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性格分けが明確な特別仕様車 改良で走りや使い勝手も向上
世代商品群の情報に目が向きがちだが、実はCX-5の売れ行きはまだまだ好調。2020年にも走りを含めた大掛かりな改良を実施したばかりのところ、21年末にさらに大きな節目を迎えた。3つの個性を揃え、それぞれの世界観に相応しく差別化を図ったのは、多様化するユーザーのニーズに対応するとともに、いつのまにかパッケージなどの選択肢が増えて複雑になっていたラインナップをわかりやすく整理するためだ。
エクステリア
中でも新たに加わった、SUVっぽさをわかりやすく表現したこれまでにないテイストの「フィールドジャーニー」は、見慣れたCX-5とは雰囲気が一変している。実のところ、初代のコンセプトを発展させて登場した二代目だが、洗練度を深めた半面、初代がもっていたタフな雰囲気が薄れたというユーザーの声が少なくなく、関係者も同様に感じていたという。
そこで新たに設定されたのが、件の「フィールドジャーニー」だ。インテリアを遊び心のある色使いとしたほか、荷室を耐水仕様としたり、17インチのオールシーズンタイヤを履き、サスペ ンションや4WDシステムを専用設定とするなど、キャラクターに合わせて差別化が図られている。
乗降性
残る2モデルについて、同じく新設の「スポーツアピアランス」は、既存の「ブラックトーンエディション」に対してレザーシートが選べるようになったのがポイント。「エクス クルーシブモード」は継続となる。改良におけるメカニズム面での全車共通の進化点としては、マツダ3より採用しているスカイアクティブ-ヴィークルアーキテクチャの考え方を取り入れ、車体のリヤシート下にクロスメンバーを追加し、それに合わせてサスペンションをチューニングし直したことが挙げられる。
インストルメントパネル
これにより静粛性が向上したほか、ピッチ挙動が低減して滑らかでフラットな乗り味になり、走りの一体感も増すなど、走りの質感が高まったことを乗ると直感する。さらに、目玉の「フィールドジャーニー」には専用の改良が施されている。既搭載の「オフロードトラクションアシスト」について、ガソリン車では空転しないようにあえて低速ギヤでロックアップが自動的に解除される機能や上り勾配を検知するとアイドル回転数を上げて走りやすくする機能が新たに追加された。
居住性
加えて、北米の国立公園によくあるようなシチュエーションでの走破性を高めるため、中高速でのAWD制御やGVCオフロードモードの特性を見直したという。注目すべき全モデル共通の変更は他にもある。例えばシートはS字の姿勢がしっかりとれるようバネ特性を見直すとともに、取り付け剛性を高めて車体と一体となって動くように改良された。
うれしい装備
月間登録台数 2814台(21年10月〜22年3月平均値) 現行型発表 16年12月(大幅改良 21年11月) WLTCモード燃費 19.5 km/l ※「XD」系のFF/6速MT車
ラゲッジルーム
荷室はフロアボードが前後分割タイプで、それぞれ上下段へセット可能になりフルフラットにできて車中泊しやすくなった。フロア下のサブトランクも容量が大幅に拡大された。さらには新たにアウトドアを意識した凝ったアクセサリーが豊富に用意されたこともお伝えしておこう。まだまだ現役バリバリ。CX-5の進化は止まらない。
※本稿は、モーターファン別冊ニューモデル速報統括シリーズVol.141「2022-2023 国産&輸入SUVのすべて」の再構成です。
http://motorfan-newmodel.com/integration/141