リヤゲートを開ければ、ドリンクホルダーにも手が届く

本格クロカンらしくスペアタイヤが装着されたジムニーの力強いリヤビュー。四角いフォルムは丸いクルマが多い中で新鮮だ。

新型ジムニー XC 5MTは、毎日街乗りで使ってみても各部の作りに感心するばかりだ。今回はリヤゲート周りの設計の素晴らしさをレポートしようと思う。ジムニーXCは非接触型のキーを携帯し、ドアハンドル近くのボタンを押せば、車両全ドアのキーロック施錠/解除ができるようになっているが、これはリヤゲートも同様で、とても便利だ。まずここにプッシュボタンがあるだけで毎日、本当に重宝する。

リヤゲートに 、左右ドアと同じドアアウターハンドルとキーレスのリモコンキーを携帯していれば施錠/解錠できるプッシュボタンを備える。これがとても重宝する。

筆者は重いカバンや手荷物をたくさん持って出かけることが多いが、プッシュボタンを押して、ドアハンドルを引けば、リヤゲートは標準装備のダンパーによって80°近くまでゆっくりと自然な感じで開いてくれて、すぐ直近にあるリヤシートに簡単にカバンを置けるのだ。

横開きのリヤドアはダンパーで直角近くまで大きく開く。リヤウインドウの熱線の配線がむき出しなのにはちょっと驚くが、まあジムニーだから許せる。
リヤゲートのダンパー。絶妙なチューニングでちょうど良い重さとスピードで開く。
先にリアゲートを開けて荷物を置けるのはありがたい。片側だけ倒せる2分割可倒式シートも便利だ。

さらに驚きはセンターコンソールにある前席用ボトルホルダーにペットボトルを置こうと思えば、なんとか手が届きくのも嬉しい。運転席に乗り込んでから後席の荷物へも手が届く。そんなコンパクトさがまた嬉しい。荷室後端のラゲッジボックスは洗車道具や工具など小物をスマートに収納でき、後席を倒した際にフラットになる高さに設計されている。

前後席共に使えるドリンクホルダーがセンターコンソールにあるが、これがリヤゲートからでもなんとか届くのがありがたい。

これは、シートを片側だけ倒しておいて、段ボール箱など大きめの荷物を積む時に便利だ。簡単に荷物を積んだら、適度な重さのリヤゲートを締めれば、手ぶらで運転席に乗り込めるので、都内の駐車場で隣の車にドアをぶつけないか、注意しなければならないような狭い場所での乗り降りがとても楽でストレスがない。

リヤゲートを開けた手前には小物入れになるラゲッジアンダーボックスを備えている。これでリヤシートを倒した際にフラットになる。

ヒンジひとつとってもプロの道具感が所有満足度を満たす

ルーフアンテナ、排気管の出口共に車体の右側、ヒンジ側に寄せてあるため、荷物の積み下ろしなどで邪魔になったり、排気ガスが気になるようなことはない。配慮が行き届いた設計だ。

この、出かける前に手ぶらで乗り込める解放感、ストレスの無さはジムニーの大きな魅力だ。もちろん、後方に十分なスペースがない場合はリヤゲートが壁に当たらないように注意しなければならないが、全長の短い軽自動車なので、少しだけ前方に駐車してあげれば問題はない。

雨天時にルーフからの水が落ちない雨樋はルーフキャリアなどの固定にも使えて、実に機能的。ラジオアンテナはショートタイプを右リヤルーフに備える。

よくみてみるとオーバークオリティと思えるほどヒンジ部が剛性感ありそうな作りになっている。これなら分厚いリヤゲートはもちろん、スペアタイヤやアフターパーツのラダー(はしご)を取り付けたりしても十分耐えてくれそうだ。

リヤゲートは分厚く頑丈そうだが、それ以上にガッチリとしたヒンジで支えられている。
フラットにして中に隠すこともできたであろう「頑丈なヒンジ部」は外側はあえて無骨に突き出し、黒いプラスチックカバーで覆うことでスタイリッシュにしながらも静かにその存在を主張している。

リヤゲートだけに留まらず、各部の細かな配慮とオーバークオリティによって、ある種「プロの道具」としての本物感が所有満足度を上げてくれる。これもジムニーの大きな魅力のひとつだ。

リヤワイパーを標準装備。運転席側から見る左後方から拭き取る位置についているのはさすがだ。スペアタイヤに半分隠れているから、オフロードでは汚れにくいかもしれない。
ハイマウントストップランプは目立たないが点灯時は視認性が高い場所に備えられている。その横にリヤウインドウウォッシャーノズルがあり、上から下に噴射する。砂汚れが詰まりにくそうだ。
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