目次
最上の移動空間を作り出す「SUV専用」タイヤの実力派いかに
BRIDGESTONE/ALENZA LX100 ブリヂストン/アレンザLX100
レグノで培った技術を惜しみなく投入
いまや一過性のブームではなく、ひとつのジャンルとして確立されたともいえるSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)。
日本語に訳すと「スポーツ用途の多目的車」という意味であるように、アウトドアやレジャーなど多彩なシーンで万能に使い倒せるのが特徴だ。
荷物を沢山積み込めるうえに、見晴らしがよく運転しやすいのもメリット。
そうした利便性のよさに注目が集まり、近頃では都会的なフォルムを併せ持つスタイリッシュな新型モデルも増えてきた。
いまやSUVユーザーの多くはシティユースが主体になってきている。
そこでブリヂストンではオンロード向けのSUV専用ブランド、アレンザシリーズを展開。
2017年に発売し、好評を博しているスポーティモデル「アレンザ001」に加え、新たに静粛性を重視した『アレンザLX100』をリリースしてきた。
そのターゲットはズバリ、プレミアムSUV
これまで静粛性や快適性はあまり重視されてこなかったSUV用タイヤだが、アレンザLX100ではブリヂストンの技術力を結集し、コンフォート性能を研ぎ澄ませてきたのだ。そのターゲットはズバリ、プレミアムSUVだ。
その特徴は第一に、プレミアムタイヤの頂点ともいえるレグノで培ったサイレントテクノロジーを惜しみなく投入していること。
不快なノイズを抑え込む非対称の新パターンを採用したほか、摩耗後と高周波ノイズを抑制する「シークレットグルーブ」や「ダブルブランチ型消音器」を搭載。
これにより、摩耗しても静かさがずっと続く快適性を実現している。
さらに注目したいのは、高速走行時のふらつきも抑制していること。
背が高く重量があるSUVはカーブで不安定になったり、横風にあおられがち。
そこでアレンザLX100では、SUV専用サイドチューンを施すことで、十分な剛性を確保。
あらゆる条件下で安定した走りを披露してくれる。
SUVにファーストクラスのような乗り心地をもたらすアレンザLX100。
ラベリング性能は、全39サイズで転がり抵抗係数A、ウェットグリップ性能Cを達成していることも付け加えておきたい。
車格が上がったかのような静粛性と乗り味
試乗メニューはふたつ。
SUV向けオンロードタイヤのデューラーH/L850(現在廃盤)とアレンザLX100の比較と、運動性能を重視したアレンザ001との比較試乗。
まずデューラーH/L850との乗り比べから。
コンフォート重視のタイヤなだけに十分に静かで快適。
SUVにありがちな不快なタイヤノイズやバタつき感はうまく抑えられている。
これほど快適なのにその差が体感できるのか不安に感じたほど。
しかし、アレンザLX100の試走をすると、そんな不安も吹っ飛んだ。
“車内が静寂に包まれた…”とでもいえようか。
市街地はもちろん、音が反響するトンネル内でも、タイヤからのノイズは皆無。
エンジンやモーターの音が大きく聞こえてしまうほどである。
さらに乗り心地についてもデューラーは路面のざらつきが多少なり伝わってくるのに対し、アレンザLX100はそうした入力をしっとりといなしている。
おなじハリアーなのに、車格がワンランク高まったかのような印象さえ受けた。
次は運動性能重視というアレンザ001との比較試乗。
これは好みが分かれるところだろう。
LX100がじんわりと曲がるのに対し、001はハンドル操作にリニアに反応してくれる。
キャラクターの違いが如実に表われていた。
静粛性については、当然ながらLX100に軍配があがる。
特に違いを感じたのは30km/hまでの走りはじめ。
LX100は高級セダンに乗っているかのように、どんな状況下でも静かで快適であった。
ブリヂストンの渾身作、アレンザLX100は、SUV専用タイヤの新境地を切り開いたといえる。
その上質な乗り味は、一度体感してみる価値ありだ。
トレッドパターン
アレンザブランド初のコンフォートラインであるLX100。タイヤの溝を空気が通り抜ける際に発生するパタンノイズを低減する3Dノイズ抑制グルーブや、ショルダー部にクッション機構を持たせて振動を和らげる3Dノイズカットデザインを採用。優れた静粛性を実現した。
ふらつきを抑制する専用設計
重量級のSUVをしっかり支える専用設計。高速でのレーンチェンジや峠のカーブでもふらつきが少ないので安心して運転できるし、同乗者も酔いにくいのだ。
進化したサイレントテクノロジー
レグノで培った最新テクノロジーを注入。新品時はもちろん、タイヤが摩耗しても優れた静粛性が続く。最初だけのタイヤじゃないのだ。
摩耗寿命もアップ
ブロック剛性を最適化。偏摩耗しにくい設計となっており末長く愛用できる。タイヤ交換のサイクルが長いので、交換工賃も抑えられる。
3つのSUV用オンロードタイヤを乗り比べ
デューラーH/L850とのほか、スポーツ性を重視したアレンザ001とのフィーリング比較もできた。試乗コースはトンネルやカーブがある多彩なロケーション。アレンザLX100の優れた静粛性や乗り心地がはっきりと体感できた。
比較試乗したのは石川大輔氏
試乗車はハリアーとアウディQ5。LX100のゆとりのある走りに、改めてタイヤ選びの重要性を再認識させられた。18インチでも不快な突き上げ感は皆無だった。
【SPECIFICATION】
<アレンザ LX100>
サイズ 15〜22インチ
※全39サイズ
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]