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シビックタイプR vs メガーヌ ルノー・スポール
新型シビックタイプRは、一見して、先代タイプRの正常進化という印象だ。FF最速スペックと、日常の扱いやすさや乗り心地を両立するコンセプトも踏襲。2.0Lターボのパッケージも踏襲するが、330ps、420Nmと、しっかりとパフォーマンスアップも果たしている。新設された「+Rモード」 を含むドライブモードや、タイプR専用のデータロガーを車載ナビにアプリとして搭載するなど、オーナーを楽しませる仕掛けも充実している。
対するメガーヌ R.S.(ルノー・スポール)は、現行モデルで三世代目。3ドアから5ドアボディに変更されたこと、直4ターボエンジンが2.0Lから1.8Lへとダウンサイジングされたこと、さらには、4コントロールと呼ばれる4WSを採用するなど、3代目のトピックは多い。二種類のシャシー仕様を用意したり、MTとDCTを用意するなど、タイプRよりもユーザーの間口を広く取っている印象も受ける。直4ターボから300psを絞り出し、ともにニュル最速、FF車最速を標榜する格好のライバル対決!1スペックのシビックタイプRに対し、メガーヌは、上級仕様であるTROPHY EDCをサンプルに比較していこう。
ボディサイズ比較:ロー&ワイドなタイプR。全高はメガーヌより60mmも低い!
新型シビックタイプR 全長×全幅×全高:4595mm×1890mm×1405mm ホイールベース:2735mm トレッド:前1625mm/後1615mm 車両重量:1430kg 最小回転半径:5.9m 最低地上高:125mm
ルノー・メガーヌ R.S. TROPHY EDC 全長×全幅×全高:4410mm×1875mm×1465mm ホイールベース:2670mm トレッド:前1620mm/後1600mm 車両重量:1480kg 最小回転半径:5.2m 最低地上高:―mm
ともにCセグメントハッチバックの両者だが、クーペセダンのようなフォルムを採るタイプRが、2ボックス形状のメガーヌに比べ185mmも長い。両者は全幅もスペシャルだが、基準車比で実に90mm増しのタイプRは全幅1890mmと、Cセグメントハッチバックとしては異例の幅広ボディを採る。全高はなんと60mmもタイプRが低く、よりスポーティなアピアランスだ。
ホイールベースは、全長の違いもあって、タイプRが65mm長い。車両重量は、タイプRが50kg軽い。タイプRの弱点は、最小回転半径だ。前後265幅のタイヤを収めるタイプRの最小回転半径は5.9mと、メガーヌの5.2mより大幅に大きい。
パワートレーン比較:タイプRの2.0Lターボは史上最強330psへ!
新型シビックタイプR 形式:直列4気筒DOHCターボ 型式:K20C ボア×ストローク:86.0mm×85.9mm 排気量:1995cc 圧縮比:9.8 最高出力:243kW(330ps)/6500rpm 最大トルク:420Nm(42.8kgm)/2600-4000rpm 燃費消費率(WLTC):12.5km/l 使用燃料:プレミアム タンク容量:47ℓ トランスミッション:6MT
ルノー・メガーヌ R.S. TROPHY EDC 形式:直列4気筒DOHCターボ 型式:M5P ボア×ストローク:79.7mm×90.1mm 排気量:1798cc 圧縮比:――― 最高出力:221kW(300ps)/6000rpm 最大トルク:420Nm(42.8kgm)/3200rpm 燃費消費率(WLTC):11.3km/l 使用燃料:プレミアム タンク容量:47ℓ トランスミッション:6DCT
シビックタイプRのK20Cユニットは、ターボチャージャーの効率向上、イナーシャ低減、吸入流路径拡大、インタークーラーの段数アップ他の施策により、パフォーマンスも330ps、420Nmへと向上している。一方のメガーヌRSは、1.8Lターボながら出力は300ps、最大トルクに至っては、タイプRと同値の420Nmを実現しているのだ。
トランスミッションは、タイプRは6MT一択。操る悦びを最大化するべく、究極のMTシフトフィールを追求。剛性感、節度感、スムーズ感向上などの対策が採られている。メガーヌは、6MTを用意するほか、6速デュアルクラッチトランスミッションを設定するのが大きな違いだ。
燃費はシビックが12.5km/l、メガーヌが11.3km/l。高性能車とあっていずれもあまり好燃費とは言えないが、データ的にはシビックが1割程度優れた数字を叩き出している。
タイヤ&ホイールを比較:シビックの前後265は異例の幅広サイズ
新型シビックタイプR タイヤ フロント/リヤ:265/30R19 ホイール フロント/リヤ:19×9.5J
ルノー・メガーヌ R.S. TROPHY EDC タイヤ フロント/リヤ:245/35R19 ホイール フロント/リヤ:19×8.5J
シビックタイプRは、先代タイプRの20インチからの最適化を図り19インチにサイズダウン。異例なのは前後「265」というタイヤ幅だ。これはCセグメントハッチバックとしては異例のサイズと言える。タイヤはミシュラン パイロットスポーツ4Sを履く。
メガーヌR.S.もタイプR同様19インチ。こちらも十分に太いが、シビックと比べると2サイズダウンの245を採用する。タイヤ銘柄はブリヂストン ポテンザS001。国産車がフランスのタイヤ、フランス車が国産のタイヤを装着するのが面白い。
コックピット&インテリアを比較:特別感を演出するタイプRのレッドカーペット
両車ともにベースモデルの基準車と多くの部分で共通となるインパネは、日常的に使いやすいしつらえで、フェアレディZやスープラのような「スポーツカー然」としたインパネと比べると、落ち着いた印象だ。その中でやはり、タイプRの真っ赤なシートとフロアは強烈で、この配色だけで特別感を十分に煽られる。配色だけでなく「+R」モードやデータロガーなど、タイプR独自の機能も数多く用意されている。
タイプRから目を移すと、インパネ自体の雰囲気は落ち着いていて極めてフツウな雰囲気だ。特別さを煽るのは、センターにテーピングが施されたレザー/バックスキンコンビのステアリング。そして、R.S.のロゴが配されたレカロ製セミバケットシートの存在である。
グレード&価格を比較:タイプRのプライスの優位性が際立つ
新型シビックタイプR グレード 排気量 トランスミッション 価格 シビック TYPE R 2.0Lターボ 6MT 4,997,300円
ルノー・メガーヌ R.S. グレード 排気量 トランスミッション 価格 メガーヌ R.S. 1,8Lターボ 6DCT 5,190,000円 メガーヌ R.S. TRORHY 1.8Lターボ 6MT 5,490,000円 メガーヌ R.S. TRORHY EDC 1.8Lターボ 6DCT 5,590,000円
「相当、頑張りました」というホンダ関係者の声を聞かずとも、タイプRの割安感は際立っている。まず、近年さまざまな理由から、クルマのベース価格が上がり続けている。シビックの1.5Lターボ車が、353.98万円(EX)、e:HEVが394.02万円。そう考えるとなおさらタイプRの499.73万円は破格に思える。ロードスターRFの392.26万円(RS)、WRX S4の477.4万円(STI Sport EX)などを見ても、その印象は変わらない。「プライス/パフォーマンスレシオで言えば、チャンピオンではないだろうか。
一方のメガーヌR.S.は、ベースグレードが519万円で、スポーツシャシーの「シャシーカップ」を組み込む「TRORHY」が549(6MT)、559(6DCT)万円というプライス。上質な乗り味に4コントロールの先進性、そして300psのパフォーマンスを考えると、メガーヌとて特別割高な印象ではないだろう。
ホンダ シビック TYPE R 全長×全幅×全高 4595mm×1890mm×1405mm ホイールベース 2735mm 最小回転半径 5.9m 車両重量 1430kg 駆動方式 前輪駆動 サスペンション F:マクファーソン式 R:マルチリンク式 タイヤ F/R 265/30R19 エンジンタイプ 直列4気筒DOHCターボ エンジン型式 K20C 総排気量 1995cc 内径×行程 86.0mm×85.9mm トランスミッション 6速MT 最高出力 243kW(330ps)/6500rpm 最大トルク 420Nm(42.8kgm)/2600-4000rpm 燃費消費率(WLTC) 12.5km/l 価格 4,997,300円
ルノー・メガーヌ R.S. TROPHY EDC 全長×全幅×全高 4410mm×1875mm×1465mm ホイールベース 2670mm 最小回転半径 5.2m 車両重量 1480kg 駆動方式 前輪駆動 サスペンション F:マクファーソン R:トーションビーム タイヤ F/R 245/35R19 エンジンタイプ 直列4気筒DOHCターボ エンジン型式 M5P 総排気量 1798cc 内径×行程 79.7mm×90.1mm トランスミッション 6速DCT 最高出力 221kW(300ps)/6000rpm 最大トルク 420Nm(42.8kgm)/3200rpm 燃費消費率(WLTC) 11.3km/l 価格 5,590,000円