目次
まずは、価格とサイズ
価格とサイズの話をする前に、セールスの話をしておこう。新型アコードとその宿命のライバルになる、トヨタ・カムリの主戦場はアメリカである。両モデルともアメリカで長年高い人気を誇っている。いわば、ピックアップトラックと並んでアメリカ人の「下駄がわり」のクルマを言っていい。SUV人気に押されてセダンは販売台数を落としてはいるが、
それでも2019年に
アコード:26.8万台
カムリ:33.7万台
ものセールスをマークしている。
コロナ禍で販売台数が落ち込んだ2020年は
アコード:19.9万台
カムリ:29.4万台
2021年上半期は
アコード:11.5万台
カムリ:17.8万台
21世紀に入ってからはカムリやや優勢の状況が現在まで続いている。
さて、価格だ。新型アコードは、2モーターハイブリッド(i-MMD)を搭載する「EX」グレードのみだ。価格は税込465万円。FFのみの設定だ。
対するカムリもハイブリッド(THSⅡ)で348万6000円から。こちらは4WDモデルも選べる。アコードEXにあたるのはカムリのFF、WSレザーパッケージで447万4000円ということになろう。
ホンダがアコードに課した月間目標販売数は、わずか300台。対するカムリが2400台ということを考えると、ちょっと「弱気すぎ」にも思えるが、セダン人気が低い国内事情を考えた商品戦略なのだろう。
ボディサイズは、ほぼ同じ。
ホンダ・アコード
ボディサイズは、アコード、カムリとも「ほぼ同じ」と思っていい。
ホンダ・アコード
全長×全幅×全高:4900mm×1860mm×1450mm
ホイールベース:2830mm
トヨタ・カムリ
全長×全幅×全高:4910mm×1840mm×1445mm
ホイールベース:2825mm
だから、いつもなら重ね合わせるところだが、重ね合わせるとあまりにも同サイズでわからなくなってしまう。
ホンダ・アコード
トヨタ・カムリ
室内は
ホンダ・アコード
室内寸法:長2070mm/幅1585mm/高1155mm
トヨタ・カムリ
室内寸法:長2030mm/幅1535mm/高1185mm
で、高さ方向以外は、アコードの方が広そうだ。
最小回転半径は
ホンダ・アコード:5.7m
トヨタ・カムリ:5.9m(WS”レザーパッケージ”2WD)
で、ともにあまり小回りが効くとはいえないが、それでもアコードの方が取り回し性はいい。
ともに、独自のハイブリッドシステム、それも世界トップレベルのフルハイブリッドシステムを搭載する両モデル。燃費性能はどちらが優れているのだろう?
その前に、新型アコードとMAZDA6のサイズ比較もしておこう。
MAZDA6
MAZDA6と新型アコードのホイールベースは、2830mmで同一。全長はアコードが35mm長く、全幅が20mm広く、全高は同じだ。どちらも充分に大きい。
ちなみに、MAZDA6の室内は長1960mm×幅1550mm×高1170mmである。アコードの室内の広さがここでもわかる。
燃費のいいのは、どちらか?
新型アコードは、ホンダ独自の2モーターハイブリッド、i-MMDを使う。
アコードのモード燃費は
WLTCモード燃費:22.8km/ℓ
市街地モード 21.2km/ℓ
郊外モード 24.4km/ℓ
高速道路モード 22.6km/ℓ
である。
対するカムリはどうだろう?
モード燃費でTHSⅡに敵うシステムはない、と言っても過言ではないほど精緻可憐な制御で優れた燃費性能を叩き出すトヨタのハイブリッド。カムリも例外ではない。
カムリの燃費は
WLTCモード燃費:24.3km/ℓ
市街地モード 20.1km/ℓ
郊外モード 27.2km/ℓ
高速道路モード 24.7km/ℓ
がカタログ燃費である。
どちらも全長4.9m級のセダンとしてはかなりいい燃費性能をもっている。i-MMD(2モーターハイブリッド)を使うアコードにとってはほぼモーター駆動となる市街地モードは21.2km/ℓでカムリの20.1km/ℓを上回るが、それ以外のモードはカムリに軍配が上がる。
とはいえ、アコードもカムリもボディサイズが大きすぎるというあなたに
アコード、カムリともにすぐれたEセグ4ドアセダンであるということに異論を挟む人は少ないだろう。とはいえ、日本の道路事情(というより住宅・駐車場事情か)では全長4.9mはやや大きい、と思う人もいるだろう。
ここでは、アコードとインサイトの同門比較も最後に付け加えておこう。
サイズの前に価格を。インサイトなら上級のEXグレードでも356万4000円だ。サイズも小さいが、価格もアコードより110万円も安いのである。
アコードのボディサイズが
全長×全幅×全高:4900mm×1860mm×1450mm
ホイールベース:2830mm
なのに対して
インサイトは
全長×全幅×全高:4675mm×1820mm×1410mm
ホイールベース:2700mm
である。これでも、充分な大きさだと言える。室内寸法は
室内寸法:長1925mm/幅1535mm/高1160mm
で、最小回転半径:5.3mとなる。
ホンダ・アコードEX 465万円
全長×全幅×全高:4900mm×1860mm×1450mm
ホイールベース:2830mm
車両重量:1560kg
室内寸法:長2070mm/幅1585mm/高1155mm
最小回転半径:5.7m
サスペンション:Fマクファーソン式/Rマルチリンク式
パワートレーン
2.0ℓ直4DOHC+iMMD(ハイブリッド)
エンジン型式:LFB
排気量:1993cc
ボア×ストローク:81.0mm×96.7mm
圧縮比:13.5
最高出力:145ps(107kW)/6200rpm
最大トルク:175Nm/3500rpm
燃料タンク:48ℓ
モーター:H4型交流同期モーター
最高出力:184ps(135kW)
最大トルク:315Nm
JC08モード燃費:30.0km/ℓ
WLTCモード燃費:22.8km/ℓ
市街地モード 21.2km/ℓ
郊外モード 24.4km/ℓ
高速道路モード 22.6km/ℓ
トヨタ・カムリWSレザーパッケージ2WD 447万4000円
全長×全幅×全高:4910mm×1840mm×1445mm
ホイールベース:2825mm
車両重量:1600kg
室内寸法:長2030mm/幅1535mm/高1185mm
最小回転半径:5.9m
サスペンション:Fマクファーソンストラット式/Rダブルウィッシュボーン式
パワートレーン
2.5ℓ直4DOHC+THSⅡ(ハイブリッド)
エンジン型式:A25A-FXS
排気量:2487cc
ボア×ストローク:87.5mm×103.4mm
圧縮比:14.0
最高出力:178ps(131kW)/5700rpm
最大トルク:221Nm/3600-5200rpm
燃料タンク:50ℓ
モーター:3NM型交流同期モーター
最高出力:120ps(88kW)
最大トルク:202Nm
WLTCモード燃費:24.3km/ℓ
市街地モード 20.1km/ℓ
郊外モード 27.2km/ℓ
高速道路モード 24.7km/ℓ
ホンダ・インサイトEX 356万4000円
全長×全幅×全高:4675mm×1820mm×1410mm
ホイールベース:2700mm
車両重量:1390kg
室内寸法:長1925mm/幅1535mm/高1160mm
最小回転半径:5.3m
サスペンション:Fマクファーソン式/Rマルチリンク式
パワートレーン
1.5ℓ直4DOHC+i-MMD(ハイブリッド)
エンジン型式:LEB
排気量:1496cc
ボア×ストローク:73.0mm×89.4mm
圧縮比:13.5
最高出力:109ps(80kW)/6000rpm
最大トルク:134Nm/5000rpm
燃料タンク:40ℓ
モーター:H4型交流同期モーター
最高出力:131ps(96kW)
最大トルク:267Nm
JC08モード燃費:31.4km/ℓ
WLTCモード燃費:25.6km/ℓ
市街地モード 22.8km/ℓ
郊外モード 27.1km/ℓ
高速道路モード 26.2km/ℓ