ホンダ・ヴェゼルe:HEV 長期レポート | 酷暑のなか、リモート操作でエアコンをコントロールできる「HONDAリモート操作」

新型ホンダ・ヴェゼル購入記 HONDA CONNECTのリモート操作アプリが予想以上に便利!デジタルキーは?

筆者が購入したホンダ・ヴェゼル。炎天下の車内はかなり高温になり厳しい。
新型ヴェゼルが納車されたのは、6月10日。緊急事態宣言もあって、まだ遠出する機会があまりない。今回はHONDA CONNECTディスプレー用のHONDA TOTAL CAREプレミアムのリモート操作アプリが予想以上に便利だったことを紹介したい。
TEXT & PHOTO◎山上博也(YAMAGAMI Hiroya)

リモート操作がことのほか便利だった

6月10日に待望の新型ヴェゼルが納車されたのだが、緊急事態宣言が続いていることもありなかなか遠出をする機会がなく走行性能についてはまだ語れるほど、残念ながら乗れていなのが実情だ。その部分は追って随時紹介してゆきたいと思う。

新型ヴェゼルを購入あたり筆者は、最新のものに触れたくてメーカーオプション装着のHONDA CONNECTナビを選択した。ちなみに、HONDA CONNECTのこのあと紹介する機能はメーカーオプションだけでなく、ディーラーオプションのギャザズのインターナビでも使える。インターナビには、スマートフォンとの連携アプリ「HONDA TOTAL CARE」が用意されている。筆者が所有していた2016年式旧型ヴェゼルのインターナビでもアプリは使用できていたが、HONDA CONNECTとなったことで「HONDA TOTAL CAREプレミアム」となり「リモート操作」が加わった。

今回はこのリモート操作がことのほか便利だったので報告したい。

サンシェードはしないよりはした方が良いが温度上昇は防げない。

リモート操作は「HONDA TOTAL CARE」アプリとは別に「HONDAリモート操作」アプリが必要となる。このリモート操作を使うにあたって「HONDA TOTAL CAREプレミアム」の基本パック(月額550円)の加入が必要となる。ただ初回申し込みから嬉しいことに1年間はお試し?で無料で使える。リモート操作にはいくつか機能がある。「エアコンの操作」「し忘れ通知・操作」「クルマを探す」に加え新型ヴェゼルでは「デジタルキー」が使えるようになっている。

このなかでエアコン操作が非常に役に立っている。今年の夏も猛暑続きだ。筆者のヴェゼルの置き場は家の横の屋根のない青空駐車場だ。幸いなことに角地なので朝から夕方まで日当たり良好である。当然、想像されるとおり車内はかなりの高温となってしまう。一応駐車時にはフロントウィンドウにサンシェードを必ず施してはいるが焼け石に水だ。以前だとこの高温状態の車に乗り込みエアコン全開で走り出すことになるのだが、車全体がエアコンにより冷えてきても一度熱くなったシートの背中部分は冷風があたらず自分の体温と相まって温かいまま、背中は汗をかいて気持ち悪いことこの上ない。

「HONDA TOTAL CAREプレミアム」スタートガイドです(頂いたのははFIT用ですが….)。
HONDA TOTAL CAREアプリの新旧ヴェゼルの画面。

それがこのリモート操作アプリでエアコンを「涼しい」でONにすれば解決、数分後には冷えた状態になったクルマに乗り込めるのだ。エアコンの作動時間は10分間となっており、後何分で切れますとお知らせしてくれるのはありがたい。筆者の経験では、35度位の気温の日でも5分強あれば車内もシートもしっかり冷えてくれていた。

HONDAアプリのアイコンとHONDA TOTAL CAREのスタート画面。

北国育ちの筆者(北海道出身)にとって、リモコンエンジンスターターは馴染みがないわけではないが、あらかじめエアコンを希望温度で設定しておいたりする必要もあるし(最新の商品の仕様は違っているかも…)、そもそも電気系統に後付けしなければいけないものなのでトラブルを考えるとちょっと敷居が高い。その点、このリモート操作はホンダのお墨付きだから安心だ。このリモート操作は、Bluetoothでのアクセスとなり、メーカーの説明だと30m以内となっている。かなり離れた場所から操作できるカー用品店等で手に入るリモコンスターターとは違い、クルマが目視できるような範囲でしか操作できないのでそこまでは期待しないでほしい。メーカーとしてはセキュリティや環境のことを考えて操作できる範囲をその程度に収めているのだと思われる。筆者としてはその範囲で充分役立っているので問題はない。

リモートでのエアコン操作の画面。
エアコンが稼働中でも操作パネルには状況の表示は何もされない。

このリモートでのエアコン操作は、細かい温度設定はできず、「涼しい・標準・暖かい」の3パターンしかない。どのような温度設定や制御になっているのかは不明である。この夏場に使用した感じだと、車内が高温の時、温度は20度以下で送風の強さのレベルは真ん中よりは上のように思われる。なぜ思われると疑問形になるのかは、このリモートでのエアコン操作中は、クルマ側の表示が一切ないからだ。メーターパネルにエンジン始動についての表示が出ているだけで、エアコン操作パネル自体は何も表示がない真っ黒なままである。デフロスターの吹き出し口の位置もエンジンを切った時に準じるのかと幾つかパターンを変えてエンジンを切ってリモート操作でエアコンをONにして試してみたが、いずれもインパネ正面の通常の吹き出し口からしか送風はされなかった。

メーターに運転開始の手順の表示だけが示される。
前回停止時のモードはリモートには反映されない。
エアコンのリモート操作では「そよかぜアウトレット」は使用しない方が効率がいいようだ。

雪国などでは、フロントウィンドウの雪や氷を溶かすことが必要なので切り替わるかと思い、試しに「暖かい」でONにしてみたが、やはり送風口は変わらなかった。ただこの時、室内はそこそこ温度も高かったので、冷風が出てきてしまった。これは正確な情報とは言えない。冬になったらもう一度検証したと思う。エアコンのリモート操作、どういう制御になっているのかはわからないが、使えることは確かである。

新型ヴェゼルで初採用となった「そよかぜアウトレット」、直接風があたると身体が結構疲れるもので、これを使ってみるとその心地よさが実感でき良いアイデアだと思う。ただこの吹き出し口のダイヤルを「そよかぜアウトレット」側にしたままリモート操作でエアコンを入れるとシートに直接冷風があたらなくなるので若干ではあるが冷えが悪かったことは報告しておこう(次に乗ることを考えて吹き出し口を変更しておく人はなかなかいないだろうが)。

「デジタルキー」は使えるか? 試してみた

このリモート操作の売りのひとつ「デジタルキー」である。筆者は、一度大変な経験?をしたのでそのあと使っていない。これは筆者が悪いのでホンダに責任がないのだが、次のようなことが起きた。

せっかくの機能だから使ってみようとiPhoneを持ってアプリで開錠しクルマに乗り込みメーターに表示されるPINコードを入れスタートボタンを押し始動は完了、ここまではすんなり問題なくできたのだが、筆者のイレギュラーな使い方でコトは起きた。

「ほうほう、こんな感じなのね」ともう一度やってみようと車に乗ったままエンジンを切り、中からドアのロックをかけた。そして中からドアを開けようとしたとたん、けたたましくイモビライザーのアラート音が鳴り響いたのである。直ぐに鳴りやむだろうと最初は「こんな音なんだ」とのんきに思っていたが、いっこうに鳴りやむ気配がない。スタートボタンを押せばおさまるかと押してはみたが変わらず、メーターには「スマートキー(通常のキー)をかざしてください」(だったと思う)とアラート表示が出るのみ。だいたいキーを使わずにスマホで始動できるっていうからキーなど家に置いたままで持ってきていない。仕方なくアラート音が鳴り響くヴェゼルを残したまま急いで家にキーを取りに戻りなんとか音を鎮めた。

システムは2カ月毎の更新が必要、期日が来るとこのような画面で知らせてくれる。

こんなおバカなことをする人はいないだろうが、「普通のキー持ってないと結局ダメじゃん」ということでその後デジタルキーを使うことはない。でもキーを落とした時などは役に立ちそうではある。

ちなみにこのシステムは2カ月に一度更新が必要になる。出がけに使おうしたら写真のようなお知らせが…。急いでいるときに再設定は面倒なので前日にお知らせメールが来るとストレスなく使えるようになるでは……。

キーワードで検索する

著者プロフィール

山上博也 近影

山上博也

フォトグラファー。札幌市出身。株式会社ヴュー代表でWEB・DTPデザイナーだったりもする。
幼少より好き…