優れたドライバビリティと魅力的なインテリア「メルセデス・ベンツ GLA」【最新SUV 車種別解説】

メルセデス・ベンツのSUVラインの最小モデルの「GLA」。外観からのイメージよりも広い室内は、大人四人のデイキャンプ程度の装備も対応できる。軽快さのガソリンエンジンか力強さのディーゼルエンジンか、どちらもメルセデスらしい味わいを感じられるだろう。
REPORT:安藤 眞(本文)/小林秀雄(写真解説) PHOTO:神村 聖 MODEL:大須賀あみ

後席居住性や荷室用途は良好 全車ターボ搭載で快活な走り

メルセデス・ベンツのSUVライン最小モデルがGLA。全長は4415〜4440mmとコンパクトな部類だが、全幅は1850mmと結構ワイドだ。ホイールベースは2730mmと、三菱アウトランダーより5mm短いに過ぎない。それだけ室内は広く、身長181cmのボクでも窮屈感は皆無。ドライビングポジションはSUVらしくアップライトで見晴らしは良く、車両感覚の把握も容易だ。

エクステリア

日本の道路事情でも、それほど気を遣わずに運転できるサイズ感。オプションのAMGライン装着車には、フロントスポイラーや19インチアルミホイールなどが装備される。最小回転半径は5.3m。

後席は居住性も多用途性も◎。140mmのスライド機構が付いており、最後端にすれば、ボクが座っても膝前には100mmぐらいの余裕ができる。スライドは6対4分割できるため、乗員の体格や荷物の量に柔軟に対応できるし、背もたれは4対2対4分割で倒すことが可能。真ん中だけ倒せばスキーやスノボ、カヌーのパドルなどを積んで、大人4名がゆったり座れる。

乗降性

ラゲッジも外観から想像するより広く、床面長は780mm、幅はホイールハウス間で1050mmを確保。高さ方向もトノカバー下まで410mmあり、コールマンの54QTサイズのクーラーボックスがピッタリ収ま る。さらにフロアボードを床下収納に落とし込めば、+75mmの深さが稼げる。テントやシュラフまで大人4名分積むのは厳しいが、テーブル& チェアと火器&食器に食材ぐらいは積めるので、デイキャンプやコテージ泊なら対応可能だ。

インストルメントパネル

AMGライン装着車はカーボン調インテリアトリムや本革巻きマルチファンクションスポーツステアリングを装備し、スポーティな上質感をアップ。インターフェースには10.25インチのデジタルメーターとセンタータッチスクリーンを2枚横に並べた独自のレイアウトを採用する。ナビゲーションや音声認識機能も搭載。

ラインナップは標準車系とAMG系の2系統あり、ローエンドの「GLA180」がFF。ほかは〝4MATIC〞と付くとおり、電子制御多板クラッチ式の4WDとなる。「GLA180」のエンジンは、1.4lのガソリンターボ。最大トルクは200Nmと2.0l自然吸気並みで、最高出力136psを5500rpmで発生。豊かな低速トルクを持ちながら、ガソリンエンジンらしい軽快な吹け上がりが身上だ。

居住性

ラインナップで唯一、ディーゼルエンジンを搭載するのが「GLA200d」。排気量は2.0lながらターボで過給することで、320Nmの最大トルクを1400rpmから発生。ターボラグもほとんど感じられ ず、急勾配の登り坂でも低回転のまま力強く登っていく。AMGの「35」と「45S」は、2.0lガソリンターボを搭載。前者でも最高出力306ps/最大トルク400Nmと、かつての三菱ランエボ やスバルWRX並み。後者は過給圧を高めており、421ps/500Nmのハイパワーを発揮する。

うれしい装備

前席から後席までガラスルーフが広がるパノラミックスライディングルーフをオプション設定。フロント側はチルトアップと全開閉が可能となっている。室内側の電動シェードも備わり、簡単に室内の開放感を高めることができる。
標準装備の電動テールゲートにはフットトランクオープナーを搭載。手が塞がっていても、つま先をバンパー下に入れる操作でテールゲートを開けられる。
月間登録台数    NO DATA
現行型発表     20年6月(一部仕様変更 21年9月)
WLTCモード燃費  16.5km/l※「GLA 200d 4MATIC」

ラゲッジルーム

AMGモデルは標準車より全高が35mm低くなり、最低地上高も160mmと、悪路は少々厳しい水準になる。操縦性能は高まるとはいえ、乗り心地もそれなりに硬くなるため、試乗して納得してから選ぶべし。

※本稿は、モーターファン別冊ニューモデル速報統括シリーズVol.141「2022-2023 国産&輸入SUVのすべて」の再構成です。

http://motorfan-newmodel.com/integration/141

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