ジムニーの四角く個性的でオリジナルなスタイリングは、他のクルマと並べるといっそう際立つ!【ジムニーオーナーレポート:Vol.9】

発売直後の納車だったこともあり、筆者の新型ジムニーは、どこに行っても注目の的だった。クルマに詳しくない人からの視線もたくさん感じるのはなぜなのか。それはひとえにスタイリングの魔力に違いない! 街中で出会った色んなクルマとジムニーを並べてみると、ジムニーのカタチの特異性が見えてきた。
REPORT:出来利弘(DEKI Toshihiro)

個性溢れるデザインはあらゆる人を惹きつける

新型ジムニーは街中で圧倒的な存在感だ。軽自動車とは思えないプロポーションと質感はいいもの感に溢れており、もはや軽自動車の域を大きく超えている。

新型ジムニー 「XC」 5MTが無事に納車され、道行く人が振り返る不思議な経験をさせてもらった。単にクルマに詳しい人がジムニーを知っているというだけでなく、「あ、格好いい!」とどう考えてもジムニーを知らなそうな小さな子供や老若男女問わず、みんな思わず目を奪われているようで、その存在感溢れるデザインが要因であるのは間違いないようだ。

スズキアルトと新型ジムニーを並べてみた。フロントウインドウの傾斜角、タイヤ径、車高の違いなどがわかる。

気付いてみれば、周りは丸いクルマばかりになった。うねったラインに鋭い目つきのヘッドライトと巨大なグリル、フロントウインドウは強く傾斜しているのがトレンドだ。タイヤは40偏平くらいの薄いタイヤに大径ホイール。新型ジムニーの見た目はそれらと真逆だ。

グッと絞り込まれたデザインのコンパクトカー、日産ノートと並べても堂々とした風貌の新型ジムニー。フロントウインドウの傾斜角の差、ホイール径の差が大きい。

四角いボディは直線的なラインで丸いヘッドライト、小さな5スロットルグリル、フロントウィンドウは垂直に近く立っている。タイヤは80偏平の分厚いタイヤだ。最近の新型車としては珍しいデザイン、佇まいが、都会の中でも一際光って見えるようだ。車を知らない人にすら、「なんか凄そう」とか「本物感」を感じさせるデザインは本当に秀逸だ。しかも「手頃な価格の新車で買える」ということで発売から4年経過してもずっと1年以上の納期待ちとなっているのだろう。

RCOJロードスター展に行き、ライトウェイトスポーツカーであるマツダロードスターに挟まれるが、新型ジムニーの存在感は揺るがない。

街乗りで活躍しているアルトやノートと並ぶ機会があったので写真を撮らせていただいた。同じ街での足として買い物やちょっとした用事で使用しても、新型ジムニーは乗り降りもしやすく、小回りも効いて、意外になかなか使い勝手が良かった。Aピラーが立っていると視界も良いし、紫外線で手や顔がジリジリ焼けることも少なく、快適なのだ。分厚いタイヤは乗り心地も柔らかいし、ホイールを擦らないか、心配しなくて良いだけでも気が楽だ。

マツダロードスター(ND)1500ccの抑揚ある曲面のデザインと新型ジムニーの四角い箱のデザインの違いが面白い。ヘッドライトの目つきと位置がかなり違う!


実際に街で乗ってみると筆者が長年愛用してきたマツダロードスターにも通じるダイレクト感あるライトウェイトスポーツカーのような走りの味も持っている。それもそのはず、ジムニーの前後重量配分は50:50に近く、車重も1トン近く、エンジンは縦置き、しかも街中ではFRでドライブしているのだ。走りが似てくるのも当然か。もっと走り込んで色々確認したいと感じた。

マツダロードスター(NC)2000ccの2台はオーバーフェンダー風のオーバルデザイン。それと並んでも堂々と見えるのはやはりデザインが四角いからか、車高があるからなのか。

ジムニーのような本格的クロスカントリーモデルでこのサイズのクルマは存在せず、孤高の存在だが街乗りのしやすさに着目してレポートしていきたい。

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著者プロフィール

出来利弘 近影

出来利弘

1969年千葉県出身だが、5歳から19歳まで大阪府で育つ。現在は神奈川県横浜市在住。自動車雑誌出版社でアル…