トヨタ・カローラクロスこそ、CセグSUVの大本命になり得るクルマだ

本命・王道のトヨタ・カローラクロス アメリカデビューの次は日本登場が必然の理由

タイ、東南アジアに続いて北米にも投入されるカローラクロス。カローラクロスとはどんなモデルか? 北米に続いて日本にも導入されるのか? トヨタのSUVラインアップを俯瞰してみると、「日本導入は当然」なことが見えてくる。

世界的なSUV/クロスオーバー人気は衰えを見せていない。これは一過性のブームではなく、すでに「現代のスタンダードなクルマのカタチ」がSUV/クロスオーバーになったと言っても良さそうだ。

トヨタは、他メーカーが羨むようなSUV/クロスオーバーのラインアップを持っている。すでに、日本でもトヨタで7モデル、レクサスで4モデルが販売されている。
全長の短い順に
■トヨタ
ライズ<ヤリスクロス<C-HR<RAV4<ハリアー<ランドクルーザープラド<ランドクルーザー
■レクサス
UX<NX<RX<LX
である。

もうこれ以上、入る隙間がないほどだ。
だが、ここのもう1モデルが加わりそうだ。

まずは、アメリカ市場を見てみよう。

上の図はトヨタが北米で販売しているSUVである。レクサス・ブランドは除いてある。

いくつか線を引いてあるが、これはこういう意味である。

青い楕円の部分がぽっかり空いている。

トヨタは数多くのSUVを持っているが、もっとも小さいC-HRの次はRAV4になってしまうのだ。ご存知のとおり、C-HRは低い全高とスタイリッシュなデザインが人気の、いわゆる「クーペSUV」の代表選手だ。

図で青い楕円に示した領域がぽっかり空いている。全長4400mm台の領域だ。
ここに入るのはどんなクルマか?

マツダCX-5 全長×全幅×全高:4545mm×1840mm×1690mm ホイールベース:2700mm

たとえば
マツダCX-5
全長×全幅×全高:4545mm×1840mm×1690mm ホイールベース:2700mm

メルセデス・ベンツGLA
全長×全幅×全高:4415mm×1835mm×1620mm ホイールベース:2730mm

といったクルマである。

そして、このクラスに入るのが、北米デビューを飾ったカローラクロスなのだ。

トヨタ・カローラクロス
全長×全幅×全高:4460mm×1825mm×1620mm
ホイールベース:2640mm
パワートレーン:1.8ℓ直4+CVT
1.8ℓ直4+THSⅡ
2.0ℓ直4+CVT(北米)
プラットフォーム:TNGA GA-C

というのが、カローラクロスのアウトラインだ。まさにCセグ王道SUVのボディサイズである。

トヨタ・カローラクロス 全長×全幅×全高:4460mm×1825mm×1620mm ホイールベース:2640mm
2.0ℓ直4DOHC 排気量:1987cc ボア×ストローク:80.5mm×97.6mm 圧縮比:13.0 最高出力:171/6600rpm 最大トルク:203Nm/4400-4800rpm 燃料供給:DI+PFI(D-4S) 燃料:87オクタン トランスミッション:CVT(Direct Shift-CVT)

もう少しスペックを詳しく見てみると北米仕様は

搭載エンジン
2.0ℓ直4DOHC
排気量:1987cc
ボア×ストローク:80.5mm×97.6mm
圧縮比:13.0
最高出力:171/6600rpm
最大トルク:203Nm/4400-4800rpm
燃料供給:DI+PFI(D-4S)
燃料:87オクタン
トランスミッション:CVT(Direct Shift-CVT)
ギヤ比:2.236-0.447
駆動方式:FF/4WD(All-Wheel Drive with Dynamic Torque Control

サスペンション:Fマクファーソンストラット式/Rトーションビーム式

となっている。先に登場した東南アジア仕様は1.8ℓ直4+CVT/1.8ℓ直4+THSⅡの2種類のパワートレーンを設定しているが、北米では、2.0ℓ直4+CVTでデビューするようだ。

ここのカローラクロスが入ると、ラインアップが完成する

日本導入は必然

では、次に日本市場の様子を眺めてみよう。

日本市場では、大型クラスを販売しない代わりにAセグのライズ、Bセグのヤリスクロスがラインアップに加わる。ここにも空いている領域が見える。

ボディサイズを書き入れてみた。
C-HRが全高1550mmであることもあるが、やはり全長4400mm台が空いている。

ここにピッタリ入るのがカローラクロスなのだ。
TNGA GA-Cプラットフォームを使い、アメリカ・アラバマ州ハンツビルにトヨタとマツダが建設した新工場MTMUS、そしてタイ、日本国内の工場で生産する世界戦略車となるはずだ。東南アジア、北米ときて、次は日本デビューを飾るはず。そしてそのあとは欧州にも投入されると予想する。

当てはめてみれば、どうしてここにトヨタのSUVがなかったんだろう?と思うほど、カローラクロスは、使い勝手良くてジャストサイズのSUVになる。

カローラのブランド価値の向上もカローラクロスが担う役割だろう。カローラ、カローラスポーツ、カローラワゴン、カローラクロス。すべてのモデルがTNGA GA-Cプラットフォームでグローバル生産される。

カローラクロスは日本で、そして北米でもCセグSUVの本命モデルになり得ると予想する。価格はいくらになるか? 日本登場が本当に待ち遠しいクルマである。

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著者プロフィール

鈴木慎一 近影

鈴木慎一

Motor-Fan.jp 統括編集長神奈川県横須賀市出身 早稲田大学法学部卒業後、出版社に入社。…