車中泊にぜひ活用したい、ハイルーフ車の圧倒的な広さ「スズキ・エブリイワゴン」【最新軽自動車 車種別解説】

ワンボックスタイプでは唯一の乗用ワゴンとなる「スズキ・エブリイワゴン」。ライバルのバンタイプよりも後席の配置に自由度が高く、その快適性は断然高い。積載性に勝るハイルーフ車の後席は左右独立のスライド機能とリクライニング機能も備わり、3〜4人で乗車がベースのユーザーにとっては快適さと積載性が両立されているクルマと言えるだろう。
REPORT:岡島裕二(本文)/小林秀雄(写真解説) PHOTO:平野 陽 

多彩に使える後席レイアウト 力強い走りでカーブでも安心

エブリイワゴンは商用バンをベースにしたワンボックス軽ワゴン。かつては各メーカーから同じようなバンをベースとしたワゴンが販売されていたが、現在はライバルのアトレーがバンになってしまったので、唯一の軽ワンボックスワゴンとなった。 バンの方が税金が安いなどのメリットもあるが、後席の居住性を重視するならワゴンの方が良い。

エクステリア

「PZターボ」系はハイルーフと標準ルーフを選択することが可能。ディスチャージヘッドランプや14インチアルミホイールなど、装備類も「JPターボ」より充実している。最小回転半径は4.5m。

バンは前席から後方の室内の半分以上を荷室としなければならないため、後席を後方に配置することができないが、エブリイワゴンには180mmものシートスライドとリクライニング機構が装備されているから、断然後席の居住性が良いのだ。

インストルメントパネル

前席左右のウォークスルーが可能で、便利な収納類を豊富に備えるインパネ。2021年9月の一部仕様変更でUSB電源二基とMR車の運転席シートヒーターが追加され、利便性が高まった。フルオートエアコンは全車に標準装備。

しかも後席を最後端にした状態でも十分な荷室容量が確保されているから積載性も良好。助手席も前倒しできるのでサーフボードも車内に積める。 タイヤも13〜14インチになるため、12インチのアトレーよりも見栄えが良く、カーブでの踏ん張りも効く。

居住性

エンジンはターボだけなので力不足を感じることはなく、荷物を積んだ状態でも力強く走ってくれる。ただし、4速ATを組み合わせているため、静粛性や燃費が悪いのが弱点。乗り心地は少し硬めで、乗員や積荷が少ないときには跳ねるような挙動が出てしまい、ワゴンと言えどもスペーシアのような快適性を期待してはいけない。

うれしい装備

月間登録台数   1244台(21年8月〜22年1月平均値)
現行型発表     15年2月(一部仕様変更 21年9月)
WLTCモード燃費  13.3 km/l

ラゲッジルーム

先進安全装備などはアトレーに逆転されてしまったが、唯一の軽ワンボックスワゴンとしての存在感は高まった気がする。

※本稿は、モーターファン別冊ニューモデル速報統括シリーズVol.140「2022年軽自動車のすべて」の再録です。

▶︎ http://motorfan-newmodel.com/integration/140/

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