、大人な雰囲気だ。全車ブラックアウトされたテールランプ周り、モノトーンのリヤゲートも全てブラックで統一され、かなりの迫力だ。エンブレムは「Fairlady」のみ黒文字なので、シルバーの「Z」の文字だけが強調されて、これもカッコイイ! 新型Zでちょっと気になっていたネガの部分、大きな給油口の切り欠きやリヤゲートの隙間など気にならなくなるのもポイントが高い。
白いZは柔らかな雰囲気
ショールームで多くの女性達が「素敵!」と言葉を漏らしながらずっと眺めていたのは白いフェアレディZ。プリズムホワイト/スーパーブラック2トーンのベースグレード 9ATのボディカラーは、ホワイトパールの色調が柔らかく、ボディの曲面に沿って光り方が変化する。その美しさに思わず見惚れてしまう。特にZのエンブレム輝くリヤピラーから、リヤフェンダー部への局面は素敵だ。自分を引き立てる衣装のような存在として、Zに乗る自分の姿を想像してしまう。
フロント部はブラックベゼルのヘッドライトと、四角いグリルが強調される一方、Aピラー、ルーフ、ミラーが黒いのでロー&ワイドが強調されている。ボンネットのプレスラインによる陰影もはっきりでていて、シャープに観えるのは意外だった。
サイドビューは観る高さによって、様々な表情に変化する。ブラックベゼルによってノーズとボンネットはとても低く見える。ウインカーがなく、ドアハンドルも目立たないため、フロントフェンダーからドアまでの面が実に美しい。シルバーの18インチホイールとキャリパーも控えめで、これはこれでイイ!ホイールアーチの下端はタイヤを包み込むように拘ってデザインして生産効率よりも美しさを追求している。
リヤは大きなブラックルーフとの2トーンとディフューザー、ブラックアウトされたテールランプ周りによって薄く、ロー&ワイドのフォルム。この刀をモチーフとしたシルバーラインからのデザインは新型アリアを彷彿とさせる新しい日産のデザインだ。美しいリヤフェンダーの膨らみ際立つ。ベースグレードはリヤスポイラーがないため、リヤゲートの美しさがよくわかる。またここに斜めに入る「Fairlady Z」のエンブレムはS30を彷彿とさせる演出で実に魅力的だ。
イエロー、ブルーなら、パーティードレスのように華やかでスポーティで、若いオーナーにも似合う。それもいいが、大人の雰囲気が漂う黒と白の実車も素敵だった。新型フェアレディZは、それぞれのオーナーの好みによって、まるで衣装のコーディネートを楽しむようにボディカラーとグレード、あるいはその後のアフターパーツなどで『自分だけのZ』に仕上げて楽しめると確信した。新型フェアレディZ(RZ34)はボディカラーとグレード選択によって、『全く違うクルマ』に見える魅惑的なデザインのクルマだ。他のボディカラーの実車もすべて見てみたくなった!